クズ男に初恋を弄ばれたギャルは、誠なるハイスペック合法ショタに慰められる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
神楽舞が終了し、
「ねぇねぇ!時雨ちゃん!!さっき見たんだけど、海人君と弥生ちゃんと一緒に化粧室に来てた金髪の女の子居るじゃない!!あの子って、一体誰なの!?」
「物凄い美人だったけど、もしかして彼女!?」
「何言ってんの!彼女どころか、婚約者でしょ!!時雨ちゃん、私の推理合ってる!?」
そう仰られながら詰め寄って来る彼女達に、私はしどろもどろに成ってしまいますが何とか声を絞り出しました。
「いえ・・・、そういう訳では・・・。」
「やっぱり、時雨ちゃんも年頃の男の子だもんね!あんなに、おっぱい大きい子が居たなら毎日天国でしょ!?というか、私もおっぱい大きい女友達欲しいんだけど!!」
「分かるわー!仮にあんな子が恋人だったら、私毎日おっぱいに埋もれたいもん!!」
そう仰られながらも、彼女達は綾香さんについての話題を尽きる事無く話していきます。以前、弥生が男子よりも女子の方が
「というか、確かあんたレズだったでしょ?声掛けてみたらー?」
「えー?行っちゃおうかなー。」
「そ、それはいけません!!」
その巫女さんの言葉が聞こえた瞬間、私は思わず大声を出してしまいました。そんな私の大声に、彼女達は驚いた顔をされてしまいました。
「え!?あ~ごめんごめん!冗談だから、怒らないでよ~。」
「それにしても、もの凄く必死だったけど・・・。もしかして、あの子の事狙ってるの?」
「・・・っ!そ、そういう訳では御座いません!そ、その・・・!綾香さんは御付き合いをしていた殿方に、聞くに堪えない理由で別れを切り出されたばかりなんです!!そ、そんな彼女の弱みに付け込むなど・・・不敬にも程が有ります!!」
「え~?本当に、それだけが理由~?」
そんな彼女達の言葉に、私の顔には知らず知らずのうちに熱が昇っていきます。そんな中、一人の巫女さんが何かを思い出したように話され始めました。そんな彼女の話題に、他の巫女さん達が興を示してくれた事に内心ホッとします。
「そういやさ、最近ナンパされたんだよね~。」
「へぇ~。ナンパってどんな子にされたの?」
「なんか、滅茶苦茶マッチョで金髪の色黒肌な子。背もめっちゃ高かったよ。」
「そうなんだ。で?ホイホイ付いて行ったの?」
「んな訳無いじゃん!私、彼氏いるしのらりくらりと躱してたんだけどマジでしつこかったわ!しかもそれ言ったら、『んな男の事、忘れさせてやるよ』って言われたし!!鳥肌立ったわ!!」
「うわうわ!イタイイタイ!!共感性羞恥で死にそうだわ!!そんなクサい台詞吐く奴、現実に居るんだ!!」
「絶対ヤリチンじゃない!で!?どうなったの!?」
「ちょうど彼氏がやって来て、スタコラサッサと逃げたわよ!!信じらんなかったわ!!まぁ、そのあとスイーツビュッフェでドカ食いして、苛つきを発散したけど!!」
そんな彼女達の話題に、私は思わず半目になってしまいました。神聖なる神域の中で、尾籠な話はして欲しくはないのですが・・・。それにしても・・・女性を手籠めにしようとする、金髪色黒で筋骨隆々の男性・・・若干一名、思い当たる節が有りますね・・・。
そう私が考えていると、私の携帯端末に海人から連絡が入ってきました。内容としては、直会が終わったので屋台を回らないかという内容でした。そん彼の連絡に了承の返事を送ると、私は巫女さん達に会釈をして着物に着替える為に更衣室に向かったのでした。
そうして私が境内前へと向かうと、そこには笑顔で手を振る海人達がいらっしゃいました。
「申し訳ありません!御待たせ致しました!!」
「おいっす!御疲れさーん!!」
そう仰られる海人の隣では、御腹を空かせてしまったのか弥生が頬を膨らませながら抗議の意を示してこられました。
「もー、来るんが遅いよ~。ウチ、とっくの昔に腹ペコさんやで~。」
「弥生、申し訳ありませんでした!何か御詫びに奢るので、御容赦下さいませんか?」
「お、太っ腹やな。ほな、国産牛の牛串でも奢って貰おかな?」
「なんて、遠慮を知らないのですか・・・。」
そう私が呆れていると、綾香さんが私の手を握ってくださいました。そんな彼女の瞳は宝玉のように輝いており、まるで、飼い主に遊んでもらいたい忠犬の様でした。
「時雨君、御疲れ様!!神楽舞、もの凄く綺麗だったわよ!!」
「有り難う御座います。・・・退屈ではありませんでしたか?」
「ううん!寧ろ、時間が過ぎるのを忘れちゃったわ!!」
そう仰られながらも私に笑い掛けてくれる彼女に、私の心は温まっていきます。すると、海人と弥生が私達の方を見ながら声を掛けて来られました。
「なぁなぁ。最近ウチ等、二人っきりでデート出来てへんかったし二人で回って来てえぇ?」
「何なら、御前等も二人で回って来いよ。」
その言葉に私と綾香さんは顔を見合わせると、その言葉に了承を致します。そうして私達は、手を繋ぎながら屋台を回り始めます。すると、縁日の屋台から威勢の良い声掛けが飛んできました。
「いらっしゃい!いらっしゃい!!旨い焼きそばだよ!!」
「林檎飴!安いよ安いよ!!」
