メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第51話 第一王妃の実力は

「……ニンゲン?」

 

 アーキタイプの姿に変化したユーファジアさんが、動揺の声をあげた。

 どうして、と。

 

 ユーファジアさんの様子からすると、普通に起きる現象では無さそうだな。

 現王の家臣で王妃なら、そういうことを把握してて当然かもしれない。

 

 ルオオオオオオオ!

 

 ムツタリ族の男から変じたニンゲンは吠える。

 そしてそのまま、ユーファジアさんに向かって

 

 口の中の武器を持った男たちを嗾けて来た。

 

 マズイ!

 

 俺は自分と対峙しているアークエンジェルを怪盗服の標準装備であるサーベルで斬りつけ、彼女を守るために向かって行く。

 

 彼女……ユーファジアさんは

 

「先生、お願いします!」

 

 アーキタイプが握る錫杖をニンゲンに向ける。

 同時に地面に描かれる魔法陣。

 

 そこから呼び出されるのは……

 

 超巨大な雪だるま。

 恰幅の良い体格で、王者をイメージさせる衣装を身につけている。

 頭部にはヨーロッパ貴族風のクルクルした髪型……貴族の例に従うなら、これはカツラなのだろうか?

 そして頭頂部には王冠が。

 

 ……というか。

 

 これ、シャドウの一種「キングフロスト」じゃないか!

 

 ユーファジアさんのアーキタイプは、シャドウを呼び出す能力があるのか……?

 

 ヒーホッホッホッホー!

 

 ユーファジアさんが呼び出したキングフロストは、その大きな口から吹雪を吐き出す。

 

 凍結ブレス。

 

 その冷たい息はニンゲンの口から出撃して来た武器を持った男たちを飲み込み……

 

 悉く、氷の像に変えてしまい。

 次の瞬間、粉々に砕け散る。

 

 ……なんという強さ……!

 

 あまりのことに見守るしかない俺の目の前で。

 

 ユーファジアさんのアーキタイプは滑るように移動し。

 

 ニンゲン本体に近づき、錫杖で打ち据える。

 

 グオオオオオッ!

 

 叫び声をあげて、ニンゲンはその耳の代わりに生えている腕を振り回して抵抗する。

 だけどそれは、一切ユーファジアさんを捉えることはできなかった。

 

 そしてついに

 

「……終わりです」

 

 ユーファジアさんのアーキタイプはその錫杖を高く掲げ

 

 最後のシャドウを召喚する。

 

 それは……

 

 巨大な蠅だった。

 その大きさは数メートルに達する。

 それは後ろ脚2本で立ち、前の4本の腕の1つに、骸骨の杖を握っている。

 その複眼の色は赤色で

 

 あまりにも禍々しいオーラを放っていた。

 

 これはベルゼブブ……!

 

 オオオオオ!

 

 ユーファジアさんの呼び出したベルゼブブは雄叫びをあげつつ。

 その手に持った骸骨の杖を高く掲げて

 

 そこから放射されたどす黒いオーラが、ニンゲンを飲み込んでいく。

 

 グギャアアアアア!

 

 ニンゲンの悲鳴。

 

 そして俺の見ている前で。

 そのムツタリ族が変じたニンゲンは

 

 ベルゼブブの魔法を浴びて塵になり、消滅した――

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