クズ男に初恋を弄ばれたギャルは、誠なるハイスペック合法ショタに慰められる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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↓水無月家の護衛衆

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ギャルの家に、早朝訪問

この日の早朝時4時頃・・・。実家に設けられている道場で、私は実戦組手を行っていました。大勢の、20人以上の専属の護衛の方々に囲まれながら・・・。そんな彼等を1人ずつ呼び寄せると、私は彼等と一対一で戦い始めます。

 

 

そんな中、25人目の護衛の方が私に向かって突進しながら拳を振り上げてきます。

 

 

「ヌゥゥン!!」

 

 

しかし振り下ろされた拳は私に対して、たいした痛手とは成り得ません。そんな私は、彼の腕を取ると振り下ろされた拳の力の流れを利用して、そのまま投げ飛ばします。

 

 

「目付が甘いです・・・。セアァァァ!!」

 

 

そうして護衛の方が背中から倒れて地に伏せると、審判を務めてくださっていた女中さんが判定をくだしてくださいます。

 

 

「一本!勝負あり!!若様の勝利です!!」

 

 

その言葉が終わると、私は倒れている護衛者に向かって手を差し伸べます。そして、そんな彼は私の顔を見てはにかむと手を受け取ってくださいました。

 

 

「大丈夫でしたか?」

 

 

「えぇ。問題ありませんよ・・・。それにしても、若様。随分と強く成られましたね。」

 

 

「いえ。この強さも全て、皆様の様な心身共に鍛え上げられた護衛者がいてこその賜物です。いつも、私と実戦組手をして頂いて感謝しております。」

 

 

私がそう笑いかけると、彼等は照れ臭そうにはにかんでくれます。そんなとき、女中さんの一人が襖を開けて入って来られました。

 

 

「若様。湯浴みの準備が整いました。どうぞ、お入りくださいませ。」

 

 

「承知致しました、有り難う御座います。」

 

 

私はそう言うと浴室に向かい、湯浴みを始めます。そうして数分後、茶の間に向かって木具膳に並べられた朝餉に舌鼓を打ちながら食事をしていると、綾香さんから私の携帯端末に連絡が入りました。

 

 

『時雨君、もう起きてるー?』

 

 

『えぇ、朝餉を食べている最中です。どうなさいましたか?』

 

 

『あのさ、勝手な御願いだとは思うんだけど・・・。今日は、私の家で待ち合わせしない?ちょっと、バタバタしちゃってて・・・。』

 

 

その文言と共に、ドタバタと走り回る黒猫のスタンプが送られてきました。そんなスタンプの様に、慌てて準備をする彼女を想像した私は、思わず頬を緩ませてしまいます。

 

 

『委細承知いたしました。綾香さんの家の前で御待ちしておりますね。』

 

 

『あ!家に着いたら、チャイム鳴らして貰って良い!?多分、お母さんが開けてくれるはずだから!!』

 

 

『クレアさんは、既に起きてらっしゃるのですか?』

 

 

『えぇ!専業主婦の朝は早いのよ!!じゃあ、そういう事だから!!』

 

 

その文言と共に、今度は何故か走り去っていく黒猫のスタンプが送られてきます。そんな彼女のスタンプにクスリと笑うと、私は改めて学校に向かう準備を始めます。

 

 

すると、いつの間にか起きていた母上が私に話し掛けて来られました。

 

 

「時雨、おはよう。もう、学校に行くのかしら?」

 

 

「おはようございます、母上。先程、綾香さんの携帯端末から文言が届きまして、綾香さんの自宅に御邪魔してから向かう事に成りました。」

 

 

「そう・・・。なら、少し待っていなさい。」

 

 

そう仰られると母上は炊事場へと向かうと、戸棚から大きな箱を取り出されました。その箱の包装紙には、高級和菓子屋店の大福の絵が印刷されていました。

 

 

「早朝から御邪魔になるのだから、手土産をもって行きなさい。この前の、紅茶のお礼としてね。」

 

 

「私としたことが・・・失念していました。承知致しました、先方に失礼の無い様にしてきますね。」

 

 

その言葉に、母上は微笑みながら後押しをしてくださいます。

 

 

「えぇ、気を付けていってらっしゃい。・・・それから、今度また綾香さんを我が家に連れて来なさい。どんな子か、挨拶もしてみたいしね。」

 

 

「分かりました。では、本日も行ってまいります。」

 

 

その言葉と共に、私は家を出て綾香さんの御自宅へと向かいます。そうして、玄関の呼び鈴を鳴らすと扉が開いてクレアさんが出てこられました。

 

 

「あらあら!時雨君、いらっしゃい!Good morning!!」

 

 

そんな彼女は、大輪の花の様な笑みを浮かべて歓迎してくれます。ここまで喜色満面の笑みが似合う方も、そうは居らっしゃらないでしょう。

 

 

「クレアさん、おはよう御座います。早朝から、大変申し訳ありません。こちら、母から紅茶の返礼品として渡された物です。御気に召されると良いのですが・・・。」

 

