メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第61話 前の世界と比較して

 鎧戦車で飛び立って数時間後。

 昼食の時間になり。

 

 キッチンがあるので、ストロールが料理をしてくれた。

 この男、ちゃんと料理できるのか。

 貴族出身なのに。

 家事スキルなんて何で持ってるんだ?

 

 そう思っていたが

 

「……一流の貴族は自分の身の回りのことはその気になれば全部出来るのは基本。やれるがやらない。それが当たり前なんだ」

 

 俺の表情から、俺の考えていることを読んだのか。

 俺の父親がそっと耳打ちしてきた。

 

 ……なるほど。

 

 多分、コイツがそう言うんだからそうなんだろうな。

 仮にも総理大臣を狙っていたわけだし。

 

 そして娯楽室にあるテーブルの上に料理を並べ、一緒に食べることになった。

 

「さあ、食ってみてくれ。自信作だ」

 

 そう言って胸を張るストロールの料理は……

 

 肉の串焼きだった。

 大雑把に切った肉と野菜を串に刺し、それを焼いたもの。

 その見た目はなんとなく、スペイン料理の雰囲気があった。

 

 で、味も別に普通で。

 むしろ美味かった。

 

 ……やるな。

 俺も生い立ちの関係上、自炊スキルくらいはあるけどさ。

 

 ここまでしっかりしたものかというと、違うしな。

 あくまで自分1人が喰えればいいもの。

 他人に振舞うのを前提で作るのは無理だ。

 

 

 

 そして食事が終わった後に、片付け等が一段落した後。

 赤毛のルサント族の女性・ヒュルケンベルグがチェスみたいなゲームをストロールとやりはじめたんだ。

 

 盤を挟んで、真剣な顔で向き合っている。

 

 どう遊ぶゲームなんだ?

 

 そう思っていたから興味深く見ていたが。

 

 ……将棋やチェスと違っていた。

 駒に機動力や攻撃可能範囲、生命点の概念があり。

 

「歩兵の進軍は認められないな。魔導器使いの駒で一網打尽だ」

 

 ……彼らはそのすべてを脳内で記憶していた。

 

 機動力や攻撃可能範囲は別に難しくないけど、生命点まで。

 

 ヒュルケンベルグの陣の魔導器使いの駒が攻撃をし、ストロールの歩兵を屠っていく。

 歩兵は生命点が1点しかない上、攻撃可能範囲が狭いので成す術もない。

 

 そこでストロールは重装兵を前に出す。

 

 重装兵は生命点が3点あるので、攻撃に何回か耐えられる。

 

 ……彼らはその駒の生命点について、メモを取ってなかった。

 どうも互いの脳内に記録して、そこに関して嘘を吐かないのがルールになってるようだ。

 

 よく覚えているな、というのと。

 ゲームの勝敗に一番重要になる部分で嘘を吐かないことに少し感心した。

 

「よく覚えてますね。駒の生命点」

 

 なのでゲームが終わった後に2人にそう声を掛けた。

 すると2人は顔を見合わせ。

 

 ヒュルケンベルグが俺に

 

「たかだか10種の駒の生命点をちょっとの間覚え続けるだけだ。大したことじゃない」

 

 一番数が多い歩兵の駒は、生命点は1点しか無いから覚える必要が無いしな。

 そんなことをなんてことない顔で言ってくる。

 

 ……その様子に

 

(そういえば前の世界でも昔の人は、自分にとって大事な電話番号は全て丸暗記しているのが基本だったと聞いた覚えがある)

 

 そんなことをふと思い出した。

 生命点を記録するという行為をしないことが基本になってるから、彼らは駒の生命点を複数記憶し続けることを普通にやれているのかもしれない。

 

 俺たちの前の世界は、文明レベルはここより進んでいるかもしれないが。

 生命体の能力としてはむしろ劣っているのかもしれないな。

 

 そんなことを、ふと思った。

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