メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第95話 ギドの覚醒

 そのとき。

 俺の頭の中に女性の声が響いて来た気がした。

 こんな声が。

 

 汝、無慈悲なる鎖に囚われし聖徒よ。

 虐げられし祈りを捧げし殉教者よ。

 貴方もまた、道を選ぶときです。

 

 汝、『王道』を照らす、輝ける星よ。

 目覚めなさい。

 

「おおおおおおお!」

 

 雄叫びを上げるギド。

 彼は自分の胸に突き刺した右手で

 

 そのまま、自分の心臓を掴み出した!

 

 ただしその心臓は、機械仕掛けで……

 

 まるでマイクのように見える。

 

 ギドの心臓は機械の心臓だったのか……?

 いや、違う……

 

 あれは心臓のような、違うものだ……

 

「我は惺教僧兵団団長ギド! 惺教の剣として秩序を守りし剣なり!」

 

 発生した波動が発生し他を寄せ付けず。

 彼はそこで声高く宣言する。

 その心臓のようなマイクを使って、世界に呼び掛けるように。

 

「我が惺教は正しき道! 例え万人が我が惺教を罵り貶めようと、我は我が神の教えを決して捨てない! 命ある限り守るために胸に抱き守る!」

 

 そして彼は大きく腕を広げ

 

 その姿が炎に飲み込まれた。

 

 そしてその炎が消えたとき。

 

 

「ターミネイター!」

 

 

 ……そこにいたのは。

 アーキタイプの姿だった。

 

 それはやはり奇妙な甲冑の姿で。

 

 洗練されたデザインの鎧騎士。

 甲冑の上に、真紅の法衣のようなものを身に纏い……

 

 その両手に、ショットガンとライフル銃を握っている。

 これが……僧兵としての彼が、アーキタイプとして発現した結果なのか……?

 

「覚悟しろ旧世界の邪神め!」

 

 突然の覚醒に気圧されているマスターテリオン相手に。

 ギドはそう力強く宣言し。

 

 そしてその背中につけているバーニアを点火し。

 

 アーキタイプの姿になったギドは動き出した。

 

 ――飛べるのか?

 しかも速い!

 

「か、返り討ちにしてくれる!」

 

 マスターテリオンはギドに対して

 

「アギダイン!」

 

 その口から、火炎球を吐き出して迎え撃つ。

 しかしギドは放たれた火炎の球を

 

「無駄だ!」

 

 ……跳ね返した。

 反射相性か。

 

 跳ね返された火炎の球は術者であるマスターテリオンを直撃する。

 

「ぐあああっ!」

 

 ……他者の火炎攻撃は無効化できても、自分が放った火炎魔法は別なのか。

 マスターテリオンは明らかに怯んでいた。

 

 ギドはそんな相手に突進し

 

「裁いてくれる」

 

 ライフル銃の銃口を向けて

 

「カンデオン!」

 

 その声と同時に迸る雷光。

 それはマスターテリオンを直撃し。

 

 グギャアアアア!

 

 悲鳴を上げさせ

 

「とどめだ! この世界から消えよ邪神!」

 

 続けてその両手のショットガンとライフル銃を連続発砲。

 マスターテリオンを銃撃し、ハチの巣にした。

 

 重めの破裂音と、連続する発砲音が響き渡る。

 

 銃撃は長く続き、悲鳴が轟く。

 そしてそれが終わった後。

 

「……お……おのれ。呪われよ人間……」

 

 人面獣身の怪物・マスターテリオンはそんな言葉を残し。

 

 その憎悪に滲んだ言葉と共に、塵になって消えて行った……

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