メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

66 / 169
第66話 シャドウではない?

「貴様らの命、貰い受ける」

 

 突然出現したシャドウに対して動けなくなった俺たちに。

 

 戦車のシャドウ「トール」はそう厳かな声で俺たちに宣言した。

 

 シャドウは口が利ける奴がいる。

 だから

 

「ちょっと待ってくれ!」

 

 俺は1歩前に出て、トールに話し掛けた。

 トールの視線が俺に向く。

 

 俺は

 

「どうしてシャドウが現実世界に来てるんだ!? お前らは認知世界の存在のはずだろう!?」

 

 そこを訊く。

 

 精神世界の存在が現実世界に出てきている。

 それはこの前もそうだったけど。

 

 ユーファジアさんが惺教大教主を守ったあの件だ。

 襲撃者のムツタリ族の男は、シャドウを操るチカラを持っていた。

 

 同じようにアーキタイプのチカラでシャドウを使役しているユーファジアさんにも確認はしたんだが、彼女も分からないそうだし。

 

 確かめられるなら確かめておきたい。

 

 だけど俺の言葉は

 

「……シャドウ? 何のことだ? 我はトール……魔神トールだ」

 

 トールのその言葉で否定された。

 

 魔神……?

 

 困惑する。

 話が通じていない……?

 

「魔神って」

 

「ゴロー!」

 

 言葉を続けようとする俺に。

 ヒュルケンベルグの鋭い声が飛んだ。

 

「危ない!」

 

 その言葉で俺は反応できた。

 

 槍が飛んで来た。

 それを身を捩って躱す。

 

 ……もう1体、敵がいたんだ。

 

 それは赤い甲冑を身に纏った、槍と盾で武装した有翼の人影。

 ……これは

 

「パワー」

 

 あのときの。

 惺教大教主襲撃時にも見掛けた存在だ。

 

 ソイツが俺に、槍を投擲したんだ。

 俺はそれに反応できたので、回避。

 

 俺に必殺の一撃を回避されたので

 

「おのれ罪人め。おとなしく裁きを受けなさい」

 

 パワーは苛立った声をあげた。

 

 罪人……

 

 その言葉は俺に突き刺さる。

 確かに俺は罪人だ。

 前の世界で数えきれない罪を犯した。

 

 だけど俺は

 

「よく分かった」

 

 それだけ返す。

 これ以上の会話は無理だ。

 

 するべきじゃない。

 

 俺は持参して来たサーベル……本物のサーベルを鞘から引き抜き

 

「ロビンフッド!」

 

 仮面を剥がしつつ、自分のペルソナを召喚する。

 

 ……頭を切り替えろ。

 こいつらは敵で、話し合うことはできない存在なんだ!

 

 

 

「ロイヤルナイト!」

 

「ロイヤルファイター!」

 

「ロイヤルシーフ!」

 

 そして国王臣下の3人も、自身のアーキタイプを使用した。

 

 ぞれぞれ、その身を火炎のようなエネルギーで包み。

 その中で液体金属のような心の甲冑を呼び出して、その姿を変える。

 

 ヒュルケンベルグは……軍馬に乗り、分厚い甲冑を身に纏った重装騎士。

 ストロールは……馬鹿でかい剣を持ち、盾を構える重戦士。

 そしてハイザメは……隼のような印象を受ける軽戦士。

 

 それぞれが、そんな姿に変わる。

 

 アーキタイプは着ぐるみに近いから、元の姿と比較して二回りは大きな姿だ。

 

「我々はあの巨漢を担当する! 君たちはあの赤いのを頼む!」

 

 変身を完了させたヒュルケンベルグが俺にそう言って来た。

 俺は頷き

 

「いくぞ親父!」

 

 ……つい、言ってしまった。

 考える余裕が無かったからだけど。

 

 言ってから後悔した。

 何だか、母さんを裏切ったような気がしたんだ。

 

 そんな思いを振り払うために俺は

 

「覚悟しろパワー!」

 

 声を張り上げ、そう叫んだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。