メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第7話 ビドー鳥の紅香草焼き

 ドアを開いて中に入ると、すぐそこは食堂になってた。

 

 まだ昼間だけど、客はそれなりに入ってた。

 昼飯どきなんだろうか?

 

 まあここまで客がいるなら、味は多分良いんだろ。

 

「いらっしゃいませ」

 

 するとだ。

 俺が店内を見回していると。

 

 女の子が声を掛けて来た。

 白に近い灰色の髪の女の子で。

 年齢は中学生くらいに見えた。

 

 今の言葉と服装から判断するに、この店の店員らしい。

 花の意匠の髪飾りを身に着けていて、髪の長さはセミロングくらい。

 服装は赤基調で、メイド服に近い印象の服。

 

 で、顔つきは……

 パッと見、頭は良さそうに見えた。

 そしてかなり可愛い。

 

 前の世界だったら、芸能界入りを勧められそうなくらい。

 

「好きなところにお願いします」

 

 多分席のことだろうな。

 

 俺は頷いて、適当なテーブルの席につく。

 ……メニューってあるんだろうか?

 

 店内を見回すと、壁に張り紙してある。

 そこに「ビドー鳥の紅香草焼き」と書いてあった。

 

 ……良く分からないけど、これにしておこう。

 値段は120リーブ。

 

 鶏肉は嫌いではないし。

 多分食えるだろ。

 ゲテモノのオーラは感じない。

 

 なので俺は

 

「ビドー鳥の紅香草焼きを下さい」

 

 手を上げて注文を出した。

 さっきの店員の女の子に。

 

 女の子は頷いて

 

「分かりました。お母さん、ビドー鳥の紅香草焼きー」

 

 大きな声でオーダー。

 奥の厨房近辺に居る女性に。

 

「あいよ」

 

 奥の女性からの返事。

 

 ……お母さん?

 

 あの2人、親子なのか?

 

 ここの店の女主人のように見えるその女性は、頭に獣の耳がついてて。

 これは確かパリパス族とかいう種族の特徴のはずなんだけど。

 

 女の子の方は、背中に小さいけど翼があった。

 これ、確かイシュキア族って種族の特徴だろ?

 

 ……何か、込み入った事情がありそうだな。

 気にはなるが、確かめるのは無理だ。

 

 そんなことを思いながら、俺は水を飲もうと思ったが

 

(あっ)

 

 そうか。

 食べ物屋に入ったら、自動で水がタダで出て来るってのは、日本だけの話なのか。

 

 俺はそこで、自分が異世界に来たことを痛感した。

 

 

 

 注文したビドー鳥の紅香草焼きが出て来た。

 そのとき、引き換えで料金を払う。

 

 俺のユークロニア銀貨を1枚差し出し。

 お釣りで大量の銅貨を貰った。

 

 ……案の定、銅貨に関しては規格がバラバラだった。

 50リーブの価値がある銅貨が、全然別のデザインで複数ある。

 これ、どうしてこうなんだろうな……?

 

 前の世界で言ったら、50円玉が複数のデザインであるようなもんだろ?

 

 理由があるんだろうけど、分からない……

 

 まぁ、それはそれとして。

 

 注文した料理だけど。

 まぁ辛かった。

 

 普通の唐辛子の辛さだ。

 山椒じゃない。

 カプサイシン系だ。

 

 でも、食えないほどじゃ無いし。

 むしろこの辛さが旨さを引き立てている。

 

「辛いけど美味しいな」

 

 そう、食べながらポロリと漏らすと

 

「ありがとうございます。それ、お母さんの得意料理なんです」

 

 店員の女の子が、俺の言葉に嬉しそうに返して来た。

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