クズ男に初恋を弄ばれたギャルは、誠なるハイスペック合法ショタに慰められる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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試験当日

まだ少し冷える、初夏の早朝の時間・・・。私達は生徒会室に集まっていました。何故なら、本日は以前から予告されていた夏季休暇前の試験当日だからです。

 

 

「よし!ここからここまでの一問一答は、完全に暗記する事が出来たわ!これで、日本史は貰ったも同然ね!!」

 

 

「ウチも、完璧に覚えたわ~。」

 

 

「まぁ・・・。俺達にかかれば、赤点なんて取るもんでもねぇだろ。」

 

 

そんな彼等の様子を見ながら、私はホッと一安心をします。どうやら、綾香さんも赤点を取ることなく試験を終わらせる事が出来るでしょうね。

 

 

ですが、安心はできません。私達はもう一度、試験の概要について確認し合います。

 

 

「改めて、確認いたしましょう。試験は午前9時から開始され、国語、数学、英語、理科、社会の順に行われていきます。」

 

 

「んでもって、一科目の制限時間は60分。」

 

 

その言葉に続くように、弥生と綾香さんも大きく頷かれました。

 

 

「気ぃ付けへんとあかんのは、時間配分やろうね。」

 

 

「そうね。数学は兎も角、英語は文法にリスニング。社会は公民と日本史、世界史の3つに分けられてるものね。」

 

 

綾香さんの言う通り、一つの科目の中に複数の分野が分けられているという教科も存在しています。ですので、一つの分野で悩んでいる間に、時間だけが過ぎてしまうなどはよくある話です。

 

 

「最悪の場合ですが、分からない箇所が有れば山勘で解きましょう。」

 

 

「・・・生徒会長がそれ言っちゃっていいの?」

 

 

「当たって砕けろと言うやつですよ。」

 

 

私がその様に申し上げるのが意外だったのでしょうか?綾香さんは暫く呆けた後に、クスクスと笑われてしまいましたが、そんな彼女の言葉を弥生が否定してしまわれました。

 

 

「フフッ・・・。な、なんか意外ね。時雨君って、慎重派なタイプかと思ってたけど。」

 

 

「あー。どっちかっちゅーと、ゴリゴリ行くタイプやで時雨君は。」

 

 

「そうなの!?」

 

 

「それに、一見穏やかそうに見える翡翠さんもゴリゴリの武闘派やからなぁ・・・。そこら辺の性格は、翡翠さんに似たんかもしれんねぇ。」

 

 

「あー・・・。」

 

 

その言葉に、綾香さんは私と海人の方を交互に見られました。恐らくは、先日の父上の格闘術の強さを思い出されたのでしょう。そんな彼女に釣られて、先日の件を思い出した私と海人も身震いしてしまいます。

 

 

「な、なんでだ・・・。きゅ、急に寒気が・・・。」

 

 

「き、奇遇ですね海人・・・。私も悪寒が・・・。」

 

 

「だ、大丈夫?生徒会室の冷房切りましょうか?」

 

 

そう綾香さんは慌てられますが、室内温度の所為ではないのですよ・・・。おかしいですね、父上に投げ飛ばされた際に打ち付けた背中が痛み始めてきました・・・。昨夜、床に就く前に湿布を貼った筈なのですがね・・・。

 

 

そう私が顔を顰めていると、綾香さんが私の背中を擦ってくださいました。そんな彼女の仕草に、私の体は温かくなっていきます。

 

 

「ふぅ・・・ありがとうございます。少し落ち着きました。」

 

 

「良かったわ。・・・それにしても、昨日のあれは不意打ちだったわけだけど、翡翠さんと時雨君が戦ったらどっちが勝つの?」

 

 

「私が父上に勝てる訳無いでしょう・・・。不意打ちでなくても、私と海人の二人がかりでも父上に勝てたことは一度もありませんよ。」

 

 

「え・・・?」

 

 

そう呆然とする綾香さんに、補足するかのように苦笑しながら弥生が説明を重ねてくださいました。

 

 

「言っとくけど、翡翠さんって学生時代にMMAの世界大会を12年間連続優勝してはる人やからね。翡翠さんに比べたら、海人君と時雨君なんて青二才同然なんよ。」

 

 

「う・・・そでしょ?」

 

 

その言葉に綾香さんは再度驚いた顔を浮かべた後、どこか遠い目をされていました。そんな彼女に苦笑しながら勉強をしていると時間は過ぎていき・・・遂に、試験開始1時間前に成りました。

 

 

「・・・よし、そろそろ行くか。」

 

 

「そうですね、弥生と綾香さんも構いませんか?」

 

 

その言葉に、弥生と綾香さんも頷かれました。そんな彼女達の眼差しも、覚悟の決まった良い目をしていらっしゃいました。

 

 

「せやね。五教科に全部パスして、夏休み楽しもな。」

 

 

「そうね。ここまで来たら、全教科満点取ってやるわ。」

 

 

そう言いながら、私達は生徒会室を出て教室に向かいます。そして、私と綾香さんは弥生と海人の二人とBクラスの前で別れると、Aクラスの教室に入っていきました。すると、教室中から呻き声が聞こえてきました。

 

 

「あぁぁ・・・。今日の試験で決まる・・・。」

 

 

「うっ・・・。は、吐きそう・・・。」

 

 

「神様仏様・・・!靴でも脚でも舐めるので、合格させてください・・・!!」

 

 

そんな呻き声に首を傾げつつ教室に入ると、目に入ったのは魑魅魍魎(ちみもうりょう)の様な呻き声を上げるクラスメイトの皆さんでした。そんな彼等の様子に顔を見合わせながら、私達は席に就きました。

 

 

「なんか・・・。皆、大変そうね・・・。」

 

