メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
ユージフの役人たちが、ライケン魔道商会の商品在庫管理状況と、魔導器の種類について色々聞き込んでいる。
ユージフの役人たち、見た目は小さくて愛らしさはあるんだが、やってる仕事はちゃんとしているみたい。
当たり前か。
彼らはこれでも大人で、能力的にも問題無いと思われているから採用されたのだろうし。
おそらくユージフを採用した側も、だいぶ人選に気をつかったんだろうな。
ユージフであるからという理由で選ぶと、種族差別を誘発する原因にしかならない。
どいつもこいつも能力不足。
やっぱりユージフなんてクズ種族じゃないか、という。
だから本当に既存の役人と比較して遜色ない者を選んだんだろう。
……しかし。
こんなことを聞いて大丈夫なのかと思うんだが。
捜査状況に関わる話を、現場に立ち会うことで聞いてしまうなんて。
「姿を変える魔導器というものは開発されていたりはするのか?」
「と言いますと?」
ユージフの役人はメモを取りつつ、商会に居た魔導器の技術関係の担当者(クレマール族)から話を聞いている。
その中で出た質問だ。
火炎魔法が惺教の教会に撃ち込まれるとき、翼を持った人影が現場周辺を舞っていたという目撃証言があったらしい。
翼を持つ人影というと、イシュキア族を思い出すけど、イシュキア族の翼は鶏の羽根みたいなもんで、ある意味が無いものだからね。
飛べないんだよ。
イシュキア族は身体のどこかに翼のようなものが生えている種族で。
その翼は実用性が無いために「飛べない翼」と揶揄されている。
知性が高い者が多いために、種族の絶対数は少ないけど社会的地位は高い種族だ。
で。
話は戻るけど、その問題の有翼の人影。
実際に飛んでいたようだから、イシュキア族ではあり得ない。
なので「そういう姿に変身できる魔導器はあるのか?」と訊ねたようだ。
「申し訳ありませんが、そのような魔導器はまだ開発されたという話は存じ上げておりません」
「そうか。ご協力感謝する」
外見があまりに違い過ぎるので、ユージフの表情は良く分からないけど。
多分、いかめしい表情をしているんだろうな。
そういう顔に、その役人の顔は俺には見えた。
しかし……
傍で立ち会うことになって偶然聞いたこの話。
その話から、俺は1つの像を頭の中に描いていた。
ユージフの役人の話によると
赤い翼を持ち、鎖帷子と金属甲冑と長剣で武装している男性の人影……
目には瞳が無く、白く輝いている……
そういうものを、俺は見たことがあった。
前の世界での……大衆の深層心理が具現化した空間「メメントス」で。
そこに出現するシャドウ「アークエンジェル」を俺は思い出していた。