 

「あら!本当にありがとうね~!さぁさぁ、入ってちょうだい!」

 

 

そうにこやかに笑う彼女に付いて行き、私は綾香さんの御自宅へと入る事に成ります。そうして茶の間の席に着くと、彼女は温かい紅茶を入れて私と向かい合うように座ってくださいます。

 

 

「ごめんなさいね。綾香は今、洗顔とかメイクとかしてて忙しいから・・・。」

 

 

「いえ、お気になさらないでください。女性の朝支度に時間が掛かるのは、至極当然の事ですから。」

 

 

「あら・・・。乙女心を分かってくれてるのね。さて、それじゃあ・・・綾香がリビングに来るまで、ゆっくりお話しでもしましょうね。」

 

 

「は、はい・・・!」

 

 

そんなクレアさんの言葉に私が自然と背筋を伸ばすと、彼女は鈴を転がしたようにコロコロと笑みを浮かばれました。

 

 

「ふふっ、そんなに緊張しなくても良いのよ。ごめんなさいね・・・。綾香と御話ししたかったでしょうに、こんな小母(おば)さんと二人っきりで。」

 

 

そう苦笑されるクレアさんに、私は慌てて首を振りました。

 

 

「いえいえ、小母さんだなんて!正直な事を申し上げますと、昨日に初めて御会いした際には綾香さんの御姉様かと勘違いしてしまいそうでしたし。」

 

 

「あら、嬉しい事を言ってくれるわね。」

 

 

そう微笑みながら紅茶を啜るクレアさんの姿は、本当に一枚の絵画の様に美しい物でした。それに、クレアさん本人は御謙遜されているようですが、恐らく町人十人に聞けば十人がクレアさんを二十歳と答えてしまうのではと思ってしまう程に、彼女の見た目は若々しい物でした。

 

 

「ふぅ・・・。ところで、綾香は学校ではどんな感じなのかしら?最近、あまりあの子から聞けていなかったし。」

 

 

「そうですね・・・。昨日は早朝に起きられたようで、我々三人の生徒会の仕事を手伝っていただきましたよ。正直に申し上げますと、大いに助かりました。我々三人では手の届かない様な事まで気付いてくれましたし、縁の下の力持ちのような働きをしてくださいました。私としては、このまま生徒会に入っていただけないかと思ってしまう程ですよ。」

 

 

「あらら、そんなに高く評価してくれるなんて・・・。ふふっ、鼻が高くなってしまうわね。」

 

 

そんなクレアさんの表情を見ながら、私は温かな気持ちに成っていきます。きっと、彼女のような優しさを持ったが故に、綾香さんも明るい性格に成っていったのでしょうね。

 

 

「勉学に関しましても、現在はクラスの中でも中の少し上といったところだとは思いますが、私達と勉強をしてからというもの見る見るうちに頭角を現しそうな程に知識を吸収していってくれています。こちらとしても、教えがいがありますよ。この調子でいけば、今度のテストは無事に合格する事が出来るでしょうね。」

 

 

「そうねぇ~。今年は綾香はどうするのかしら・・・。健治君とは、恐らく遊ばないでしょうし・・・。」

 

 

「その事に関してなのですが、無事に五教科全てを合格した暁には私の別荘で海水浴をする事に成っているのですが・・・。綾香さんから聞いていませんでしたか?」

 

 

その言葉に少しだけ呆けた表情をしたクレアさんは、額に手を置いて溜息を吐かれました。

 

 

「聞いて無かったわ・・・。別荘に御泊りだなんて、色々スケールが大きすぎて・・・。」

 

 

「一応、部屋割りは男女別にするつもりですし・・・。そもそも、私達も家の者から高校を卒業するまでは不純異性交遊は厳禁と言われていますから・・・。」

 

 

「あぁ、そういう訳じゃないの。そう・・・もしも別荘に行く事に成ったら、綾香の事を御願いね。」

 

 

「はい。お任せくださいませ。」

 

 

そうこう話していると、二階から足音がして制服に着替えた綾香さんが降りて来られました。そんな彼女は、私の顔を見るなり驚いた表情になります。

 

 

「あ、あれ?もう来てたの!?」

 

 

「はい。綾香さんが降りてくるまで、クレアさんと御茶を楽しませて頂きました。」

 

 

「え、えぇ!?お、お母さん!まさか、時雨君に変な事とか吹き込んで無いわよね!!」

 

 

「さぁ・・・どうかしらね~。」

 

 

唇に指を添えながら妖しく笑うクレアさんに、綾香さんは顔を赤らめたり蒼褪(あおざ)めさせたりしながら、忙しなく顔色を変えられました。

 

 

「し、時雨君!?お母さんに何を言われたか知らないけど、全部忘れてちょうだい!!良いわね!!」

 

 

「ふふっ、委細承知いたしました。」

 

 