 

「夏季休暇の過ごし方がかかっていますからね・・・。中には、一定以上の点数を取らなければ部活の大会に参加できない生徒も居られるようですから。」

 

 

「え・・・?それって、大会に出場できなかったら・・・。」

 

 

「スポーツ推薦などの可能性は、瞬く間に無くなっていくでしょうね。」

 

 

「私・・・、部活に入って無くて良かったわ・・・。」

 

 

そうこう話していると、担任の先生が入って来られました。その瞬間、教室内は静寂に包まれました。そんな中、先生が話され始めます。

 

 

「えー。全員、席に就いたな。じゃあ、今から期末テストを開始するからな。カンニングとかすんなよー。」

 

 

そう仰られると、先生は前から順番に試験用紙を配布してくださいます。そして、試験開始の鐘と共に鉛筆を走らせる音が響き始めました。

 

 

そんな中、私は次々と試験問題を解いていきます。いつもならば、綾香さんと机を接し合っていますがカンニング防止のために机は離されています。そんないつもよりも、遠くに感じる彼女に武運を祈りながら私も試験問題を解き始めたのでした。

 

 

そして、時は過ぎて放課後・・・。五教科目である社会の試験が終了し、先生が全ての試験科目に記入漏れが無いか否かの確認をしています。そして、全員分の答案用紙が回収された事を確認されると先生の号令で試験が締めくくられます。

 

 

「よし。えー・・・確認したところ、名前の書き漏れは全員無かったから安心して良いぞ。それじゃあ、成績発表日まで復習するもよし。遊びまわっても良しとするからなー、かいさーん。」

 

 

その言葉と共に、周囲からは歓声の嵐が聞こえてこられます。そんな彼等は、鎖から解き放たれたかのように狂喜乱舞しておられました。

 

 

「いえぇぇぇ!!終わったぞぉぉ!!」

 

 

「フゥゥゥ!!」

 

 

「ゲーセン行こうぜ、ゲーセン!!」

 

 

「はぁ!?カラオケに決まってんだろ!!俺の美声で、テスト期間の鬱憤をぶっ飛ばしてやるよ!!」

 

 

そんな彼等の様子に、私と綾香さんは苦笑いを浮かべていました。やはり、皆さん色々と鬱憤が溜まっておられたようですね・・・。

 

 

「皆・・・、生き生きしてるわね。」

 

 

「そうですね。学生である以上、勉学に身を入れるのは当然なのですが・・・。それらから解放された皆さんが笑顔でいられると、こちら側まで嬉しくなってしまいますね。」

 

 

そう話していると、クラスメイトの内の一人が私達に話し掛けて来られました。そんな彼の眼差しは、どこか期待感で溢れかえっていました。

 

 

「水無月様!もし宜しければ、水無月様も来られませんか!?」

 

 

「・・・私もですか?」

 

 

「はい!今回のテストで俺達が自信満々で終える事が出来たのは、水無月様が根気強く教えてくれたからです!!」

 

 

そんな彼に続くように、他の方々も私と綾香さんに話し掛けて来られました。そんな彼等の眼差しには、有無を言わせないような迫力がありました。

 

 

「分かりました。では、場所の手配は任せてください。」

 

 

私がそう言うと彼等は場所の手配も自分達ですると食い下がってこられましたが、流石にこの大人数に成ると予約が必要に成りますからね・・・。コネでなんとか致しましょう・・・。私がその旨を伝えると、彼等はせめて飲み物や食事は奢らせてほしいと頼んでこられました。

 

 

「な、ならせめて、食事や飲み物は奢らせてください!!」

 

 

「なんなら、桐野さんも一緒に打ち上げに!!」

 

 

「欲を言うなら、桐野さんと水無月様のデュエットを見たいんすよ!!」

 

 

「う、うへへ。お、おねショタのデュエット・・・。妄想が捗りますなぁ・・・。」

 

 

そんな彼等の様子に苦笑いをするしかなかった私達は、喜んでその提案を受け入れる事にします。

 

 

「御厚意を無碍(むげ)にするのも(はばか)られますし、ここは御言葉に甘えましょうか。」

 

 

「それもそうね。折角だから、海人君と弥生ちゃんも呼びましょうか。」

 

 

「そうですね。BクラスとCクラスの方々にも御声掛けをしましょう。」

 

 

私がそう申し上げた瞬間、教室中に静寂が訪れました。不思議に思った私が周囲も見渡すと、恐る恐る一人の生徒が呟かれました。

 

 

「Cクラスを呼ぶのは良いんだけどよぉ・・・。健治の奴も来たりしねぇか?」

 

 

「それなんだよなぁ・・・。健治以外の奴等なら、全然ウェルカムなんだけど・・・。」

 

 

「あいつが来たら、ぜってー空気悪くなるじゃん。」

 

 

その言葉と共に教室中が剣呑な雰囲気に成っていきますが、私は彼等を安心させるかのように一つの情報を口にします。

 

 

「それに関しては、問題はありませんよ。現在テニス部は、夏の強化合宿などに向けての準備で忙しいでしょうし。・・・近藤さんは、テニスに関しては類稀なる才を御持ちですからね。恐らくは、部活の方を優先させるでしょう。」

 

 

私の言葉に、教室の何処からかは存じ上げませんが安堵の溜息が聞こえてきました。・・・生徒会長として、この様な事は考えたくはありませんが・・・。

 

 

(近藤さん・・・。何をどうしたら、貴方はそこまで嫌われるのですか・・・。)

 

 

そう呆れる私でしたが、気持ちを切り替えるとBクラスに居る海人と弥生に連絡をし、そんな二人を介してCクラスにもカラオケに行くか否かの連絡を送ったのでした。

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