クズ男に初恋を弄ばれたギャルは、誠なるハイスペック合法ショタに慰められる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
綾香さんの自室で勉強を始めてから数時間が経過し、私達は御互いに分からない所を相談し合ったり、語呂合わせなどを共有し合っていました。そうこうしていると、時刻は18:00程。そろそろ御暇する時間になってきましたね。
「ふぅ・・・。本日は、ここまでにしましょうか。」
「せやね、詰め込み過ぎも良くあらへんし。」
「それにしても、綾香ってすげぇよな。教えた事を、どんどんスポンジみたいに吸収してくれっから教えがいがあるよな~。」
その海人の言葉通り、綾香さんは私達が教えた事を確実に吸収していき、自らの知識へと見事に昇華していました。恐らく、この調子でいけば後腐れなく夏季休暇に突入する事が出来るでしょう。
「え?そ、それほどでもないわよ~。」
そう言いながらも、笑顔で頭を掻く綾香さんの表情に私達は心が温かくなります。そんなとき、綾香さんの部屋の外からノックする音が響きました。
「お姉ちゃ~ん。入るよー。」
この声からして、綾香さんの妹君である咲さんのようですね。そんな彼女は、部屋に入ると私達に向かって会釈してくれます。その笑顔は、やはり姉妹と言うべきか綾香さんにそっくりなものでした。
「あ、水無月さん達もお疲れさまです。どうですか?お姉ちゃんとの勉強は。」
「えぇ、順調に進んでいますよ。一度教えた事を、見事に自分のものにしてくれるので教えがいがあります。」
「そうですか。あの・・・、実は水無月さん達に御提案があるんですけど・・・。」
そう口籠りながら話す咲さんに、弥生と海人が首を傾げます。
「どないしたん?お姉さん達に、何でも言ってみ?」
「出来る範囲でなら、答えるぜ。まぁ、金銭の貸し借りは無理だけどな。」
そう冗談めかす海人の言葉に、慌てて首を振りながら咲さんは私達に件の提案を話してくださいます。
「実は皆さんが家に来ている事を御母さんに伝えたら、是非とも夕御飯を家で食べてってほしいって連絡が来まして・・・。皆さんで良ければ、食べていかれませんか?」
その言葉に、私達は顔を見合わせます。しかし、先方の御厚意を無下にするわけにもいかないと判断した私達は、咲さんの頼みを了承する事にします。
「承知いたしました。では、御厚意に甘えて御相伴に預からせて頂きます。」
「分かりました!因みに、何かリクエストってあったりします?一応、和食にするつもりらしいんですけど・・・。」
その言葉に、私達は大きく手を振る事に成りました。
「いやいや!夕飯を御馳走になるだけでもありがたいのに、更なる要望とか付け加えられねぇって!!」
「そうそう!ウチ等は御相伴させていただく立場なんやし・・・。」
その言葉に、咲さんの方が今度は大きく手を振る事に成りました。
「いえいえ!折角なので、リクエストに応じたいってお母さんも張り切っちゃってて!」
そんな咲さんに続いて、綾香さんもそれに便乗して私達を説得してきます。
「私も咲に賛成だわ!それに、お母さんとお父さんも時雨君達に会いたいって言ってたし!!」
そんなお二人の圧に押し負けた私達は苦笑しながら、魚料理が食べたいと綾香さんと咲さんに御願いをし、各々の父上と母上に『友人宅で夕餉を食べてきます』と連絡をしたのでした。
そうして、数分後・・・。綾香さんの家のチャイムが鳴ると一人の女性が御帰宅されました。その音に大量の買い物袋を抱えている筈だと判断した私と海人は、玄関まで出向きに行きます。すると、そこには艶やかな金髪の麗しい女性が立っておられました。そんな彼女は、買い物袋を3つも抱えて玄関の中に入って来られ、私と海人の顔を見ると嬉しそうに声を弾ませます。
