メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第42話 3人の后

「誤解とはどういうことですか?」

 

 俺は困惑しながらそう返す。

 何故窘められるのか分からない。

 

 そんな俺の思いを読み取ったのかキンシローさんは

 

「……日本の教育では王族の在り方なんぞ教えんからな。お前さんを責めるのは間違いか」

 

 ため息交じりにそう呟く。

 そして語り出す。

 

「……いいか? 王族の配偶者選びが完全自由に出来るはずなど無いんだ」

 

 俺に向かって丁寧に。

 まるっきり教師の口調で

 

「……この国は10年くらい前は、平気で種族の差別的待遇が横行しとった国だ」

 

 パリパス族は処刑台の常連で。

 ユージフ族は獣扱い。

 ムツタリ族は未開の野蛮人。

 

 それが常識で、誰も疑問を持っていなかった。

 

 そんな国で、王の魔法による選挙のような儀式が行われ。

 そこで勝ち残った1人の男が新王に即位した。

 

 この状況。

 

「この状況で、妃に選んだ女性が1種族だけだと不都合が起きるのが分からんか?」

 

 キンシローさんが口にした言葉に、俺は衝撃を受けた。

 

 ……確かにそうだ。

 

 ムツタリ族の女性を后にしたら、今後はこの国はムツタリ族贔屓になるという意志表示に取られる。

 国王本人にその気が無くても、周りが勝手にそう思う。

 

 何かムツタリ族が助けられる事態が起きれば、妃由来の依怙贔屓なのではないかと勘繰られる。

 

 これが、どれだけ国の運営に対する障害になるか。

 さすがに分かった。

 

 だから全ての種族から妻を迎えないと、都合が悪いのか。

 

 ……色々思うところはあったが、俺は一応納得はする。

 

 キンシローさんはさらに教えてくれた。

 

「……現在の国王陛下のお后は3人いらっしゃるが……」

 

 3人……

 

 ムツタリ族、ルサント族、そしてニディア族の女性だそうだ。

 

 ムツタリ族とルサント族は前に語ったけど。

 

 ニディア族というのは、外見的には眼に特徴がある種族で。

 

 眼の瞳の部分が大きく、宝石のように煌めく虹彩を持ってるのが特徴。

 種族的に口が上手く、他人に取り入る能力が高い者が多いので

 

 嘘吐きの種族、天性の詐欺師と罵られている種族だ。

 

 そして

 

「全員、王下六本槍のメンバー……つまり臣下だ」

 

 その全員が臣下、か。

 

 俺は自分の見識の浅さが恥ずかしいと思った。

 そんな問題の多かった国の新王に即位したから、信用性の面でお后は直属の臣下からしか選べなくて。

 

 そして特定種族の贔屓を疑われるとまずいから、臣下の女性を全員后にしたのか。

 

 ……どうも、その3人以外の王下六本槍のメンバーは男らしいんだよ。

 

 徹底しているよな。

 選ぶ方も選ばれる方も。

 

 ……前の世界の俺のウチの家庭環境とは全然違うんだな。

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