メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第90話 コサカドス

「ええと、お探しの人物は元惺教僧兵団団長のギド殿でしょうか?」

 

「ああ、その人物だ。その人物はここに来たのか?」

 

 ウイルの言葉に畏まりながら、受付の男は記録を探り

 答える。

 

「……3時間ほど前に、トラディア砂漠での討伐依頼が出ている賞金首について、討伐申請を受けてますね」

 

 3時間……

 タッチの差だな。

 

 急げば追いつけるかもしれない。

 

「……賞金首の名は?」

 

「コサカドスです」

 

 コサカドスとは、始祖鳥に似た姿の怪物で。

 大きな翼を持つが、飛べない。

 

 その代わり、凄まじい速度で走る。

 風を操る魔法を使用でき、即死級の猛毒を持つ嘴の一撃は、まともに喰らうと命の危険があるらしい。

 

 体長は5メートルほど。

 身体を覆う羽毛がカラフルで、派手な姿の怪物だ。

 

 話によると、コサカドスがトラディア砂漠に現れて、王都に入るために行き来している輸送用の馬車を襲っているらしい。

 

 トラディア砂漠は王都をぐるりと囲む砂漠なので、捨て置けないわけだ。

 

「……コサカドスか。懐かしいな」

 

 国王ウイルは感慨深げに呟く。

 

「人喰いマンジュラを討伐したとき、入れ替わりで湧いて来て、正直オイオイと思ったもんだ」

 

「ワタシがあなたの一行に加わる前の話ですか?」

 

 ユーファジアさんが少し不満そうにそう訊ねる。

 国王は

 

「ああ、あのときはハイザメが仲間になった直後で、ユーファはまだいなかったね」

 

「なんだかずるいです」

 

 ……ええと。

 

 ちょっと迷ったが

 

「行きましょう。事は一刻を争います」

 

 なんだか目の前で、国王と第一王妃が甘い空気を形作ろうとしているように感じたので。

 俺は迷ったが、そう言ってその空気をぶち壊した。

 

 そういうことはギドを救ってから、王城でやってくれ!

 

 

 

「コサカドスは足が速いが、野生動物で猛獣の割に、その感知能力を目に頼り過ぎているんだ」

 

 音や臭いに敏感でなく、獲物を探すことについて視覚に頼り過ぎているらしい。

 そのせいで、存在を認識している場合、遭遇することから逃れるのは難しくない。

 目立たないように、警戒しながら動けば良いそうな。

 だから安全という意味では当然無いけど。

 

 コサカドスは普段、トラディア砂漠に多数生息する砂蟲を襲って、それを捕食しているそうな。

 コサカドスは別に肉食一辺倒ではなく、植物も食べるけど。

 肉も食えるし、肉の方が好きなようで。

 

 ……まぁ、そりゃな。

 

 普通植物は動かないけど、肉は普通に動くし。

 肉に魅力が無いなら、わざわざ追いかけて狩猟はしないわな。

 

 国王から直々に、コサカドスについての話を聞きつつ

 

(俺がこの砂漠を突っ切ってこの王都に来たとき、遭遇しなくてすんで良かったな)

 

 内心、そう思った。

 猛毒を持った嘴の攻撃がかなり危険で、事前に知っていないとかなり高確率でやられるそうな。

 

 その点、俺は幸運だったのかもしれない。

 

 俺たち……国王ウイル、ユーファジアさん、ジュナさん、バジリオ、俺の5人は王都の外に出て、トラディア砂漠に出ていた。

 無論コサカドスを討伐に出ているギドを探すためだ。

 

 コサカドスを探せば、ギドも見つけられる可能性が高い。

 

「なぁ陛下よ」

 

 バジリオが周囲を見回しつつ、国王に

 

「なんだいバジリオ」

 

「コサカドスは1体だけって考えて良いんだよな?」

 

「ああ。あの手の猛獣は縄張り意識があり、同種は繁殖期以外はライバルで、排除の対象だから」

 

 ここに2体のコサカドスが、仲良く共存している状況は考えにくい。

 必ずどこかで鉢合わせし、片方を叩きだすための戦いになってるはずだ。

 

 そう、自信たっぷりに返す。

 

「……だったら」

 

 バジリオはスッと指差した。

 

「あっちだぜ」

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