メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第6章:疑惑の王妃と焼かれる聖典
第75話 日本語教育


「なぁ、ゴロー。この漢字は何という意味だ?」

 

「それは航空だから……空を飛ぶという意味合いですかね」

 

 百科事典のページの1つを指差して。

 ニューラスが訊ねる内容に答えを返す。

 

「なるほど。航空だものな」

 

 俺の言葉にそう返しつつ、メモを取るニューラス。

 

 ……俺は学校の成績は良い方だったからね。

 他人にモノを教えられないことは無かった。

 

 教えられる方のニューラスも、生徒としては超優秀だったし。

 割と楽にいけたと思う。

 

 

 俺はまず、五十音のひらがなとカタカナを彼に教え。

 

 そこに漢字の概念を加えていった。

 

 

 元々、このユークロニア連合王国内の公用語は、日本語に似た性質がある言葉だったから

 教えやすかったかもしれない。

 

 

 ニューラスは漢字の概念を知ったとき

 

「文字自体に意味があるのは分かりやすいが、数が多過ぎるな。……旧世界の住人は、皆それをやっていたのか? 教育レベルどうなってんだ?」

 

 そんなことを呟きながら、しきりに感心していた。

 そこは少しだけ誇らしかった。

 俺が何かやったわけじゃないけどな。

 

 で、こうしてニューラスに分からない漢字というか、漢字の単語について教えるということをやっているのだけど。

 これが拘束時間が長いんだ。

 

 午前中に王城に招いてもらって、そのまま夕方までニューラスの王城の私室に籠り。

 そこで彼の傍にいることを余儀なくされる。

 

 ……あのとき国語の辞書も一緒に持ってくればよかった。

 

 俺は心底、そこを後悔した。

 国語辞典があれば、分からない単語は自分で調べて貰えるよな。

 

 今度あそこに行くことがあれば、欲しい資料だけでなく、国語辞典も確保してもらいたいよ。

 でなきゃずっとこの生活が続くしな。

 

 ……ライケン魔道商会の仕事は、最近やってない。

 王城での仕事が優先されているんだな。

 

 だから代わりに、全部俺の父親がやっている。

 

 別にアイツに悪いとは思わないが……

 元々の自分の仕事を他人に押し付けているという構図が、何か嫌だ。

 

 

 

「ゴローさん、何か顔色悪いですね。仕事忙しいんですか?」

 

 そして休息日。

 1週間5日のうち、最後の日。

 一般では皆が休む日だ。

 

 俺の父親は、前の世界の1週間が7日なのは宗教的な意味合いがあると言っていたけど。

 この世界の1週間が5日なのは、管理がしやすいから自然とそうなったのが真相らしい。

 

 ……理由はまあ、なんとなくわかる。

 7日だと、10進法と相性が悪いしな。

 

 多分、なんとなく気持ちが悪いんじゃ無いだろうか?

 7日で進む1週間と、10で繰り上がる日付の日数……。

 

 些細な相違かもしれないが、合致していた方がスッキリするもんな。

 で、この世界の基本ルールを決めるとき、誰かがそう決めたんだろう。

 

 俺はその休息日に食事に来ていた。

 場所は、蜜蜂のささやき亭。

 

 美味い料理でも食べないと持たないよさすがに。

 それにここはホントに、居心地いいしね。

 

 種族差別も別に感じないし。

 値段も高く無いし。

 

 ……それにまあ、あとは。

 

 この子……マリアがいるからね。

 

 注文を取りに来たときに

 俺の様子を見て、そう心配そうな目を向けて来る彼女に

 

 俺は

 

「ちょっと厄介な仕事を任されて、終わる目途が立たないんだよ」

 

 店のテーブル席に座ったまま。

 そう、苦笑して一言。

 

 ……この子は気遣いできる子で、かなり賢いから。

 話してて心が休まるんだよな。

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