そう私が言い終えると、綾香さんは急いで朝餉を食べ終えて学校の鞄を肩に持ちます。そうして、私の手を掴むと玄関に向かい靴を履かれています。当然彼女の隣には私も()り、既に学校の鞄を持って立っています。

 

 

そうして靴を履き終えた彼女は、クレアさんに挨拶をすると彼女もにこやかに挨拶をしてくださいます。

 

 

「クレアさん。それでは、行ってまいります。」

 

 

「お母さん、行ってきます。」

 

 

「はい、二人とも気を付けてね。」

 

 

その挨拶を聞き終えると、私と綾香さんは扉を出て薄暗い通学路を歩き始めます。そうして学校に着き、警備員さんに学生証を見せると私達は生徒会室に向かいます。そこでは、海人と弥生が生徒会の仕事をしていました。

 

 

「おっすー、二人ともオッハー。」

 

 

「仲睦まじく、手ぇ繋いで登校しちゃって~。ヒューヒュー。」

 

 

そう口笛を吹く弥生に、綾香さんの顔に急激に熱が昇っていってしまった様です。一気に顔が赤くなってしまわれました。

 

 

「なっ!そ、そんなんじゃ・・・。」

 

 

そう顔を赤らめる彼女を見ながら、私は弥生を(たしな)めます。

 

 

「弥生、あまり綾香さんを揶揄わないでください。」

 

 

「はいはい。ごめんなぁ~。」

 

 

そんな飄々とした表情で謝罪をする彼女に呆れた後、私は何気なく綾香さんに質問を投げかけます。

 

 

「そういえば、綾香さん。昨日はしっかりと復習は出来ましたか?」

 

 

「え、えぇ。一応、三人が帰ったあと復習をしてみたわ。」

 

 

「それでは・・・。少々、問題を出させて頂いても構いませんね。」

 

 

その私の言葉に、綾香さんは生唾を飲み込んだ後に神妙に頷きました。そんな彼女の眼差しを確認すると、私は早速問題を出し始めます。

 

 

「・・・えぇ!ドンと来なさい!!」

 

 

「問題です。日本の現在の都道府県数は47都道府県ですが、令制国・・・つまり旧国名は・・・。」

 

 

「68ヵ国よ!!」

 

 

そう自信満々に彼女は答えますが、私は更に問題文を話し続けます。

 

 

「旧国名は68ヵ国ありますが、都周辺の5国を五畿。その他の地域を7つの街道筋で区分した物を七道と言いますが、五畿と七道をそれぞれ答えなさい。」

 

 

その言葉に、目の前に居る綾香さんは押し黙ってしまいます。一応、昨日の勉強会で説明したとは思いますが少し難しすぎましたかね?海人と弥生も、固唾を飲みながら見守っています。

 

 

そんな私達の目の前で、綾香さんは空に向かって何かを復唱すると意を決したように答え始めます。

 

 

「確か・・・。五畿は大和、山城、摂津、河内、和泉の五つ!!七道は東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道の七つよ!!」

 

 

「正解です。よく覚えていらっしゃいましたね。その様子だと、昨日教えた事は全て頭に入っているようですね。」

 

 

私がそう申し上げると、綾香さんと弥生は笑顔で御互いにハイタッチをされました。

 

 

「やったやん!綾香ちゃん!いぇーい!!」

 

 

「いぇーい!!」

 

 

その言葉と共に、パァンと音が鳴ると海人と私もにこやかに話し始めます。

 

 

「よっし!この調子で、夏休みを楽しく過ごせるように頑張ろうぜ!!」

 

 

「そうですね。」

 

 

「そういやさ。昨日健治の奴、大変だったらしいぜ。」

 

 

その海人の言葉に綾香さんは眉を顰め、私と弥生は首を傾げて聞き返します。

 

 

「大変とは、どの様に大変だったのですか?」

 

 

「それがさ、今朝の職員室に居たテニス部の顧問に聞いた話なんだけどな。昨日健治が練習してるときに、シューズの紐が何もしてないのに全部切れてずっこけたらしいぜ!!だっせぇよな!!」

 

 

そう言いながら大笑いをする海人を諫めながら、私は少しだけ眉を顰めてしまいます。

 

 

「何もしていないのに切れた・・・?それは真なのですか?」

 

 

「なんでも、一応は新品の使って間もない靴紐だったらしいぜ。なのに急に切れるとか、キ●肉マンに出てくるテリー●ンの靴紐かっての。」

 

 

「なんやら、末恐ろしい話やなぁ・・・。」

 

 

「そうね・・・。アイツがどうなろうと知った事じゃ無いけど、薄気味が悪いわ・・・。」

 

 

そんな私達の空気を変えるように、海人が手を叩いて場を治めます。

 

 

「まぁまぁ!あいつがどうなろうと、俺らは知ったこっちゃねぇんだ!!引き続き、夏休みに向けてテス勉に励もうぜ!!」

 

 

海人のその言葉に、私達は先程の健治さんの件を忘れる事にして生徒会の仕事を続ける事にしたのでした。

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