メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
ユークロニア連合王国としては、ここに旧世界の遺跡があることを把握してはいたけど。
あまりにも当てが無さ過ぎるので、ここにヒトを送るのは断念していたんだ。
一応彼らには「旧世界の知識は危険なもの」という認識はあったんだけど。
だからといって、全く触れないのは良い手とは言えない。
当てが無かったからヒトは送らなかったが、俺たちの存在を知ったことで当てが出来た。
旧世界の知識を得るためには、どうすればいいのか? という。
これについて俺の父親は
「……かつての我々の国でも、毒ガス兵器の研究はしていた。それは自国で使うためじゃない。敵に使われても対処の手段があるようにするためだ」
そう、彼らの目的を知ったときにそうコメントしていた。
「それについては、一番良いのは国会図書館に行くことですな」
俺の父親が、ストロールの問い「これからどうすればいい?」に対してそう返しているところに。
(……空は空だな。本物に見える)
この場所について冷静に観察をする。
最初、超技術で偽装された「新宿のようなもの」かと思ったんだけど。
実は空はプロジェクションマッピングで。
地面にはナノマシンがいて、この街の維持のために走り回っている。
そういうのを想像していたんだけど。
……本物にしか見えない。
空もだけど、コンクリート製の建物群も別に異常なところは見つからない。
俺の知ってる新宿の街そのものだ。
まぁ、俺が完璧に騙されているだけかもしれないが。
「国会図書館という場所にはどう行けばいいんだ?」
「国会図書館は千代田区ですね」
「チヨダク?」
俺の父親とストロールの会話を聞きつつ俺は
(千代田区は新宿区の東だから……)
あっちに都庁がある。
つまり……
反対か。
位置的に考えるとそうなるな。
多分、向こうにあるのは新宿駅だし。
「こっちです。千代田区は」
俺は先導するように歩き出す。
他の面々は少し戸惑いがあったみたいだけど。
最終的について来てくれた。
新宿駅を越えて歩き続けると、皇居が見えて来る。
その間、ここの住人には出会わなかった。
放置された車に、誰も居ない道路。
ニンゲンが居るかもしれない、と思ったんだが。
全く誰にも遭わなかった。
「あれは何だ? 城か?」
ヒュルケンベルグが皇居を指差してそう訊ねて来る。
城ね……
まぁ、そうなんだけどさ。
「うーん……王城ですね。僕らの住んでた国の」
正確に言うならそうなるな。
俺の言葉に
「なるほど」
ヒュルケンベルグは頷いて
呟くように
「……旧世界は王を暴力をもって殺害してもその地位を簒奪することは出来なかったと聞くが、そもそもあのような場所に住んでいる存在の命を個人が狙うのは無理じゃ無いか?」
そう言ったんだよな。
……何か誤解があるみたいだな。
何か中途半端な伝わり方してるみたいな。
「ええと」
あなたたちは旧世界の王というものをどういう認識をしてますか?
そう訊ねようと思ったんだが。
その言葉は
オオオオオオ!
突如地面に描かれた魔法陣から出現したそれの叫び声によって遮られた。
輝く六芒星の魔法陣が、ひび割れたアスファルトの道路の上に描かれる。
そこから現れたのは……
立派な2つの角が生えた、顔面を隠すフルフェイスの兜を被った巨人で。
その身体は屈強そのもの。
そして純白の甲冑と、マントを身に着けていて。
武器として大金槌を携えている。
……これは
シャドウの……トール……?
俺たちの目の前に出現したのは。
戦車のアルカナのシャドウ……トールだった。