メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第38話 アイツのペルソナ

「何でアンタがそんな姿になってるんだよ!?」

 

 思わず俺は叫んでいた。

 他人をねじ伏せ、権力を振るって来たアンタが……

 

 何故、その反逆者の姿を手に入れてるんだ!?

 

 それは、弱者が理不尽な強者に抗うための力だぞ!?

 

 そんな俺の言葉を前にして

 

 俺の父親は変わった自分に戸惑っている様子は無い。

 ということは……

 

 今、覚醒したわけじゃないのか。

 

 俺の父親は俺に視線を向けないで

 

「……あとで話す。こっちのカタツムリは任せろ」

 

 そう言い放ち

 

「多分倒せる」

 

 その言葉で。

 確かに俺は、今は父親に覚醒の経緯を訊ねている場合じゃない。

 そこを自覚する。

 

 まず、この赤ちゃんニンゲンを何とかしないと。

 手を抜ける相手では無いんだし。

 

 なので

 

「……分かった。あとで教えろよ」

 

 それだけ吐き捨てるように言い。

 

 俺は戦いに戻った。

 

 

 

 

 オギャアアアア!

 

 俺のロキの剣が、赤ちゃんニンゲンの目を貫き、潰す。

 

 ――これで2回目だ。

 

 赤ちゃんニンゲンは、その視線にこちらの動きを制限する魔力のようなものがあった。

 なので俺は、放置するとまずいので、内心抵抗はあったがロキに剣で目を突かせたんだ。

 

 悲鳴が赤ちゃんそっくりで、その目は大きさが尋常ではないが見た目だけは赤ん坊そのものだったから。

 

 突く決断に、多少迷いがあった。

 馬鹿げているとは思うけど。化け物相手に。

 

 

 

 コイツは目を潰されるとさすがにその魔力は発揮できない。

 

 ――しかし

 

 さっき2回目と言ったけど。

 再生するんだよな。

 

 なのでそれまでに戦いを決めなければならない。

 

 両目を潰し、盲目状態になった赤ちゃんニンゲンに、俺はロキによる連続攻撃を仕掛ける。

 その剣で切り刻み、確実にダメージを与えて……

 

 

 グアアアアア!

 

 その横で。

 

 俺の父親がカタツムリニンゲンを相手にして戦っている。

 そこで

 

「ペルソナ!」

 

 ……俺の父親のペルソナ。

 それに俺は目を奪われた。

 

 父親が取り外したサングラスのような仮面が炎になり、反逆者としてのもう1人の自分……ペルソナに姿を変える。

 

 それは

 

 まるで法衣のようなデザインの衣装を身に纏った、黒い人影。

 頭部には何も装飾が無く、ただ赤く輝く目が2つあるだけ。

 

 全体的なフォルムは……僧侶。

 

「ヨシミツ、とどめだ」

 

『任せるがいい』

 

 ヨシミツ……ひょっとして足利義満が俺の父親のペルソナなのか?

 

 俺の見ている前で、父親のペルソナ・ヨシミツは

 

 カタツムリニンゲンにその両手を翳した。

 すると

 

 ヨシミツの背後に、無数の弓を構えた武士の影が出現し。

 

 それが一斉に矢を放ったんだ。

 

 カタツムリニンゲンを襲う、矢の雨……!

 

 カタツムリニンゲンはこの攻撃を既に数回喰らっているようで。

 

 その一撃を最後に、塵になって消滅する。

 

 ……これがアイツの「もうひとりの自分」か。

 

 足利義満……

 

 室町幕府の3代目の将軍……

 確か「日本の歴史上、本気で日本の乗っ取りを考えたのかもしれない唯一の将軍」だっけ。

 

 アイツのペルソナとしては相応しいのかもしれない。

 

 そんなことを

 

 俺は自分の相手との戦いを堅実に進めながら考えた。

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