クズ男に初恋を弄ばれたギャルは、誠なるハイスペック合法ショタに慰められる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

34 / 38
綾香視点です


水着を買おう

喫茶店『泡沫の夢』でマスターに挨拶をしてから数分後、私達は時雨君の別荘に遊びに行く為の買い出しに来ていた。

 

 

「それじゃあ、ウチ等は水着新調してくるからね~。」

 

 

「時雨君と海人君は、水着は買わないの?」

 

 

私がそう聞くと、時雨君と海人君は苦笑いをするとスーパーの方を指差したわ。

 

 

「あ~。俺等は去年の水着を使うし、食材の買い出しとか行ってくるわ。」

 

 

「では、数時間後にまたここで集合しましょう。」

 

 

「えぇ!それじゃあ、また後でね!!」

 

 

私の言葉に微笑みながら、時雨君と海人君は背を向けて食品コーナーに向かい始めた。そして、私と弥生ちゃんは水着コーナーに向かい始める。

 

 

「そういえば、綾香ちゃんはどないな水着を着る予定なん?」

 

 

「え、えぇ!?今それ、聞くぅ!?」

 

 

「え~、だって気に成るやん。」

 

 

その言葉に、私は無性にむず痒い感覚に陥って来る。だって、いくら友達相手とはいえ水着を見せるなんてちょっと恥ずかしいじゃない。

 

 

「で、でも・・・。ちょっと、恥ずかしいわよ・・・。」

 

 

「え~。でも、海に行ったらどうせ時雨君にも見られんねんで?」

 

 

その言葉に、私は時雨君の顔を想像してしまう。彼が、私の水着姿を見たらどんな顔をするのかしら・・・。顔を赤くするのか、それともスマートに受け流してくれるのか・・・。

 

 

「・・・ちょっと、どんな反応されるか想像してもうたやろ?」

 

 

「んなっ!!そんな訳無いでしょ!!ほら、早く行きましょ!!」

 

 

「はいは~い。」

 

 

そう言い合うと、私達は女性水着売り場に到着する。すると、私達の周囲から囁き声が聞こえてきたわ。

 

 

「見て見て。あの金髪の子、もの凄いスタイル良くない?」

 

 

「茶髪の子も、もの凄い可愛いわ。」

 

 

「というか、あの茶髪の子って・・・如月財閥の御嬢様じゃない!?」

 

 

「嘘でしょ!?声掛けてみようかしら・・・。」

 

 

「やめなさいよ!きっと、プライベート中なんだから!!」

 

 

「隣の子も、芸能人か何かかしら!!」

 

 

その声に、私と弥生ちゃんが困惑していると助け舟を出すかのように店員さんがサッと現れてくれたわ。そんな彼女は、もの凄く綺麗な御辞儀をしてくれたの。

 

 

「いらっしゃいませ、弥生御嬢様。本日は、水着を御買い求めで御座いましょうか?」

 

 

「せやね~ん。」

 

 

「左様でございますか。隣の御方は、御嬢様の御友人でありましょうか?」

 

 

「せや!桐野綾香ちゃんっていうねーん、可愛ぇ子やろ?」

 

 

「えぇ。もの凄くコーディネートのやり甲斐が有る、素敵な御方で御座います。」

 

 

そんな弥生ちゃんと店員さんの親しげなやり取りにポカンとしていた私は、恐る恐る弥生ちゃんに質問してみる。

 

 

「や、弥生ちゃん・・・。まさかとは思うけど、ここの御店って・・・。」

 

 

「ん?ウチの両親の会社が展開してる服屋さんやけど?」

 

 

「や、やっぱりそうよねぇぇ・・・!!」

 

 

そう言いながらも、私は思わず天を仰いでしまった。いや、確かに当たり前の事なんだけど・・・。こうしていざ見て聞くと、弥生ちゃん達が大企業の御令嬢だという事を嫌でも再確認してしまう。

 

 

「あはは、黙っとってごめんなぁ。」

 

 

「だ、大丈夫よ!勝手に、私が驚いただけだし!!」

 

 

そんな私達のやりとりに、店員さんはクスクス笑うと弥生ちゃんの方を見ながら微笑ましそうに話し始めた。

 

 

