メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第87話 この国の国王は

「何? 旧世界の神が惺教に入り込んでるかもしれない?」

 

 そして次の日。

 ニューラスの日本語講師の仕事をしに王城に上がったとき。

 仕事を開始する前にいきなりその話を切り出したんだ。

 

 この件は俺の能力を超えているし、のんびりしていていいことじゃない。

 

 なので、少し職務放棄に近いけど、強引に行った。

 

 俺に今日も分からない日本語を訊ねようとしていたニューラスは、ノートと百科事典を数冊運んで来ていたが

 

 それを放置して俺の話を聞いてくれた。

 当然だと思うけど、少しだけホッとした。

 

 良かった。

 受け入れて貰えた。

 

 こういうことは正面からハッキリ言った方がいいな。

 相手にとっても見過ごせないことなわけだし。

 

「どういうことだ?」

 

「それは――」

 

 そして俺は、昨日ギドに会ったこと。

 ギドの話を天照大神に話して、惺教の幹部が外の神々に成り代わられている可能性について話した。

 

 その話を聞き、ニューラスは

 

「そりゃ楽しくお勉強をしている場合じゃねぇな。悪いがちょっと待ってろ」

 

 そう言い残し、部屋を出て行った。

 

 俺はその場で残され、数分後。

 

「ゴロー殿、こちらへ」

 

 ……知らない人がやって来て。

 俺を別の部屋に連れて行った。

 

 そして身なりをチェックされた。

 身体のサイズも巻き尺で測定された。

 

 で

 

「申し訳ありませんが、こちらにお召し替えを」

 

 なんだか、明らかに礼服っぽい服を用意された。

 

 ……そこでさすがに理解はできた。

 

 俺、この国の国王と謁見しなきゃいけないのか。

 

 

 

 そしてそこから1時間くらい経った後か。

 

 俺はいつぞやの謁見の間に呼ばれる。

 神聖な雰囲気を受ける厳かな場所。

 

 そこには国王の家臣が全員勢ぞろいしていて。

 全員が正装していた。

 

 いつもは水兵をイメージするようなラフな格好をしているニューラスまで、白基調の立派な衣装に着替えている。

 

 ニューラスは俺の視線に気づいたが、笑いかけたりはしなかった。

 この場はそういうことってことなのか。

 

 ……俺は国家元首に会うような真似、したことはない。

 大概の人間はそうだろうけどな。

 

 そしてしばらく経った後。

 突如

 

「皆様、陛下が出御(しゅつぎょ)されます」

 

 こんな言葉が。

 

 出御……?

 

 意味が分からなかったが。

 陛下という言葉と。

 

 家臣一同が一斉に膝を折ったから、流石に予想は出来た。

 

 ……国王が。

 

 あの空の玉座に座る人間が、この場に現れるんだ!

 

 俺も慌ててそれに倣う。

 

 そのすぐ後だった。

 

 この謁見の間の黒い大扉が開き。

 

 そこから1人の人物が入って来た。

 

 直接は見ていない。

 まだ許可が出て無いしな。

 

 そのくらいの作法は俺だって分かる。

 

 その人物は穏やかに歩いて、玉座に腰を下ろした。

 

 そして

 

「もういいよ。皆」

 

 やけに明るく、優しい声で。

 その人物が言葉を発した。

 

 周囲の人物が立ち上がった。

 

「キミももう畏まらなくていい。話をしよう」

 

 そして俺にも。

 この国の国王はそんな言葉を掛けて来る。

 

 俺はその言葉に従い、顔を上げた。

 

 そこで目にしたものに

 

「えっ」

 

 俺は思わず声を洩らした。

 まさか……

 

 そんな。

 

 この国の国王って、あのときのアンタだったのか!?

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