メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第50話 アーキタイプの正体

「あんたもムツタリ族だろう!? 邪魔をしないでくれ!」

 

 突如乱入して来たアーキタイプに、襲撃者のムツタリ族の男が叫ぶ。

 その表情は鬼気迫るものがあった。

 

 だけど

 

「いいえ。矛を収めなさい。今止めるならアナタの罪を減じることをワタシから陛下に進言することを約束します」

 

 アーキタイプの女性は、冷徹にそう返し。

 

 その姿を変えた。

 女性の姿に。

 

 ……流石に驚く。

 アーキタイプが着ぐるみのようにヒトが身に纏うものだったという事実もだけど。

 

 ……中の人が、知ってる女性だったんだ。

 

 高貴な衣装に身を包んだ三つ目の女性……

 この国の第一王妃のユーファジアさんだったんだ。

 

 彼女は冷たい目で襲撃者のムツタリ族の男を見ている。

 錫杖のようなものを手にしつつ。

 

「俺は惺教に病気の子供を見捨てられた! ……いや、殺された!」

 

 そんな彼女に、襲撃者の男は叫ぶ。

 血を吐くように。

 

「こいつら惺教は、吐血風邪の薬になる薬草を国教の権力を悪用して、独占していたんだぞ!?」

 

 ……吐血風邪……?

 この世界での病気の名前だろうか?

 

 名前からすると、結核のような病気かもしれないな。

 薬が無いと高確率で死に至るような。

 

 その薬を惺教はかつては独占していた。

 男の口ぶりからすると、そのせいで薬を手に入れられなかったのか。

 

 だけど

 

「ええ、そういうことをフォーデンが指示していたことは知っています」

 

 ユーファジアさんは態度を変えない。

 

「ですが、そのフォーデンはもういません。彼はもうこの世にいないのです」

 

 フォーデンという男はもうすでに死んでいるらしい。

 何で死んだのかは読み取れないが、まぁあまり穏やかな理由では無さそうだな。

 

 ここでユーファジアさんが引き合いに出すくらいだし。

 

 けれども

 

「だが惺教は残ってるだろう!? 種族ごとに差別的待遇を指示し、力ある者だけに救いの手を差し伸べていた腐った奴らがまだ残っている!」

 

 喉が裂けんばかりに叫ぶ男。

 その声に乗っている呪詛は、ユーファジアさんの発する王族のオーラに怯む様子は無かった。

 

「何故陛下は惺教の奴らを全員縛り首にしない!? 何故許した!? 納得できるかぁ!」

 

 だけどユーファジアさんは動じない。

 静かにこう返した。

 

「……陛下はフォーデンが悪かったのであって、惺教が悪かったわけではないと聖慮(せいりょ)されています。それが全てです」

 

 聖慮(せいりょ)……君主の考えってことか。

 

 その言葉に襲撃者の男は発狂したようにこう叫ぶ。

 

「何が聖慮(せいりょ)だ! ムツタリ族の誇りを忘れ、外の男に靡いた穢れた巫女の分際でええええ!」

 

 ……あくまで説得を受け入れない。

 ユーファジアさんは悲しそうな表情を浮かべ、再度アーキタイプの姿に戻っていく。

 戦いは避けられない。

 

 だが

 

 そのときだ。

 

「ガアアアアアアアア!!」

 

 襲撃者の男に異変が起きたんだ。

 

 叫び声が獣じみたものになり、その身体が……

 

 ぐんぐんと拡大していく。

 

 巨大化……?

 

 そしてそのまま

 

 ムツタリ族の襲撃者の男は、その姿を変える。

 

 超デカイ顔面に。

 その顔面には鼻が無く、耳の代わりに腕が生え、こめかみの部分から2本の触手が生えている。

 そして口が蛭のような感じで。

 その口腔内部に、テーブルが置いてあり、そのテーブル周囲に武器を持った男たちが山盛りになって犇いていた。

 

 ……これ

 

 ニンゲン、だろ……?

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