「あらあら、いらっしゃいませ!貴方達が、水無月君に神宮寺君ね。初めまして、綾香の母の桐野クレアと申します。」
そう買物袋を掲げながら頭を下げるクレアさんに、私と海人は駆け寄ると重そうな買い物袋を一つずつ受け取ります。
「初めまして、水無月時雨と申します。宜しくお願い致します。有難迷惑かもしれませんが、お荷物お持ちしますね。」
「神宮寺海人です。取り敢えず、挨拶は改めてするんで買い物袋運ぶの手伝うっす。」
「あらあら、お客様なんだからゆっくりしててもいいのに・・・。」
「いえ、だからこそです。夕餉を御相伴させてもらうのですから、せめてこれくらいの御手伝いはさせてください。」
その言葉に、クレアさんは少し顎に指を当てて思慮されたかと思うと、私達の申し出を受け入れてくださいました。そうして茶の間に向かうと、弥生と綾香さんと咲さんは箸や皿の準備をしてくださっていました。
「お母さん、お帰りなさい!」
「お母さんお帰りー。」
そんな綾香さんと咲さんに続き、弥生もクレアさんに向かって挨拶をします。
「綾香ちゃんの御母さん、御邪魔してます。ウチは、如月弥生言います。宜しゅう御願い致します。」
「初めまして、貴方が弥生ちゃんね。綾香の母の桐野クレアです。それにしても、随分と可愛らしい子ね~。その口調からして、関西圏の子かしら?」
「そうなんですよ~。ウチのお母さんが、関西圏出身なもんで~。」
「あら!関西なら、私もよく旅行に行くわよ!!特に京都とかは、日本の素晴らしい文化がいっぱい詰まってて毎度毎度、ワクワクさせられちゃうもの!!ほら!この写真は、河原町通りを着物姿で歩いたときのやつよ~!」
「うわ!めっちゃ、
「あら、嬉しい事言ってくれるわー!実は日本に来た理由も、ジャパニーズカルチャーを思いっきり楽しみたいから来たのよ~!その頃はまだ大学生でね、日本の大学に留学しに来てたんだけど、今の旦那とは大学先で出会ったのよー!」
そう手を組みながら目を輝かせるクレアさんは、本当に日本の事が大好きなようで夢見心地な表情をしていらっしゃいました。
「では、そこからお付き合いをして国際結婚に至ったのですか?」
クレアさんに許可を貰って、冷蔵庫の中に買い物袋の中の商品を詰め込みながら私が問いかけるとクレアさんは頬を染めながら話されました。その顔は、まるで恋する乙女の様です。
「そうよ~。晴斗さんは草食系だから、とにかくガンガンにアピールし続けたわ。たしか、ファーストキスは水族館デートのときだったかしら~。フフッ、今でも鮮明に思い出すわ。その後は、ホテルに泊まって・・・ね?」
そう意味深に微笑むながら舌なめずりをするクレアさんに、私達は有無を言わせぬ迫力の様なものを感じ、苦笑する他ないのでした。そして、私達三人が冷蔵庫に食材を詰め終わるとクレアさんは台所で料理を始めます。
「手伝ってくれて、ありがとうね~。それじゃあ、あとはおばさんに任せててね。ゆっくりしてて大丈夫よー。」
クレアさんがそう言うと、咲さんが携帯端末を掲げながら遊びに誘ってくださいました。
「ねぇねぇ!お父さんが帰って来るまで暇だから、スマホゲームで遊ぼうよ!」
「お!いいな!どんなゲームだ!?」
「最近お姉ちゃんとハマってるゲームがあるんだ!多分、海人お兄ちゃんに弥生お姉ちゃんも知ってるゲームだよ!」
その咲さんの言葉に合点が言ったかのように、綾香さんも目を輝かせられます。・・・と言うより、何気に私達の事をお兄ちゃん呼びするようになりましたね・・・咲さん。
「あぁ!アレの事ね!Sky星を紡●子供達!」
「あぁ!あのゲーム、確かにマルチプレイとかもできるもんな~!ウチも入れてるで~!キャラクターもちんまくて可愛ぇもんなー。」
そう話す彼等に、私だけが疑問符を浮かべてしまいます。そもそも、携帯端末で遊戯の類が出来るのでしょうか・・・?