「フフッ、新鮮ですね。弥生御嬢様が、神宮寺様や水無月様以外の方と親し気にしておられるなど。」

 

 

「せやろ~。綾香ちゃんは、ウチ等のベストフレンドやからな!!」

 

 

その言葉に、私はどうしてもこそばゆく成ってしまう。そんな話をしていると、店員さんは私達を人気のない所に連れてってくれて様々な水着を見せてくれた。なんでも、弥生ちゃんは毎年マンツーマンで選んでもらってるらしい。

 

 

そして、早速弥生ちゃんが店員さんの助言に従いながらも水着を選んで試着室に入っていったわ。そして、暫くすると試着室のカーテンが開いて水着姿の弥生ちゃんが出てきたの。

 

 

「どや?ウチの新調した水着。」

 

 

「凄く似合ってるわ!弥生ちゃんのイメージに、物凄く合ってるもの!!」

 

 

そう褒める私に目の前には、フリルが付いた紫色の水着を着た弥生ちゃんが立っていたわ。そんな彼女の姿はなんと言うか物凄く可愛くて、まるで妖精さんの様だったわ。

 

 

「せやろ?可愛ぇやろ?」

 

 

「弥生御嬢様、もの凄く御似合いですよ。」

 

 

「えぇ!物凄く可愛いわ!!」

 

 

「では、続いては御連れ様の番ですね。勝手ながら、助言させていただきますと・・・。御連れ様は、背が高くモデルの様な体型をしていらしゃいますので、セクシーさを重視したものが最適でしょう。」

 

 

そう仰られながら差し出されてきた水着を見ると、私は少しだけ戸惑ってしまった。どうしてかって言うと・・・、少しだけ露出が激しい物だったからだ。これを着て、時雨君の前に・・・。

 

 

「ほらほら、早う着替えてきぃ。」

 

 

「う、うぅ・・・。分かったわよ・・・。」

 

 

そう言いながら、私は更衣室の中で服と下着を脱いで水着に着替え始める。そうして、出てきた私を見た弥生ちゃんはニコニコ笑いながら褒めてくれたわ。

 

 

「うんうん!似合ってるやん、バンドゥビキニ!!やっぱり、店員さんのセンス抜群やわ~。」

 

 

「はい!女性にしては長身という事も有り、バンドゥビキニが似合うのではないかと思いました!そして、極めつけは腰に巻くパレオ!これで、一気に大人な女性へ早変わりです!!」

 

 

「これは、時雨君みたいな堅物もノックアウト出来てまうんちゃうかな~。」

 

 

「か、揶揄わないでよ・・・!」

 

 

そう言いながらも、私は改めて鏡の中の自分を見つめ直してみる。・・・よくよく見たら、去年よりも胸が大きく成ってるような気がしないでもないかしら・・・。・・・ベタなポロリとか、起きないわよね。

 

 

「フフン・・・遊んでる最中に、ポロリしちゃったりしてなぁ・・・。」

 

 

「そ、そんな事起きる訳無いでしょ!ね、ねぇ!店員さん!!」

 

 

「そうですね。当店の水着は、密着性が売りですから。御安心くださいませ。」

 

 

その言葉に戸惑いながらも、私と弥生ちゃんは水着売り場を揃って出る事になる。そうして集合場所に着いたのだけど・・・そこには、海人君しかいなかったわ。

 

 

「あれ?海人君だけ?」

 

 

「時雨君は、何処に行ってもうたん?」

 

 

「いや~・・・。それが、便所に行くって言ったっきり戻ってこねぇんだよなぁ・・・。」

 

 

その言葉に私と弥生ちゃんが首を傾げていると、私達三人のスマホから通知音が鳴り響いたわ。その音に私達は同時にメッセージアプリを開く。すると、私達四人のグループチャットに短文が送られてきていたわ。

 

 

『助けてください。二階の玩具店前で、面倒事に・・・。』

 

 

その短文に、私達は更に首を傾げる事になるわ。けれども、身動きを取れない状況みたいだし時雨君の言葉通りに、二階の玩具店に向かってみたんだけど、そこで目にしたのは・・・。

 

 

「ねぇねぇ、ボク一人~?」

 

 

「いえ、人を待っていますので。」

 

 

「だからって、こんなとこに一人だと危ないわよ~。」

 

