メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「誰だ!?」
俺は周囲を見回した。
人が隠れる場所なんてないはず。
社の中は祭壇以外何も無い。
塵ひとつ落ちてない、白木の祭壇以外は。
……そこでハッとした。
まるで、日々誰かがここを掃除しているようじゃないか!?
「……ご挨拶じゃの。そのナリからすると、今の時代の人草ではないな? オヌシ」
異常事態に気づき、動揺している俺に。
声はそう続けて
姿を現した。
「何だと?」
「ぬぅ!?」
ヒュルケンベルグ、ハイザメが警戒の声を上げる。
だけど俺は何も声を発せなかった。
――それは、とても美しい女性だった。
受ける印象は、自立している我の強い女性。
目付きが鋭く、厳しい印象を受ける。
人種としては黄色人種で。
着ている衣装が……
古代……それこそ、神話の時代の神の衣装そのものだった。
白い、飾り気の無い衣……
女性の黒い髪は長く、艶やかで。
そして冠を被っており、その冠の飾りは、太陽をイメージさせる。
……なんとなく、直感で
「あなた、天照大御神ですか?」
俺は感じたことをそのまま口に出していた。
何故だか、俺は彼女が怪物やシャドウだとは全く思わなかった。
するとその女性は俺のそんな言葉に
「……いかにも。ならばやはり、オヌシは今の時代の人草ではないのだな」
女性は……いや。
女神アマテラスは腕を組んで、俺に興味深そうな視線を向けて来たんだ。
「妾が地上世界の支配を命じた者の末裔が絶えて久しく、その名残のこの地で『すろおらいふ』とやらを続けておったのじゃが、まさかこんなことになるとはな」
……どうやらこの女神は、日本滅亡後もなんとなく未練からだろうか?
ここにずっと住んでいたらしい。
女神は語った。
この場所は元々、最終戦争が起きたときに日本政府の中枢が「戦争完全終結後の日本復活の最後の種子の維持」を目的に作り出した異空間だそうだ。
当時の最先端技術だった「魔法」を駆使して、それを実現したらしい。
だけど……
「魔法で無理矢理こんな空間を作った影響で、ここに住み続けると生命が停滞するのじゃな」
100年ほど経過した後。
ここの住人の生殖能力が目に見えて低下した。
ここで生まれた世代の住人に、不妊症が多発したんだ。
そこから問題発覚。
ここで生まれると、子供の生殖能力が失われるという問題が。
そして最終的に住民がここで全て死に絶えるか、それともここを捨て去るかの2択になった。
その際、だいぶ問題解決の方法を考えたらしいけど、結局全て無駄に終わったらしい。
その結果が……今だ。
なるほど。
街が全然荒れて無いのは、その辺が原因なのか。
戦争で滅んだわけじゃないから。
「で、オヌシらは何用じゃ? 妾はヒマじゃからの。知りたいことは何でも言うがいい」
語ったことは大変な内容だったけど。
女神の表情は寂しげではあったが、嘆き悲しんでいる風では無かった。
済んでしまったことだから決着がついているのかもしれない。
相手は神様だからな。
そこに神としての大きさを感じつつ、俺は
「この場所で、何かありませんでしたか? 変な奴らが入り込んでややこしいことをしているとか」
なるべく慎重に、そう言葉を選びつつ。
女神にそのことを訊ねた。