「そこのカップル!!綿菓子買ってかないかい!!」
そんな掛け声と共に、
「時雨君。これ食べる?」
「え?あ、あぁ・・・わざわざありがとうございます。」
そう申し上げながらイカ焼きを受け取ろうとした私でしたが、何故か綾香さんはヒョイとイカ焼きを頭上に掲げてしまいました。そんな彼女の不可思議な行動に首を傾げていると、悪戯を思いついた子供の様に笑われると彼女は私の口元にイカ焼きを持ってこられました。
「そうじゃないわよ。ほら、あ~ん。」
「へ・・・?」
「・・・あ、あ~ん・・・。」
そう仰られながらも腕を振るわせている綾香さんに、私は我に返ると恐る恐るとイカ焼きを口の中に頬張りました。そうすると、彼女はホッとした顔に成ると同時に目を輝かせてきました。
「どう?どう?美味しい!?」
「は、はい・・・!」
そう申し上げながらも、私は急激に向上する心拍を何とか抑えようと必死に感情を御し始めます。そうして深呼吸をすると、私の拍動はゆっくりと収まっていきました。
「美味しかったです。有り難う御座いした。」
「良かったわ。それじゃあ、私も食べさせてもらうわね~。」
そう仰られながらイカ焼きを口に運ぶ彼女の様子を、私は呆けながら見つめてしまいます。そしてイカ焼きのタレが付いた頬を舐める彼女の仕草に、私は思わず顔を逸らしてしまいました。なぜか・・・その様な仕草が、どこか扇情的だったからです。
そう私が悶々としていると、何かを思い出されたかのように彼女が話し掛けてきてくださいました。
「そう言えばなんだけど・・・、神楽舞って誰にでも出来るものなの?」
「そうですね・・・、基本的に未婚であることが条件だったりしますが・・・。この神社の場合、明確な決まりが無いのですよ。重要なのは、神に対して真摯に祈りを捧げられるかどうかだと神崎さんも仰られていたので。」
「成程・・・。たしかに、真摯に御祈り出来るかどうかって重要そうよね・・・。それにしても、神崎さんってここの神社に勤めてから長いのかしら。」
「えぇ、長いですよ。私の曾爺様が幼い頃から、ここの神社に御勤めに・・・。」
私がそう申し上げようとしたところで、私の中に一つの疑問点が浮かび上がりました。そして、私と同じ疑問を感じ取ったのか綾香さんも驚いた顔に成ります。
「・・・少し待ってください。私の曾爺様が幼い頃から、御勤めしておられた・・・?」
「・・・え?時雨君の曾御爺様が、子供の頃から・・・?え・・・?か、神崎さんって幾つなの?」
「ま、待ってください!私の曾爺様が、御年百を超えていらっしゃるので・・・。え・・・?」
そう顔を見合わせる私達の間を、一陣の風が通り抜けていきます。その風が吹いてきた方向を見ると、私達の目線の先には神崎さんが遠目に確認できましたが・・・。そんな彼女は、私達の方を微笑みながら見つめてきている様でした。
「や、止めにしましょうか・・・。この話題は。」
「そ、そうね・・・。よ、よし!!気を取り直して、御祭りを楽しみましょう!!」
「は、はい!!」
そう笑い合いながら、私達は縁日の騒めきが終わるまで屋台を巡り続けたのでした。
そうして、カラスの鳴き声が聞こえる黄昏時・・・。縁日を楽しんでいた方々が段々と帰路に就かれ始める中、私達二人は境内に設置されている椅子に座っていました。
「綺麗な夕焼けねぇ・・・。」
「そうですね・・・。」
「海人君と弥生ちゃんは・・・?」
「先に帰られたようですよ・・・。」
「そうなのねぇ・・・。私達も、そろそろ帰る?」
そう尋ねてこられる綾香さんの顔を私は失礼だとは思いながらも、盗み見てしまいます。そんな彼女の横顔は、まるで神が作り上げた芸術作品の様に美しい物でした。
彼女の煌びやかな金糸のような髪色は夕焼けに照らされており、穏やかな表情をしている彼女の美しさに拍車をかけている様でした。そんな綾香さんに見とれていると、彼女が心配そうな顔で話しかけてこられました。
「・・・時雨君?大丈夫?」
「え?あ、大丈夫ですよ。」
そう平静を装いながらも、私の心拍動の勢いはどんどんと増していきます。すると、自分でも気づかない内に顔が赤く成っていたのか、綾香さんが私の額に御自身の額を重ねてこられました!!
「あっ、綾香・・・さんっ!?」
「熱は・・・無いっぽいわね?もしかして、神楽舞の疲れが残ってた!?ご、ごめんなさい!疲れてるのに、連れ回しちゃったわよね!!」
そう心配してこられる彼女は、今度は私の頬を包み込んでこられました。そんな彼女の接触に耐えきれなくなった私は、慌てて大きな声を出してしまいました。
「あっ、あのっ!もし宜しければ、御帰宅の前に絵馬を書いていかれませんか!?」
「え?え、えぇ!そ、そうね!!折角だし、書いてから帰りましょうか!!」
そんな私の提案に戸惑われながらも、綾香さんは私の手を取られました。そして、私達は絵馬が書ける所に向かい、各々願いを書き始めます。
「・・・時雨君、書き終わった?」
「はい。書き終わりました。」
「そう、御互い叶うといいわね。」
「はい!・・・では、帰路に就きましょうか。」
「えぇ!」
そう言い合いながら、私達は手を繋いで共に帰路に就き始めます。そんな私達を見守るように、夕日は私達を暖かく照らしていたのでした。