 

「パパとママが来るまで、御姉さん達と遊ばな~い?」

 

 

恐らくは、見た目からして女子大生ってところかしら。そんな三人の女性達に囲われて、色々と迫られてるみたいだけど・・・そんな中でも、時雨君は当たり障りの無い言葉で対応してたわ。

 

 

「ですから、そうではないと申し上げているではないですか・・・。」

 

 

「やだー!礼儀正しい系ショタとか、私のドストライクなんだけど!!」

 

 

「ほっぺも、モチモチしてそう!」

 

 

そう言いながら時雨君のほっぺを触ろうと、一人の女性が手を伸ばそうとしたときには私の足は自然と動いてしまっていたわ。そして、私は時雨君のもとへと向かうと彼の肩を自分の方に引き寄せて女性達に視線を向ける。

 

 

「すみません!この子、私の・・・か、彼氏なんです!勝手に連れ去らないでくれますか?」

 

 

私がそう言うと、女の人達はキョトンとした顔をすると微笑ましそうな顔で時雨君から離れてくれたわ。

 

 

「あら~、ごめんなさいね。」

 

 

「まさか、彼女さんが居たとは思わなかったわ~。」

 

 

「貴方も、この子の彼女さんならしっかり付いてなきゃ駄目よ!私達みたいな、ショタ好きなビッチに攫われちゃうかもしれないんだから!!」

 

 

「それじゃあね~。」

 

 

それだけ言うと、女の人達はそそくさと立ち去っていったわ。去り際に、『おねショタカップル最高』って言ってた気がするけど・・・。おねショタって、最近流行ってるのかしら・・・。一応、意味は調べてみたけど・・・。そう私が考えていると、時雨君が困ったように笑いながら私に話し掛けてきた。

 

 

「綾香さん、有り難う御座いました。その・・・、逃げようにも私の背では逃げられず・・・。」

 

 

「だ、大丈夫よ!私も、もっと早く来てあげればよかったわ!・・・あ、あぁ!あとそれから、勝手に彼氏扱いしてごめんなさい!」

 

 

「いえ、問題ありませんよ。フフッ・・・此度は、私が綾香さんに助けられてしまいましたね。」

 

 

そう安心した様に笑う彼の顔に、私の心はキュンとしてしまう。初めて会った時はクールに助けてくれた彼が、今度は逆に私に助けられた事に対して安心感を抱いてる・・・。どうしよう、母性本能みたいなのが(くすぐ)られちゃう・・・。あれ・・・?もしかして、私って結構駄目な女だったりする?

 

 

そう考えていると、私の足元から時雨君の声が聞こえてきたわ。そんな彼の声は、少し困ったような感じの声色だった。

 

 

「あの・・・、綾香さん。流石に、公衆の面前でこれは・・・。」

 

 

「へ・・・?」

 

 

ふと我に返ると、私は時雨君の頭を撫でてしまっていたのだった。そして、視線を感じ取って周りを見渡すと周囲からは沢山の眼差しを感じたわ。・・・どちらかというと、微笑ましい物を見るような眼差しだったけど。

 

 

「あら~。可愛いカップルさんねぇ。」

 

 

「ねぇねぇ、ダーリン!アタシにもあれやって!」

 

 

「ごめん、ヘタレな俺には無理・・・。」

 

 

そんな周囲の声に、私と時雨君は真っ赤に成ると急いで海人君と弥生ちゃんの方へ走り寄ったわ!そして、そんな私達を見ながら二人はニコニコと笑い掛けてきてくれたわ。

 

 

「えぇもん、見せて貰いました。」

 

 

「御馳走さん。」

 

 

そう言いながら合掌のポーズをする海人君と弥生ちゃんに、私達二人は同時にツッコミを入れる事になったわ!

 

 

「御馳走様って何が!?」

 

 

「そうですよ!あぁ・・・。穴が有ったら入りたいです・・・。」

 

 

そんな私達を見ながらニコニコしていた二人だったけど、流石に揶揄い過ぎたと思ったのか自販機でジュースを奢ってくれたわ。

 

 

そうして、旅行の準備を終えた私達はフードコートで御昼御飯を堪能してから各々自宅へと帰ったのだった。




次回も綾香視点です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。