メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「ここから外に出られる」
ハイザメがそう手で指し示す先。
そこは確かにガラス窓が破れていた。
外に出られる。
だけど
「……ここ、どう見ても3階以上の高さがありますが?」
窓から顔を出して外を確認すると。
10メートル以上下に、ひび割れたアスファルトの道路があった。
近くにはそこまで降りて行けるようなモノは1つも存在しない。
足場になりそうな箇所だとか。
電柱のようなものだとか。
まるで断崖絶壁。
下までつるんとしたビル壁があるだけだ。
すると
「そこは拙者が」
ハイザメが進み出てくる。手にはロープを持っていて。
彼はそれの片側を窓枠に結ぶと
「ハッ」
……窓から飛び出して行った。
ハイザメは忍者の雰囲気を持つ人物だったけど。
そのまんまだったようだ。
まるっきり忍者の動きで窓から外に飛び出して。
器用に10メートル以上下のアスファルトに着地した。
怪我をしている様子は全く無い
オーイ、という風に手を振っている。
このロープを伝って降りろってか。
……まあ、出来るけど。
俺は俺で、能力を発動させて。
白い怪盗服姿に変身する。
……黒い方は印象悪いしな。
国王臣下の面々はその様子に驚く。
俺はそれには応えずに
ハイザメ同様、外に飛び出して。
ロープを利用し、一気に下まで降りていく。
「……降りました」
アスファルトに着地して。
俺は先で待っていたハイザメにそう報告すると
彼は
「……なかなか滑らかな身のこなしじゃないか。ペルソナ使いというヤツは皆それが出来るのか?」
若干呆気に取られた感じで、そんなことを言ってくる。
うーん……それは
「タイプによりますね。僕は武闘派のペルソナ使いですから」
あの子はできんだろ。
あの、ハッカーの女の子は。
後方支援型だし。
俺は頭の片隅で、怪盗団で仲間の支援の役割を担っていた中学生の少女の顔を思い返していた。
眼鏡を掛けた、恐ろしく頭が良い少女の顔を。
他のメンバーが全員、ロープで下まで降りて来た。
俺の父親は、俺同様ペルソナ能力を発動させて、怪盗服姿に変身し。
その拡大させた能力で降りて来たけど。
……いいオッサンだしな。
生身では俺以上に無理だと思う。
そしてロープを垂らした下。
ひび割れたアスファルトの上に立ち
ストロールが周囲を見回しつつ、口にする。
それは……
「……ここから、旧世界を正確に把握するための資料を得るにはどうすれば良いんだ?」
そう。
俺たちが今日、ここにやって来たのは。
ユークロニア連合王国が旧世界を把握し、その文明を可能な限り取り入れたい。
そのための資料取得。
それが目的なんだよな。