メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第34話 国王?

 城は忙しかったが、城から出るための手続きをなんとか果たした。

 

 最悪無許可で出るしかないと思ってはいたが、俺たちがやって来たのは友達の家じゃないからな。

 城なんだよ。

 

 田舎町とはいえ。

 

 そういうところは誰が入って誰が出て行ったのかを厳しく管理する。

 友人宅から出ることと比較して、無許可で出るのは問題のレベルが違う。

 

 やらないで済むならしない方が良い。

 

 なんとか城の人を捕まえて、退城手続きの権限がある人に繋いで貰い

 

 出て行った。

 

「外で暴れているニンゲンは2体確認されています。……見掛けたら全力で逃げてください」

 

 城を出るとき。

 おそらく侍女のひとに、神妙な表情でそう助言をされた。

 俺だって好き好んで戦わなくていい相手と戦いたくない。

 

 俺以外戦える人間がいなかった、この前とは違うんだ。

 

 気遣ってくれてのことだから、去り際に俺は礼を言った。

 

 

 

 街は混乱に陥っていた。

 別にニンゲンが暴れている現場が近いわけじゃないのに、何やら大きな荷物を抱えて家ごと逃げ出す人で溢れかえってる。

 

「城に逃げろ!」

 

「城なら安全だ!」

 

 ……俺たちが来た方向に人が殺到している。

 

 その流れはまるで鉄砲水のようで

 俺はその勢いを想定していなくて。

 

(あっ、死ぬかも)

 

 危うく巻き込まれそうになった。

 

 しかし

 

「こっちだ」

 

 ……俺の父親が、俺を建物の影に引っ張り込んでくれたんだ。

 

 建物の影に隠れ、俺の父親は

 

「……今、流れに逆らって外を目指しても、事故の危険性が高まるだけだ。しばらく様子を見よう」

 

 そんなことを、人々の流れを眺めつつ俺に言う。

 

 俺は

 

「……一応、礼をいっとく。流れに潰されてしまうところだったから」

 

 さっきは予想外の人の流れに圧倒されて、踏みつぶされることが脳裏に過った。

 一瞬、軽く死を覚悟した。

 

 そこから引っ張り出してくれたんだから、コイツは恩人だ、

 

 だけど

 

「別にそれはいい。仕事をする上で、仲間を気にするのは普通のことだ」

 

 そんな言葉を返された。

 

 ……仲間。

 仲間か……

 

 あまり素直に受け止められない言葉だな。

 特にコイツからでは。

 

 何だか落ち着かなくなり、俺は髪に触れ、頭を掻いた。

 

 ……母さんの顔が過った。

 コイツに見捨てられ、コイツから振り込まれてくる決して多くない生活費を切り詰め、俺のために貯金をしようとしてくれた母さんを。

 

 ああ、クソッ。

 

 イライラしてきて

 

「もうそろそろ行かないか? あまりのんびりしている時間はないはずだ」

 

 強引だが、先に進むコトを促した。

 

 そのときだった。

 

 突如、大きな歓声が聞こえて来た。

 

 歓声だ。悲鳴じゃない。

 

 陛下ー!

 

 王下六本槍も来てくれたー!

 

 陛下……?

 王下六本槍……?

 

 王下六本槍は聞いたことが無い言葉だったけど。

 陛下は分かる。流石に。

 

 言うまでもないが、陛下は王や皇帝、王妃や皇后にのみ使う敬称だ。

 

 まさか……

 国王が、この事態を収拾しに直接現れたのか……?

 

 俺は困惑した。

 

 そんな馬鹿な。

 信じがたい。

 

 こんな大きな国の国王が、こんな田舎町に……?

 

 あり得ないんじゃないか……?

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