メタファーの世界を救うために、明智が転生してペルソナ能力で戦う話 作:XX(旧山川海のすけ)
「私は、私同様惺教を奪われてしまったことで道を失おうとしている人々を救って欲しい」
まずギドがそんな意見を出した。
それに関して国王は
「無論まずはそれだ。旧世界の神々によって心の支えを奪われようとしている人々を救う方法を考えようか」
「陛下、ならばギドさんに真惺教に対して新しく本家惺教を立ち上げてもらっては?」
ユーファジアさんがそんな提案を
「……ギドに本当の惺教の新しい大教主を名乗ってもらうわけか……」
その提案に国王が思案顔になる。
ニューラスがそれに対し
「そんな真似をしたら、国が惺教を潰そうとしている風に見えねぇか?」
ギドをこっちに引き込んだのは、今更隠せねえぜ?
目的最優先で、迅速に行ったからな。
そう指摘した。
……確かにな。
過去の罪を悔い、新しく出発しようとしている真惺教を阻むように立ち上がる本家惺教。
真惺教を潰すつもりでやってるように見えるよな。信者を奪い取ろうとしていると。
ギドが国に関わらず、勝手にやるなら問題無いが、今更遅い。
ギドが国と無関係という風に偽装する手もあるけど、バレたときのダメージを考えると危ないよな。
ならば、どうするか?
「外国にも惺教あるよな? 確か。そいつらに助けを求めたらどうなんだ?」
バジリオが手を上げた。
それに対してストロールが
「ああ、一応存在するが……あれは同じものではないな。似ても似つかない。祈りの形も違うし、妙な習慣もある。晩飯を食わないとか」
「そうなのか……知らなかったぜ。じゃあ、無理なのか」
ストロールの言葉を聞いてバジリオが腕を組んで顔を顰めた。
……まぁ、それ以前に。
それをすると、外国勢力の介入を許すことになるから、もっと厄介な事態になる可能性あるんだよ。
だからそんな手段はやるべきじゃない。
それは最終手段だ。
「僕のいた前の世界では、外国勢力の介入を許す手段はなるべく避けるのが基本でした」
余計なことかもしれないが、俺も手を上げて思うところを口にする。
前の世界の歴史で、国内の揉め事の解決に外国勢力を引き込んで、結果国の滅亡を招いた事例について。
皆は黙って聞いてくれたが
「そういうことはこの世界でもあったよ。俺たちもそこまで馬鹿じゃない」
俺の話を聞き終えて、ニューラスがそんな一言を。
……ああ、余計なことだったか。
考えてみれば、この国も戦乱の末に国の統一を成し遂げているんだから、それぐらい身に染みている歴史があってもおかしくない。
俺の言葉は余計なお世話だったのか
「すみません」
なので俺は詫びたが
「別に良いぜ。意見はどんどん出すべきなんだ」
ニューラスは気にしていないという風に返す。
「ニューラスの言う通りだ。そういうことはどんどん言って欲しい」
国王もその言葉を肯定し、俺のフォローをしてくれる。
……なんだかいたたまれない気持ちになった。
俺は息を吐き、少し俯くが
「……彼らの言うことは別にお前への励ましじゃないぞ。本当のことだ」
会議では意見があるのに黙っていることの方が悪だ。
よく覚えておけ。
……隣に座っている俺の父親が、俺にだけ聞こえるようにそう呟いた。