メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第76話 ちょっといいですか?

「そうですか。男の人はお仕事大変ですね」

 

「キミだって働いてるでしょ」

 

 マリアの労いの言葉に、思わずそう返す。

 この店でウエイトレスしてるんだからマリアも働いてる。

 男だけが働いてるみたいな言い方はおかしいだろ。

 

 ……母親の姿が脳裏に浮かぶ。

 

 俺を1人で育ててくれた母さんの姿が。

 ロクな仕事もないのに、母さんは俺のために必死で働いてくれた。

 

 マリアは俺の言葉を聞き、微笑んで

 

「私のはお母さんの手伝いですし」

 

 そう言って、視線を奥で仕事をしているこの店の女主人のファビアンヌさんに向ける。

 

 ……あの人、当たり前だけどマリアの実母じゃ無いんだよ。

 マリアと種族が違うからな。

 

 どうも、ファビアンヌさんは彼女の父親の後妻らしい。

 

 元々の母親はイシュキア族の人で。

 彼女が物心つく前に死別。

 

 で、残ったローグ族の父親の方もどうも亡くなってるらしい。

 

 ……何で亡くなったのかは聞いてない。

 向こうから話してくれなかったから。

 

 だったら、訊けないだろ。

 

 多分、まともな理由では無いし。

 ローグ族は長命種だものな。

 

 おそらく寿命では無いはずだ。

 

「マリアさんの仕事は普通に料金が発生するよ」

 

 そう言いつつ、俺は料理の注文をした。

 

「モーラ兎の肉詰め野菜」

 

「分かりました」

 

 俺の注文を聞き、メモを取りつつ

 

「お母さん、モーラの肉詰め野菜!」

 

「あいよ」

 

 ……オーダを通した。

 

 

 

 モーラ兎の肉詰め野菜は、モーラ兎の肉ミンチをナスかピーマンに似た野菜に詰めた料理だった。

 そして煮込み料理であって、汁物ではない。

 

 食べてみると肉に辛い味付けがされてる。

 多分これもパリパス族の料理なんだろうな。

 パリパス族の伝統料理は辛い料理が多いみたいだし。

 

 イメージとしてはパリパス族は、南国の人種のイメージがあるな。

 開放的で、悩みを引きずらない。

 暑さを辛さで汗をかいて吹き飛ばす。

 

 そういうイメージがある。

 

 まあ、これも美味しかった。

 

「ご馳走様でした」

 

 そう言い残し、立ち去ろうとした。

 別に他に予定があるわけじゃないけど、長居する理由も無いし。

 

 だけど

 

「ゴローさん」

 

 席を立とうとする俺に。

 マリアが話し掛けて来たんだ。

 

「ちょっといいですか?」

 

 

 

 呼び止められて、何かと思ったら

 

「実は、聞いて欲しい話があるんです」

 

 マリアは店内の様子を気にしながらそう言い

 

「これ、暗号だとしたらどう読みますか?」

 

 俺に1枚の紙を差し出して来た。

 

 そこには文字が書かれていて……

 

 その内容は

 

『三国の母、竜の娘より。凪の水面を喰らい三国を竜の国に。貴方に祝福を』

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