メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第83話 彼と接触するのは

 追ってどうする?

 

 そんな思いはあったけど。

 あのルサント族の男性を放っておくのは得策ではない気がしたんだ。

 

 ……これは、勘に近いのかもしれない。

 あのときと似ている。

 

 あの偽物の新宿……東京の街で。

 

 ここで行かなければ、まずいことになる。

 そういう想い。

 

 ここで、真惺教を拒否して元の信仰を貫こうと決意した彼を放置すると、何か取り返しのつかないことになる。

 そういう予感がしたんだ。

 

 ただ……

 

 新宿のときは根拠めいたものがあったけど。

 今回は全くの勘だ。

 

 だけど……行ってはいけない理由が無いしな。

 

 どこで声を掛けるか?

 そこを思案する。

 

 ……彼は今、法衣を捨てて薄着になってる。

 ハッキリ言って外を歩く格好じゃ無い。

 

 だとしたら……

 

 家に帰るか、とりあえず上に着るものを買いに行くかするだろう。

 

 そして今彼は、防具を売ってる店に入って行った。

 

 クロニア防具商。

 日陰通り……貧民区域にある店だ。

 立地は悪いが、置いてる商品の質は良い。

 

 ここで、冒険者や賞金稼ぎ用の衣服を購入するんだろうか……?

 

 中で買い物をして出て来るのを待つか、それとも共に中に入るか。

 そこを一瞬迷ったが

 

(行こう)

 

 彼がドアを閉じた後。

 俺は意を決して同じドアを潜った。

 

 中は防具店に相応しい光景が広がっていた。

 

 中には金属製の全身鎧、軽戦士向けの皮鎧。

 

 そして野外活動向けの上着なんかも置かれていた。

 

 問題の彼は、衣服を置いてる台の上の商品を選んでいる。

 彼は俺が店に入って来たのに気づき、視線を向けて

 

「……何だそこのエルダ族? 私に一体何の用だ?」

 

 どうやら俺の尾行に気づいていたらしい。

 いきなりそんなことを言われてしまった。

 

 ……正直、またかよ、と思った。

 

 自分に主導権があると思っていたのに、実際は違うとか。

 そういうのは前の世界で嫌というほど味わったのに。

 

 

 気づかれたのならしょうがない。

 俺は「あなたと話がしたかった」といい、奢るから一緒に食事でもどうですか?

 そう誘った。

 

 連れて行ったのは、当然「蜜蜂のささやき亭」

 日陰通りにいるのだし。

 

 俺の行きつけの店でもあるわけだし。

 

「いらしゃいませー」

 

 俺は惺教の男……ギドを連れて蜜蜂のささやき亭のドアを潜る。

 

「あ、ゴローさんいらっしゃい」

 

 ウエイトレスをしているマリアが俺に気づき、そう一言。

 

 マリアに断り、空いているテーブルの1つにギドと座った。

 

 そして

 

「で、何の用だ?」

 

 そう、対面の席についているギド。

 さっき買った冒険者用の上着を身に着けた姿で。

 

 俺にそういう顔は、仏頂面だった。

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