メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第86話 女神に質問

「なぁ、ちょっといいか?」

 

 宿舎に帰って。

 俺は父親の部屋を訪問。

 

「今日はなんだゴロー?」

 

 俺の父親は平積みの本を本棚に入れる作業をしている。

 本棚を買ったのか。

 

 どうしよう?

 手伝えば早く終わるだろうけど、本棚ってのはプライベート空間に近いしな。

 

 他人が勝手に入れて良いもんじゃない。

 

 本人のイメージ通りに所有している書籍を並べないと、気に入らないに決まってるし。

 出直すか。

 

 そう思ったが

 

「……別に気にしなくて良いぞ。作業しながら話を聞くくらいできる」

 

 引き返そうとした俺を、俺の父親は呼び止めてそう一言。

 

 俺は少し躊躇ったが。

 

「八咫鏡を貸してくれないか?」

 

「八咫鏡を?」

 

 ……さすがに父親の手が止まった。

 さすがに流せるものじゃ無いのか。

 

 俺は頷き

 

「天照大神に聞いてもらいたい話があるんだよ」

 

 目的を話す。

 隠すことでも無いしな。

 

 俺の父親はその言葉を聞き

 

「分かった。待ってろ」

 

 そう言って。

 部屋に備え付けの棚の扉を開き。

 

 中に仕舞っていた、八咫鏡が納められた箱の包みを取り出して来た。

 

 

 

『……何じゃ?』

 

 箱の包みを父親の書き机の上に置いて。

 天照大神に呼び掛けると。

 

 白い布に包まれた箱の上に、神の衣装を身に纏った小さなサイズの女神が出現する。

 

 ミニチュアサイズの天照大神だ。

 

「ええと、実は少し聞いていただきたいお話が……」

 

 俺は言葉遣いに気をつけながら、今日ギドから聞いて来た奇妙な話を女神に語った。

 女神は立ち姿から座り姿に移行し、俺の話を聞いていた。

 

 その姿は、旧世界の湯飲みのフチ子を思わせる。

 

 そして

 

『……前の世界でも、外の神々は人草の指導者に憑依して成り替わることをしておったな』

 

「憑依ですか」

 

『うむ』

 

 女神は頷き

 

『前の世界でも、外国の使者に成り代わり、直接我が末裔を害しようと企んだことがあったぞ』

 

 女神によると。

 

 アメリカ大使が外の神に憑依されて暗殺者として日本を攻撃しようとした事件があったそうだ。

 

 俺の父親は知らなかったのか「そんなことが」と驚いていた。

 だがそのときは、日本の悪魔関連の秘密組織が動いて事件は闇で処理されたらしい。

 

 ……そういや、アメリカ大使が急死して交代した事件、あったような気がする。

 何かで読んだ。ひょっとしたらテレビかもしれないが。

 

 ていうか俺の父親。

 

 アンタも知らなかったのかよ。

 アンタ、大臣経験者だろ?

 

 そう思ったけど。

 

 ……なんでも。

 

 総理大臣にしか伝えられない申し送り事項というものがあるらしい。

 所謂「国家機密」って奴か。

 

 ……そういやアンタ、総理大臣になる前に改心受けて失脚したんだっけ。

 

 そこを思ったとき。

 何だか、少しだけ

 

 この男を哀れに思った。

 

 

 まぁ、それはそうと。

 それとして。

 

 だとしたら……

 

 惺教の幹部のほとんどが、外の神の憑依を受けて成り代わられている。

 

 その可能性、無いか……?

 

 ギドの不自然な話も、そうであれば説明がつく気がする。

 人間じゃないんだから。

 

 変な人選や、提案も受け入れるだろ。それは。

 そして隠していた教団の機密事項を表沙汰にするのだって簡単だ。

 

 その場合……外の神々の狙いは一体どこにあるのか……?

 まぁ、それは

 

 放置していて良いことじゃないだろうな。

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