メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第56話 シンジュク

「他に旧世界の情報ってどんなものがあるんでしょうか?」

 

 少し決断が要ったが。

 俺は訊ねた。

 

 

 ここで旧世界に興味を持つことで、俺の立場が危うくなる。

 その可能性は無いのか?

 

 だけど俺は、それよりも質問で得られる情報の方を重視して、そう訊いたんだ。

 俺の言葉に応えてくれたのはニューラスで

 

「例えばどんなのだよ?」

 

 髭を弄りつつそう返して来る。

 俺は少し考えて

 

「……日本ってご存知ですか?」

 

 直球だけど、それを訊いた。

 だいぶ迷った。

 

 お前何言ってんの?

 聞いたことも無いが?

 そう言われる可能性は大いにある。

 

 だけどそれだけ。

 

 それを理由に、俺がまずい立場に追い込まれることは無いだろ。

 日本なんて言葉を知ってるとは怪しい。拷問に掛けろ! とか。

 日本の名を出すとは、さてはお前悪魔の手先だな? とか。

 

 だから決断したんだ。

 

 その俺の言葉に

 

「ニホン……? なんだそりゃ? 悪い。知らねえ」

 

 ニューラスがすまなさそうな表情でそう返した。

 そうか……

 

 俺は念のため

 

「じゃあ、ちゅうご……」

 

 中国は?

 そう訊こうと思ったが。

 

 直前に

 

 中国は日本語での国名だ。

 それで聞いて何になる!?

 

 そこに思い当たり

 

「ジャパンは?」

 

 ……英語に切り替えた。

 エルダ族の語源はエルダーだとさっき教えられた。

 

 エルダーって多分英語だろ?

 確信は無いけどさ。

 

 だったら英語だろ。

 

 だけどジャパンに関しても、全員が首を横に振った。

 

「チャイナ、ロンドン、アメリカ、ブラジル……」

 

 俺は思いつくまま、英語での地名を列挙する。

 国名と都市名が入り混じってる。

 無茶苦茶だ。

 

 だけど全て、悉く「知らない」と首を左右に振られた。

 

 ……ロビンフッドは偶然の一致で、やっぱりここは異世界なのか……?

 

 半ば諦めが出て来たとき。

 

 俺は

 

「……新宿」

 

 新宿、と口にした。

 そのときだった。

 

「……シンジュク?」

 

 ニディア族のブロンド長髪の美しい女性が俺の言葉に反応したんだ。

 聞き覚えがあるって顔だった。

 

「どうしたジュナ? 知ってるのか?」

 

 ニューラスがその表情を見逃さず、そう訊ねる。

 ニディア族の女性ジュナは

 

「ああ、ニューラスは知らないんだっけ? ……竜宮神殿の下にあった旧世界の遺跡の名前がそうだったのよ。確か」

 

 少しだけ自信なさげに、そう答える。

 

 えっ……

 あるのか……?

 

 新宿が?

 この世界に?

 

 流石に興奮する。

 

 なので俺は

 

「俺はそこの住人でした!」

 

 思わず、言ってしまったんだ。

 もう二度と戻れないと思っていた場所がこの世界にある。

 

 その喜びで思わず、だ。

 

 そんな俺の言葉に、この場にいる国王臣下6人の目が点になった気がした。

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