メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

43 / 169
第43話 家宅捜査

 式典は今月の中旬。

 なんでも現国王の即位記念の式典だとか。

 

 なのでその日は晴天で無いと都合が悪いので、晴天を呼び込む魔導器が要るらしい。

 

 そこはよくわかる。

 国の式典のときの晴天は、前の世界でも重要だったし。

 

 確か中国では、その日に薬品を使って無理矢理晴天を作った事例あったよな。

 そういうのはこっちの世界でも変わらないんだな。

 

 

 式典には国中の宗教家が出席するそうだ。

 国王の即位記念の式典だし、出ないわけにはいかないだろ。

 

 出ないなら

 

「お前は国王陛下の在位を認めていないということか?」

 

 と言われかねんしな。

 

 まぁ、その辺の事情を知ったのは……

 

 

「魔導器の販売とその管理状況を調査する」

 

 ……いきなり。

 

 俺たちの仕事先……つまりライケン魔道商会に、国から令状を持った役人が派遣されて来たからなんだけども。

 

 

 

 役人と言われる人物は、全員ユージフだった。

 白やら茶色、黄色や黒。

 色とりどりの蝙蝠人間たちが国王のサインが入った令状を掲げて店に踏み込んで来た。

 

 ユージフがこういう調査員の役目を任されているのは、彼らの社会的地位が低いからかもしれないな。

 

 元々社会的地位が高いクレマール族やルサント族にこういう役を任せると、全種族が平等であるという理念にケチがつくから。

 

 違法行為の取り締まり関連を主流の種族に任せるとか、やっぱ全種族平等は建前だろ、みたいな。

 

 なので同じ能力なら、ユージフに任せた方が都合がいいのかもしれない。

 

 ……それはそれで逆差別だろと思うけども、綺麗ごとではそうそう上手くいかないのかもしれないな。

 

 

 

「ええと、何のための調査で?」

 

「昨晩、惺教の教会に火炎魔法が撃ち込まれる事件が起きた。そのため、魔導器販売業者の魔導器の販売と管理状況を確認せよとのことだ」

 

 ……小さい獣人種族が、堂々とした口調で自分たちが派遣されて来た理由を口にする。

 外見のせいで、何か緊張感が無い気がするが

 

 そういう感覚は彼らにとっては侮辱だし。

 

 俺は彼らのその令状つきの調査を黙って見ていた。

 家宅捜査と言っていいよな? これ。

 

 いきなり家宅捜査は大げさすぎると思ったが、多分そうなったのも理由があるんだろ。

 

 そのときユージフが「犯人は国王陛下即位記念式典に反感を持っている可能性が高い」と言っていたし。

 事件自体の重大性がデカいので、こういう「いきなり家宅捜査」みたいな力技をやって来たのかもしれない。

 

 それぐらい、放置できない事件と思われているということか。

 

「この事件の犯人を何が何でも逮捕するため、協力をお願いする」

 

「そういうことならしょうがないですね」

 

 クレマール族の男性従業員がその応対に出たんだけど。

 彼は一切の抗議をしなかった。

 

 まぁ、相手は国だし。

 抗議自体がおそらくあり得ないんだろうとは思うけども。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。