メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
ムツタリ族の男が変身したニンゲンを倒し。
瞬く間に、残りのシャドウたちも退治して。
ユーファジアさんはアーキタイプの姿を解除した。
どこか甲冑の雰囲気がある、アーキタイプの姿が解けるように解除され、変身者であるムツタリ族の美女……第一王妃ユーファジアさんの姿に戻る。
元の姿に戻った彼女のその表情は、厳しい感じだったが
どこか曇っていた。
……民衆のために同族を倒したわけだしな。
晴れやかな顔は無理だと思うよ。
そんなことを思いつつ、俺は自分も怪盗服を解除する。
そしてそのまま逃げるようにこの場からこっそり退場しようと思ったのだけど
「そこのアナタ、待って下さい」
……その背中に、声を掛けられた。
王妃にそんなことを言われて無視して立ち去ったら、あとでどうなるか分からない。
立ち止まらざるを得なかった。
俺は振り返り
「ええと、何でしょうか?」
言葉遣い、これでいいのか?
不安になりつつもそう返し。
そんな俺を見て
「あっ、アナタはあのときの……ライケン魔道商会のスタッフの方ですよね?」
ユーファジアさんは俺の顔を覚えていたようだ。
一発で俺の正体が、この国の第一王妃に伝わってしまった。
それで
「ただいま戻りました」
俺は料理の包みを持ってライケン魔道商会に戻って来た。
会長の私室に頼まれていたものを届けて一礼する。
会長は自分のデスクの椅子に腰かけ、デスクの上に置かれたモノを一瞥する。
その膝の上に置いたいつもの愛犬を撫でながら。
そして
「ご苦労だった」
俺に頼んでいたことが無事に終わったことを知り、会長は俺にそう一言、労う言葉をくれた。
俺はその言葉を受けて
「会長、実はお話が」
そう切り出す。
会長は俺に視線を向けて
「何だ?」
一体何を言い出す気だ?
そういう訝し気な視線。
俺は深呼吸をして。
意を決し
「僕は今、第一王妃のユーファジア様から王城へ呼び出されてます」
そのことを会長に報告する。
王妃からの呼び出しだから応じないわけにはいかないけど。
俺は元々、会長……ベルギッタに雇われているわけだからな。
断りも無く勝手に王城に向かうわけにはいかないんだよ。
当たり前だよな?
俺のそんな言葉に会長は目を見開いて驚きを見せたけど。
わりとすぐに
「なるほど。じゃあ行ってくるがいい。……絶対に失礼な真似はするなよ?」
そう釘を刺される。
俺は頷いて
「では行ってまいります」
その一言を残し、俺は会長の私室を退室した。
ユーファジアさんは俺のために、このライケン魔道商会前に馬車を回してくれている。
待たせるわけにはいかない。
早く行かないと。