メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「えっと、それってどういうこと?」
ジュナという女性が、眉根を寄せて俺の言葉に反応した。
自分が遺跡としてあげた場所の住人だったと言われたら、そりゃこういう顔にもなるだろ。
思わず衝動的に言ってしまったことをマズかったか、と思いつつ。
ここで踏み込まないと知りたいことを知れない。
その思いがあったから
「俺は、その新宿のあった街・東京に住んでいました」
自分の言葉を補足する、さらに踏み込んだことを口にした。
「トウキョウ……?」
ニューラスが困惑した顔でそう俺の言葉を繰り返した。
俺は彼に視線を向けて
「新宿は東京の街の区のひとつなんです。東京は日本の首都で……」
新宿の街がどういう街なのかを説明した。
ニューラスはそんな俺の話をじっと黙って聞いていて
「で、お前さんはそこに住んでたと? ……大昔も大昔。ユークロニア連合王国が成立する前よりずっと昔の街に?」
俺の話が終わった後にそう返して来る。
……やっぱ賢いな、この人。
俺の話を馬鹿にはしてないけど、疑問点はキッチリ詰めて来る。
全体像を把握して、それで判断しようとしてる。
俺は彼に
「……実は俺、1度死んだんです」
迷ったが、真実を口にすることにした。
作り話をしたら、絶対にボロが出る。
そしてこの人物は、それを見逃さない気がする。
そうなったらおそらく、酷くマズいことになるだろう。
まず簡単に信じて貰えることじゃないけどさ。
真実なんだからしょうがない。
「死んだぁ? で、お前さんは生き返ったのか?」
「そんな馬鹿なことって」
ニューラスとジュナがそんな返しをした。
まぁ、そりゃそうだよな。
なので俺は
「向こうで1度死ぬような目に遭って、気が付いたらこっちの時代に来ていました」
「……アンタ、向こうで何やったんだよ? 死ぬような目に遭ったってさ?」
俺の続けたその言葉に。
パリパスの巨漢……黒毛で浅黒い肌をした男……
その人物が口を挟んだ。
「えっと」
この人物の名前は知らない。
俺が返答に詰まると
「……バジリオだ。説明してくれ。死ぬような目って何なんだ?」
彼は真面目な顔で
「俺は信じるぜ。コイツは嘘を吐いている雰囲気がねぇから。ただ……」
自分の髪を弄りつつ
「死ぬような目、って言ったときの目がな、盗みがバレて嬲り殺しの憂き目にあった昔の仲間の目に似てたんだ」
……勘で、俺が言葉を濁して誤魔化そうとしたことに気づくなんて。
国王の家臣の1人になるだけあって、突出した知性が無くても、決して馬鹿じゃ無いんだな。
困り果てる。
全部言ってしまうべきか?
そう、少し思うが
前の世界で殺し屋をしていました。
……これは絶対に言えるわけがない。
だから
「……前の世界で、怪盗を気取って盗みをしていました。自分の超能力を悪用して」
怪盗団に所属していたときのことを、俺の正史として語ることにしたんだ。
そういう活動をしていたのは嘘では無いし。
多分ボロは出ないハズ。
「そして罠にはめられて、死ぬ羽目になったんです」
そう自分がここに来ることになった経緯を説明し
「こういうのは前の世界では異世界転生って言ったんですよね」
「イセカイテンセイ……?」
最後に創作物の話を持ち出して、なんとか自分の話の信憑性を上げようとした。
作りごとでもそういう概念があることを伝えれば、何も言わないよりはマシじゃ無いか?
反応を見るために、この場の全員に視線を送る。
そして数瞬後
「まぁ、即興の作り話にしては話に矛盾点が無いとは思うわよね」
ジュナがそう呟き。
「……別の時代から来たヒトなら、
妖精ガリカがそう腕組みしつつ、そう言って来た。