「あの・・・。Sky星を紡●子供達とは何ですか?」
その言葉に咲さんと綾香さんが目を見開き、海人と弥生に至っては失望したかのように顔を掌で覆っています。
「はぁ・・・。我が幼馴染ながら、ここまで世俗と機械に疎いとは・・・。」
「なんちゅ-か、ここまで来たら清々しいなぁ・・・。」
「そこまで仰らずとも、良いではないですか・・・。」
私がそう申し上げていると、綾香さんが私の隣に近づいて携帯端末を見せながらアプリの入れ方を教えてくれます。それにしても・・・、少し距離が近いような・・・。
「はい。これでアプリ入れ終わったわよ。早速起動してみて?」
「しょ、承知致しました。」
そう言いながら、アプリを起動すると幻想的な起動画面と共に可愛らしいキャラクターが現れました。そうして、綾香さんの指示通りに手続きを行うと、私の携帯端末の画面に私のキャラクターの他に4人のキャラクターが現れました。恐らく、この4人のキャラクター達が皆が操作している存在なのでしょうか?
そう考えていると、咲さんが悪戯を思いついたような声で私達・・・正確には、綾香さんに話し掛けてきます。
「お姉ちゃん。そんなに密着したら、時雨お兄ちゃんにおっぱい当たっちゃうよ。」
そう言われると、綾香さんは急いで私から離れます。まぁ・・・現に色々当たっていましたが・・・。
「え!?あ、あぁぁ!!ご、ごめんなさい!」
「い、いえ・・・。気にしていませんから。」
私がそう申し上げると、気まずい空気が流れますがそんな空気を変えるかのように、海人が手を叩きながら声を上げます。
「よしっ!じゃあ、早速合流してゲームを楽しもうぜ!」
「おーっ!!」
咲さんのその掛け声と共に、ゲームが開始されたのでした。そうして、数十分後・・・。私達が遊んでいると、玄関先の扉が開く音がし、眼鏡を掛けた一人の男性が入ってきました。そんな男性に、クレアさんは早足で駆け寄りました。
「ただいまー・・・。おや、お客さんかな?」
「えぇ、そうよ。その前に・・・。お帰りなさい、貴方。」
そう言うと、クレアさんは男性の首に腕を回し唇に
「か、母さん。お客さんの前でこんな事は・・・。」
そんな彼女の行動に男性は顔を赤らめながら慌てており、綾香さんと咲さんは半目でその光景を見ておられました。
「あや~。随分と、情熱的やねクレアさん。」
「何というか、ザ・アメリカ人のスキンシップだな・・・。」
そう呟く海人と弥生の隣で、掌を額に当てて眉間の皺を揉む綾香さんと咲さんが私達に謝罪をしてきます。
「ごめんなさい・・・。なんというか、バカップルっぷりを見せつけちゃって。」
「本当にごめんね、お兄ちゃんお姉ちゃん・・・。うちのお母さんとお父さんは、毎度毎度こんな感じで・・・。」
「いえいえ、
そう私達が言っていると、クレアさんの抱擁から解き放された男性は私達の方を見ると深くお辞儀をしてくださいました。
「コホン・・・。見苦しい所を見せてしまったね。初めまして、綾香の父の桐野晴斗と申します。君達の事は、綾香から色々聞いているよ。」
そう自己紹介をしてくださった晴斗さんに、私達も正座をして深く頭を下げる事にします。
「御初に御目に掛かります。私は、水無月時雨と申します。以後とも良しなに。」
「神宮寺海人です。宜しくお願い致します。」
「如月弥生って言います。今後とも、宜しゅう御願い致します。」
そう頭を下げる私達に、晴斗さんは穏やかな笑みを浮かべながら机に案内してくれました。
「まぁまぁ。床に座ってるのもなんだから、テーブルの椅子に座ると良いよ。・・・おや、箸やコップが既に並べられているがもしかして・・・。」
晴斗さんのその言葉に、クレアさんはにこやかな表情で私達が手伝った事を晴斗さんに伝えてくださいます。
「えぇ!弥生ちゃん達が、並べてくれたのよー。それも、私が家に帰ってくる前には並べられてたわよ~。それに、海人君に時雨君も荷物を運ぶのを手伝ってくれてね~。本当に良い子達よ~。」
「そうか、本当にありがとうね。」
そう御礼を仰ってくださる晴斗さんに、私達は思わず頬が緩んでしまいます。そうこうしていると、料理が完成した様で私達は料理運びの手伝いをして食卓に就いたのでした。
