メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第31話 本物のエルダ族の若者

 そのエルダ族は男性で。

 

 小柄だった。

 自分より少し低いくらいか?

 

 髪の毛の色は薄い水色に近い気がした。

 

 少しだけ青色が入っている。

 もしかしたら灰色に近いかもしれない。

 

 顔つきは優し気で、どことなく気品があった。

 

 ……あれが本物のエルダ族か……

 

 少し失礼だと思ったのだけど、思わずまじまじと見てしまった。

 俺以外のエルダ族と言われている人々は、皆転生者だったし。

 

 彼はおそらく、そっちではないはずだ。

 

 髪の色がありえない。

 染めているなら別だけど。

 

 ……髪染め薬(ヘアカラー)はこの世界で見た覚えが無いんだよ。

 だから多分、地毛じゃ無いかな?

 

 話し掛けたい、とは思ったが。

 さすがに面識も何もないのにそれは無いだろ。

 

 なので俺は、そのあとはそのまま鎧戦車に帰った。

 ぶらぶらする気分ではなくなっていたし。

 

 

 

「おかえりなさい」

 

 出迎えはリナがしてくれた。

 俺の父親は、休憩室を占拠して明日の準備をしている。

 何か複数枚の書類を確認していた。

 

 明日業者に会うわけだし、相手のことでも調べてるのかな。

 それか必要書類の点検か?

 

 ……俺も何かしないといけないわけだけど。

 俺の役目は言っちゃなんだが俺の父親の護衛だし。

 

 俺がする仕事は無いのかもしれない。

 

 ……とはいえ

 

「なぁ、ひとついいか?」

 

「今忙しいが……何だ?」

 

 俺の父親は書類を見るのを中断し、顔を上げた。

 

「明日会う鉱石の業者さんの種族は?」

 

 一応、それぐらいは知っておくべきかもしれない。

 そう思ったから訊ねた。

 

 俺の問いに

 

「……パリパス族だな。やり手の商人だ」

 

「へぇ、パリパス族」

 

 パリパス族は王都で俺に絡んで来た底辺層の男たちがそうだったっけ。

 

 あのときは何も思わなかったが、パリパス族は相当差別されてるようだ。

 

 パリパス族は何にも考えていなくて馬鹿揃い。

 享楽的で、今日が楽しければ明日はどうでもいい。

 計画性が無く、順法意識も低い。

 

 どうも世間一般ではそう思われているらしくて。

 

 前の王の時代では、処刑台に上がる定番種族だったようだ。

 

 当たり前の話だけど、そんな差別の中でも、勝ち抜いて上に行く人は居るんだな。

 そんな人を前にして、どういう態度を取るべきか……

 

 少し考えたが。

 

 まぁ、普通が一番良いのかな。

 あまり反応するのも失礼な気がするし。

 

 俺の父親はさらに続ける。

 

「今まで何度も事業を立ち上げて、その悉くを成功させてきた男だ。そのつもりで臨め」

 

 ……上から言われると腹が立つが、言ってることはもっともだ。

 

 だから俺は

 

「分かった。最大限気を付ける」

 

 そう、素直に返した。

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