メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第41話 俗物じゃねえか

 第一王妃……

 

 この国の国王って、お后が複数居るってことなのか……?

 第一があるってことは、第二があるってことだろ……?

 

 俺の前の世界では、先進国では王族であっても一夫一婦だった。

 そして古事記の世界でも、皇后は1人だったはず。

 

 第一王妃という言い方は、序列はあっても正式な妻が複数人居るって意味合いに聞こえる。

 俺は

 

「すみません。あまりに世間の常識に疎くて存じ上げませんでした」

 

 なるべく丁寧に頭を下げて、詫びた。

 内心は

 

 この国の王はかつての俺の父親みたいな、私利私欲で権力を握った男なのか?

 好みの女性を複数妻として所有して、口だけで他者を操って権力を維持しているような……?

 

 皆、すごい名君みたいに言ってるけど

 

 なんだよ。

 ただの俗物じゃねえか。

 少々演技が上手いだけの。

 

 この女性はその被害者なのか……

 

 そういう思いに囚われていたが。

 

 

 

 第一王妃のユーファジアさんは、キンシローさん相手に国の式典に使う晴天を引き寄せる魔導器のメンテがいつ終わるのかを確認しに来たらしい。

 

 そして予定通りにメンテの作業が進んでいることを確認して、彼女は帰って行った。

 

 その様子には影のようなものがなくて。

 国王の複数の妻の1人、という立場に辛さなんて全く無い。

 そういう風に見えた。

 

 

 

 第一王妃が去った後。

 

「あの」

 

 俺は書類をまとめているキンシローさんにそう声を掛ける。

 キンシローさんは

 

「……何だ?」

 

 書類をトントンと机に立ててまとめながら、俺を振り返る。

 俺は

 

「何故王妃なんて立場の人に、キンシローさんが応対に出たんですか?」

 

「ベルギッタ殿の手が離せない事情があったからだが?」

 

 しれっと。

 続けて

 

「……ムツタリ族はかつては底辺の種族だったから、主流の種族だったクレマール族だとかルサント族だと無意識に無礼を働く可能性があるから、というのが主な理由だ」

 

 そう、自分に役割が回って来た理由を口にする。

 

 なるほど……

 最底辺の被差別種族なら、ムツタリ族を見下す態度は取るはずがない。

 そういう理屈か。

 

 しかし……

 

「この国の国王って、王妃を複数持ってるんですね」

 

 思わず、心に抱えていたそのことを口にしてしまう。

 その言葉に何か感じるものがあったのか

 

「あのな、明智くん」

 

 何だかキンシローさんが嗜める視線を俺に向けて来た。

 俺は少し困惑し

 

「えっと、キンシローさん」

 

 俺が何か悪いことを言ったのか?

 それが分からないので訊ねようと口を開こうとした。

 

 だがその前に

 

「お前さんは何か誤解しておるな」

 

 キンシローさんの言葉が続いた。

 その言葉には、何かうんざりした気持ちが乗っていた気がした。

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