そして、そこには大量の刺身や
「手巻き寿司・・・でしょうか?」
「うぉぉ・・・。美味そぉ・・・。」
「こんなにもお刺身が・・・、御邪魔になっとるのはこっちやのに・・・。おおきに、有り難う御座います。」
そう御礼を言う私達に、クレアさんは破顔しながらも手を振ってくださいました。
「良いの良いの!綾香がお世話になってる御礼よ!遠慮せずに食べちゃって!!」
クレアさんのその言葉が終わると同時に、私達と桐野さんの御一家は手を合わせた後に寿司作りに
「それにしても、綾香にこんなに可愛らしいお友達ができるなんて・・・。ありがとうねぇ。」
そう涙ぐむクレアさんに、私達は大きく手を振りながら謙遜します。
「いえいえ!寧ろ、御礼を申し上げるのは我々の方ですよ!綾香さんには私達の方が救われていますから!そうですよね?海人、弥生?」
「そうだな〜。実を言うと俺達3人とも、今まで対等に話せる友達がいなかったんですよ。」
「あら・・・。そうなの?」
そう口を押さえながら意外そうにするクレアさんに、弥生が苦笑しながら説明をします。
「なんて言いますか、ウチ等は自分達で言うのもなんですが、それなりに良い所の家系の出身で文武両道を心掛けとります。せやけど、心掛けてるからこその弊害と言いますか、生徒の皆がウチ等の事を神聖視しとるみたいで・・・。ウチ等と生徒の皆の間に、壁が有る様な感じなんですよね。」
「ですが、綾香さんは私達3人に対して色眼鏡を向ける事無く、対等に接して下さいました。だからこそ、私達3人は綾香さんと親密になれた事に対して、とても嬉しく思っているのです。それに彼女は世俗に疎い私に、様々な新しい世界を教えてくださいました。そんな彼女と巡り合えた奇跡に、私達は深く感謝しているのです。」
私達がそう申し上げると、クレアさんと晴斗さんは綾香さんの方を向きながら優しい眼差しを向け、咲さんは綾香さんを揶揄いつつも優しい言葉を掛けています。
「そうか・・・。ウチの娘を、そこまで高く評価してくれているとは・・・。」
「客観的に自分の娘をベタ褒めされると、少しむず痒くなっちゃうわね〜。」
「お姉ちゃん、良かったね〜。物凄い評価されてるじゃん。」
そんな彼らの方を向きながら、綾香さんは顔を赤くしながらも今度は私達を賞賛してくださいました。
「そ、それを言うなら、私だって3人には感謝してるのよ!3人は私に優しくしてくれるし、特に時雨君は私の事を何時も守ってくれるじゃない!初めて会ったときなんかは、暴漢から私を格闘技で助けてくれたし!」
その綾香さんの言葉に、晴斗さんが興味深そうに眼鏡を輝かせます。
「ほほう。綾香から話は聞いていたが、水無月君は格闘技を修めているのかい?」
「はい。日本拳法をベースにした総合格闘技と、合気道を融合させた独自の型を修めております。言うなれば、我流ですね。」
そんな私の言葉に便乗するかのように、海人も興奮した様子で話し始めます。
「言っておきますけど、こいつ滅茶苦茶強いですよ!!10歳の頃から、特例でMMA*2の無差別級の大会に出場してるんですけどね、6年間優勝し続けてますよ!それに、12歳のときには世界大会に出場して優勝してますからね!!まぁ、コイツ自身は名声とかには興味ないんでメディアには出ないし、トロフィー授与式も代理の人間を立たせてるんですがね。」
「嘘!?時雨お兄ちゃんって、そんなに強かったの!?ってか、何でトロフィー授与式に出ないの!?世界大会で優勝って、もの凄い事じゃん!要は、世界最強って事でしょ!?」
そんな海人の説明に咲さんが目を丸くして驚かれましたが、私は彼女の言葉を否定します。
「私は己の技量を磨き、その鍛練の成果を見極める為に出場しているにすぎません。・・・戦いの末に授けられる富や名声。・・・贈呈される金塊に、興を抱けないもので・・・。」
「な、なるほど・・・?」
そう首を傾げる咲さんの隣で、クレアさんも興が沸いた様に私に質問を投げかけてきました。
「それにしても、合気道って本当に自分より大きな相手を投げ飛ばせるものなの?」
「そうですね。本当にこれに関しては、何と言いますか・・・。力の流れを見極めると言ったところでしょうか?」
