メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「ベルギッタさんは玩具の魔導器も売ってるんですよね」
それは知ってる。
俺が働いてる店では見たことは無いけど。
なので
「僕の働いている店では置いて無いんですよね」
これは単純に話を合わせているわけではなく、一応興味はあるんだ。
一体どんな玩具の魔導器があるのか。
俺の予想では、輝く棒だとか。風を操って紙人形を操る指輪とか。
そういうものを想像していた。
マリアは俺の前を歩きつつ
「じゃあゴローさんは実物ご存じないんですか?」
俺に顔を向けて、そう訊いてくる。
俺は「ええ」と返して
その次に
「売れ筋の玩具魔導器が何なのかも知らないんですよね。まだ勉強できてなくて」
そう続ける。
マリアは
「イメージした映像を映し出す鏡のパープルミラーだとか」
「作動させると歌姫の歌が流れて来るマルキュウだとか」
少し得意げに具体的な商品名を上げて来た。
……なるほど。
わりとよろしくない使い方出来そうな玩具だね。
特にパープルミラー。
俺はろくでもない人間なので、即座にそっちに思考が行く。
パープルミラーを使って、好きな相手の裸体を映像として出して、喜ぶ手合いが絶対居るだろうなぁ……
「大人でも買う人が居そうですね。特にパープルミラーは」
なのでうっかりそう返してしまった。
すると
「えっ、どうしてですか?」
マリアは理由が思い当たらなかったのか、真面目にそう訊き返して来る。
しまった。
……こんな中学生くらいの純粋そうな女の子に、大人の汚い欲望の話なんてできないだろ。
「ええと」
どう誤魔化したものか。
そう思い、少し焦ったとき。
ちょうど、日陰通りからサンルメオ中央通りに出て来た。
サンルメオ中央通りは、俺が今働いているライケン魔道商会の本店がある大通りだ。
きっちり石で舗装されてて、道幅は20メートル近くありそう。
馬車が行き交い、歩行者もたくさん居た。
だけど
ガシャン、ガシャン。
その馬車と人の群れが乱れる。
その原因は……
鎧戦車だ。
白い塗装が施された巨大な金属製のトカゲロボに、飛行機のボディがくっついているようなデザイン。
そんなのが、大通りの向こうからそれなりの速度で近づいてくる。
一体どこの鎧戦車なんだろうか?
俺たちの目は、釘付けになった。
俺たちが見守る中、その鎧戦車は……
聖職者の衣装に身を包んだ者が門の前に多数立っている場所……惺教の教会の前で停止する。
ということは……
停止した鎧戦車からヒトが降りて来た。
それは角を生やした禿頭の年配男性で。
同じような白基調の聖職者の衣装で身を包んでいる。
多分、身分が相当高い人物なんだろう。
角があるからクレマール族か。
……誰だ?
その疑問については
「あれは大教主マリードの鎧戦車よね」
「前の時代にあれだけやらかしておいて、まだあんな立派な鎧戦車に乗っていられるのね。図々しい」
他の人のヒソヒソ話で、俺は知ることになった。