クズ男に初恋を弄ばれたギャルは、誠なるハイスペック合法ショタに慰められる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
さて・・・テスト期間も終わり、私は3クラスの皆さん達とカラオケボックスに来ていました。そんな彼等に私は・・・何故か、胴上げをされていました。
「わっしょい、わっしょい!テストが終わったぞー!!」
「宴じゃ宴じゃ!!」
「水無月様の、胴上げ
そんな彼等に降ろして欲しいと頼もうとしましたが、彼等の裏の無い歓喜に満ち溢れた笑顔に私はされるがままになってしまいます。そのとき、綾香さんと海人達が助け舟を出してくださいました。
「皆、その辺にしといてあげたら?時雨君も疲れちゃうわよ。」
「せっかくの功労者を、序盤でバテさせるつもりか~?」
「せやで~、時雨君の美声を聞けずに終わるんは勿体無いやろ?」
その言葉に胴上げの力が弱まっていき、私はゆっくりと地面に降ろされる事になりました。
「お、おぅ。そうだったな。」
「じゃあ、せめて音頭を取って貰って良いっすか!?」
その言葉に頷くと、クラスメイトの内の一人にマイクを渡された私はパーティルームの壇上に上がります。すると、3クラスの生徒の皆さんが私の方に視線を集中させてくださいました。
「んんっ!・・・皆さん、まずは長いテスト期間お疲れさまでした。日々の努力を出し切った皆さんの頑張りを、生徒会長として・・・同学年で共に切磋琢磨する一人の生徒として誇らしく思います。・・・固い挨拶はこれくらいにして、本日は皆さんを労う為にも時が過ぎるのを忘れる程に歌い明かしましょう!!皆様の心からの笑顔が私にとっての何よりの宝です!!」
その言葉に歓声が上がりますが、私もそれに負けじと精いっぱいの声量で締めくくります!
「・・・さぁ!我こそはと、このマイクを始めに取らんとする豪気な御方!是非とも壇上へと御越しください!!」
「会長!先鋒は、自分が行かせてもらうッス!」
私の言葉に、Aクラスの中心人物として名を馳せる方が私からマイクを受けとり、壇上に上がって歌われ始めました。そんな彼を見た私は、海人達のもとへと向かいます。そして、そんな私に彼等は労いの言葉を掛けてくださいました。
「時雨、お疲れさんだったな。ほら、御前の分の緑茶汲んどいたぜ。」
「ありがとうございます、海人。それにしても・・・Bクラスの方々は、あまり来られなかったのですね。」
「あー。なんかデートに行くだの何だのと、
「左様ですか・・・。」
そう言いながら緑茶を飲むと、乾いた喉が潤されていく感覚に陥ります。そんな私の目の前では、生徒の皆さんが心の底からの笑顔を浮かべながら思い思いに歌っていらっしゃいました。
「はぁ・・・。幸せですね。」
「幸せって何がなん?」
「いえ・・・。皆さんの明るく屈託の無い笑みを見ていると、私まで幸せな気持ちになってしまいまして。」
「なんか、時雨君・・・クラスの皆の御母さんみたいやで?」
弥生はそう仰られながら揶揄ってこられますが、御母さんで結構ですよ。皆さんの喜ぶ笑顔が見れるというのなら。
そう思いながら、私はライトアップされたカラオケ会場をぼんやりと眺め始めます。そんな私の視界には、喜びに満ちた表情で歌う方・・・肩を組んで仲良く歌う方・・・。様々な方法で、皆さん楽しまれていらっしゃいました。・・・おや、海人と弥生も歌われるようですね・・・。
私がそう考えながら呆けていると、突然私の肩が揺さぶられました。私を揺さぶった犯人は、マイクを持った海人と弥生でした。
「時雨、何をボケっとしてんだ。俺等は歌い終わったからな。次は、御前の番だぞ。」
「ほらほら、みんな期待しながら待ってんで。」