「力の流れを見極める?」
「はい。私の編み出した格闘術では、攻守が万能な独自の型で構成されています。言うなれば、守りの型と攻めの型と言ったところでしょうか。そして、主に守りの型を行使する際に力の流れを見極めるのです。」
その言葉に弥生と海人は兎も角、桐野家の方々は首を傾げていらっしゃいます。そこで私は、もう少し分かり易いように説明をする事にします。
「そうですね・・・。慣性の法則は御存じですか?」
「え、えぇ。車は急には止まれないって奴でしょ?」
綾香さんのその言葉に私は頷くと、そのまま説明を続けます。
「はい。外から力が加わらない限り静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速直線運動を続ける。その物理法則こそが慣性の法則です。そして、それは人間の拳の速さにも当てはまります。本職の格闘家の拳速は、遅くとも時速50キロメートル。速い人では、時速100キロメートルを超える事も有ります。ですが、速いものほど外部からの力の影響を受けやすいのです。」
「と言うと・・・。時雨君の守りの型とやらは、相手の拳に合わせるように外部から力を加えて、拳の軌道を逸らすといった感じかな?」
そんな晴斗さんの質問に、私は深く頷きます。
「はい。相手の力を見極めて自身に当たるか当たらないかの瞬間を見計らい、僅か数ミリグラムだけ相手の力に加重をする事で力の流れを乱し、相手の攻撃を逸らし体勢を崩させる柔の技です。」
その言葉に、咲さんが呆けたように口を開けて感嘆の声を上げられました。
「ほぇぇ・・・、本当に漫画の世界みたい。というか、漫画の強キャラの能力じゃん!!じゃあさ、攻めの型は!?お姉ちゃん曰く、もの凄い速さで突進して金的を当てたって言ってたけど!?」
「それも単純な理論です。人体の筋肉が一番機能する瞬間は、筋肉の究極の弛緩から瞬時に究極の緊張に切り替えた瞬間です。私は、その切り替えを自在に操って人並外れた移動速度や硬化能力を身に付けたわけです。」
私の説明に桐野家の方々が呆けていると、弥生が更に説明を追加してくださいます。
「しかも、硬化させたときの時雨君の肉体硬度はえげつない物ですよ。海人君も剣道八段を修めとるんですけど、海人君の本気の素振りを受けてもピンピンしてましたからね~。」
「本当にそれな。俺の使ってる木刀には、
そうわざとらしく溜息と吐く海人に、私は半眼になりながらも反論を申し立てます。
「人を
「まぁ、纏めるならあれですわ。剣術やったら海人君に軍配が上がるけど、徒手格闘においては時雨君に軍配が上がるって事やね~。」
「凄いわねー・・・。ジャパニーズ武士道精神って奴も、鍛え上げれそうねー。」
そのクレアさんの言葉に、私達は苦笑します。確かに、武道には精神鍛練の要素も組み込まれていますからね。そんな話をしつつも、時間は過ぎていき食事の時間が終わりました。
そして私達は食器を洗いをしようとするクレアさんに声を掛け、食器笑いを代行する事を伝えました。そんな私達の提案にクレアさんは喜んでくださり、私達に皿洗いを任せてくださいました。
そうして、私達が帰り支度を整えるとクレアさんは私達に、何かを手渡してくださいました。それは・・・。
「これは・・・、紅茶ですか?」
「えぇ。今日は貴方達のお陰で楽しい時間を過ごせたし、その御礼よ。私のお気に入りのブランドなの。よかったら、持って帰ってくれる?御家族と、一緒に飲んでみてね。」
「・・・御気遣いありがとうございます。父上も母上も、喜ばれると思います。有難く、頂戴いたしますね。」
そんな彼女に御礼を言うと彼女の後ろから綾香さんが顔を出し、私達に挨拶をしてくださいました。
「それじゃあ皆、また明日ね。」
そんな彼女に、各々が呼んだ迎えの車の後部座席に乗ると私達三人も挨拶を交わします。
「えぇ、また明日会いましょう。」
「今日の復習、しっかりしとくんやで~。」
「じゃあ、また明日な。」
そんな私達に彼女は笑いかけてくれると、家の中に入っていきました。そんな彼女を見届けたと同時に、私達を乗せたそれぞれの三台の車は、各々の家に向かって走り出したのでした。
次回は、クズ男視点です