メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第3話 そこは街だった。

 歩きに歩いて、何とか辿り着いた。

 

 しんどかったよ。

 自転車もバイクも電車もバスも無い。

 

 ……俺、筋肉は使うようにしていたんだけどな。

 思ったよりも、俺は文明に頼り切っていたらしい。

 

 辿り着いた場所は見上げるくらい巨大な城壁に囲まれた場所。

 

 門の位置には人が居た。

 でも、武装している……

 

 これは……

 

 頭の片隅で考えていたんだが、異世界転生ってやつなんだろうか?

 生前、巷で流行った物語。

 

 結構好きだった。

 今の世の中のしがらみを全部捨てて、全く違う誰かになりたい。

 妄想みたいなもんだけど、そういう思いはあったよ。

 

 でもまさか、現実に自分に降り掛かるなんてな。

 

 俺はあの世界で死を迎えたと思ってた。

 ここに来る直前の状況が、絶体絶命で。

 助かる目なんて想像できなかったし。

 

 だとしたら多分、あの場で俺は死んだんだ。

 

 そして、この世界に転生した。

 死んだときの姿で。

 ついでに、認知世界でのみ振るえたチカラ……ペルソナ能力を現実でも振るえるチカラを得て。

 

 しかしな。

 どうしたもんか。

 

 門番が居るということは、ここは街なのかもしれないけど。

 規模からして、砦や要塞では無いだろ。

 多分だけど。

 

 デカ過ぎんだよ。

 

 それ自体は嬉しいことだけど……

 

 簡単には入れないだろうな。

 他所者を、無警戒に迎え入れてくれるとは思えない。

 

 何故って……

 

 武装の感じが、中世なんだよ。

 完全に中世ヨーロッパってわけじゃ無いけど……

 

 兵士が持ってる武器が槍なんだよな。

 

 ……とすると

 

 他所者がフラフラ救助を求めて近づいたら、拘束されて殺される恐れもある。

 文明レベルが低かったら、十分あり得る話だ。

 

 だとしたら……

 

 

 

 俺は、認知の鎧……怪盗服を身に纏う。

 チカラを解放して、怪盗の姿になったんだ。

 

 その力で、この巨大な城壁で、見張りが少ない場所を駆け登った。

 

 僅かな凹凸に飛びついて、垂直に聳え立っている城壁を瞬く間にてっぺんまで登り切る。

 まるっきし、フィクションの中の忍者のように。

 

 てっぺんまで登ると、何人か見張りの兵士を見掛けたが、その兵士たちの警戒の隙間を縫い

 

 そこもクリアし、俺は壁の中に入り込んだ。

 

 中に入ると同時に、俺は怪盗服を解除して元の姿に戻る。

 

 ……ここが中か……

 

 そこは想像通り街だった。

 イメージはやっぱり、ヨーロッパが近い気がする。

 

 行ったことは無いけど、写真で似たような景色を見たことがあるから。

 

 次は……

 

 ここで生きていくには、どうすればいいのだろうか?

 

 取り敢えずここに来ることを目標にしていたけど。

 そこから先をまだ考えて無くて。

 

 俺はこの世界について何も知らない。

 そこには、言葉の問題も含まれる。

 

 その手の読み物では、言葉は何故か通じるパターンが多かったけど。

 現実はおそらくそう簡単には

 

 そう思い、悩もうとしたとき。

 

「ちょっと待ってよ。エルダ族よ、ホラ」

 

「……怖いわ。国王陛下にエルダ族の血が混じってるからって、勘違いして大きな顔をするエルダ族増えたわよね……」

 

 近場にオバサンが2人。

 

 ……そこからのヒソヒソ話が聞こえて来た。

 えっ、と思う。

 

 俺、ヒソヒソ話の内容を理解できている。

 ということは……

 

 俺はこの世界の言葉が分かるのか……?

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