「え・・・?あ、あぁ・・・承知いたしました。」
そう私が立ち上がると、パーティルームに居る皆さん達からは拍手喝采が巻き起こりました。
「生徒会長!ここは一発お願いします!!」
「会長の美声、楽しみにしてますよ!!」
「ボカロでも、演歌でも何でもウェルカムですからね!!」
「けど、欲を言うならボカロを聞きたいっす!!」
そんな彼等の様子に、壇上へと立った私はタッチパネルを操作しながら迷い始めます。いつもは演歌を歌っていましたが・・・、新しい音楽に挑戦するのも悪くは無いかもしれませんね。
そして、私が音楽名を入れると綺麗な旋律が流れ始めました。その音に、周囲の生徒が騒めき始めます。
「なぁ、このイントロって・・・。演歌か・・・?」
「いや、演歌っぽいけど・・・。なんか、ボカロっぽくね?」
「確かに・・・。」
そんな彼等の声が終わるのと、曲の伴奏が終わるのはほぼ同時でした。そして周囲が静寂に包まれる中、私はマイクに己の歌を吹き込みます。
「い~つか見た影法師、遠い遠い日ぃの思い出は~。は~るが過ぎ夏が来る、時は止まるこ~となく~・・・。」
私がそこまで歌ったところで、一人の生徒さんが私の歌っている歌詞名を言い当てられました。
「この曲・・・。四季刻歌だ!!」
その声に呼応するかのように、小声で周囲の皆さんも話し始められます。
「確かに!何処かで聴いたと思ったら、この曲だったのか!!」
「確かに、生徒会長の儚い声にマッチしてる曲だわ!!」
「お前等、落ち着けよ・・・!生徒会長の歌声が、聴こえねぇだろうが・・・!」
その言葉と共に、会場内が静寂に包まれました。そんな静寂の中、私は心の底からの歌を彼等に届けます。そして曲が終了すると、周囲からは拍手と指笛が響き渡りました。
「良いぞぉ!生徒会長!!」
「アンコールを所望しても、宜しいでしょうかぁ!?」
そんな彼等の要望に応える為にも、私はマイクを持ちながらも一人の生徒のもとへと向かいます。その生徒とはもちろん・・・、ソファに座っておられる綾香さんです。そんな彼女に、私は片手を差し出します。
「綾香さん。宜しければ一曲、御一緒に歌っていただけませんか?」
「え・・?わ、私と!?」
「はい。綾香さんが良いのです。」
その私の言葉に戸惑う彼女に対して、彼女の隣に座っていた弥生と海人が私に便乗するかのように話し掛けてきました。
「綾香!行って来いよ!」
「せやせや。折角なんやし、時雨君と一緒に歌ってきぃ。」
そう仰られながら綾香さんの背中を押す彼等に根負けしたのか、彼女は苦笑いをされながら私の手を取ってくださいました。
「じゃあ、壇上までのエスコート・・・御願いできる?」
「えぇ、御任せください。」
そう言い合いながらも、私達は壇上へと上がり、顔を突き合わせながら歌う曲を選曲し始めます。そして、曲を決めた私達が壇上に立つと伴奏が流れ始めました。その曲とは、これから始まる夏に相応しい一曲・・・。
「あの日〜見渡した
綾香さんが一度歌い終わり私に視線を送られると、私もそれに答えるように大きく息を吸います。そして次の瞬間、私と綾香さんの声が重なりました。
「「パッと光って咲いた、花火を見ていた〜。きっとまだ、終わら〜ない夏が~・・・。」」
そう、私達が選んだ曲は『打上花火』という曲です。因みに、選曲は綾香さんがしてくださいましたが中々に心に響く歌詞ですね・・・。
そう考えながら、花火の様に
もう・・・、誤魔化せませんね。きっと私は、目の前で
だからこそ、私はこの素敵な女性とより多くの時間を過ごしたいという思いが膨れ上がっていきます。ただ今は・・・、この
そうして、周囲の手拍子と共に奏でられる私達の歌唱は、時間いっぱいまで繰り広げられたのでした。