ゲヘナの番犬~私はアコ様の忠犬です!~ 作:Katarina T
「ふわぁぁぁぁ~~~~……。もう朝ですか。」
閉じたカーテンの隙間から漏れ出た日の光によって目を覚ました私は、未だ枕にダイブして夢の国に行こうと考えている思考を彼方にぶっ飛ばすため、ベットから起き上がるとんん――ッ!と思いっきり体を伸ばした。
よし!まだ若干眠いし、ベットが恋しいけど、今日は朝から大事なお仕事があるので早めに起きなきゃいけません!
そう思いながら私こと、ゲヘナ学園1年生、風紀委員会所属の冥番サベラは気合を入れるように両手でむんっと握りこぶしを作ります。
今日も一日お仕事頑張ります!………ところで、今って何時くらい何ですかね?目覚まし時計は。
私がふとベット脇にある目覚まし時計に目を向けると………
「ええっ!あと10分しかない!?」
どうやら私は早起きするどころか、完全に寝坊してしまったみたいです……。
「な、何ですか!昨日ちゃんと目指しかけたはずなのに!……あっ、よく見たらタイマーセットしただけで、アラームを入れてなかったです……。」
あまりにもあんまりなうっかりミスに若干肩を落としてしまいます。トホホ……。
でも後悔はしてる暇はありません!とにかく急いで支度を済ませないと!
私はさっさと身支度をして荷物を持つと急いで学校へと駆け出しました。
「はぁ……はぁ……」
途中何度か不良に絡まれましたが、なんとか間に合わせることができました!
とは言え時間もギリギリなので、さっさと風紀委員会本部の部室に行きましょう。
ガチャ
「おやサベラさん、おはようございます。」
私が部室に入ると、私が最も尊敬するお方、天雨アコ様がなにかの書類を片手に思案するようにその書類を見つめていました。
「あ、おはようございます、アコ様!遅くなって申し訳ありません!」
私は遅刻ギリギリになってしまったことを謝るためにアコ様に向かって頭を下げます。
なんでアコ様がまだ部室に居るのか不思議に思いましたが、それよりも遅刻しなかったとはいえこんなギリギリの時間になってしまったことを謝らなければいけません。
風紀委員会はただでさえ毎日が忙しく、一分一秒を無駄にしてはいけないというのに!
いや、それ以前に風紀を正す立場の風紀委員が遅刻なんてしていいはずがありません!
たった一人の遅れが部活全体の遅れになって大変な事態に繋がることだってあるんですから、時間を守ることはそれくらい大切なことなんです。
だから、遅刻しなかったとはいえ、ギリギリの時間になってしまったことに対して、私はちゃんと謝らなければならないんです!
そうして私が頭を下げていると、アコ様が困惑したように私に話しかけてきました。
「え、ええっと……遅くなったとはどういうことですか?まだ、朝礼まで時間はあると思いますけど。」
「え?でも今日は朝から大事な仕事があるから、早めに集まるようにって……。」
「大事な仕事……。もしかして明日の予定と勘違いしてませんか?」
「……ええ??」
アコ様がきょとんとした顔でそう言いました。
私がスマホを取り出して日程表を確認すると……なんと今日だと思っていた予定が明日に変更されたと書かれていました!
「あれ~~?」
「……まあ早く来る分には悪い事ではないですからね。」
アコ様は呆然としている私を慰めてくれました。
そ、そうですアコ様の言う通りです!確かに予定は勘違いしていましたけど、これはむしろ遅刻しなかったことを喜ぶべきです!
なにも問題はありません!
「そ、そうですよね!それじゃあアコ様、なにかやることはありますか?」
気を取り直して私はアコ様にそのように尋ねてみます。
せっかくいつもより早く来れたのなら、なにか風紀委員会の仕事をして少しでもアコ様たちの負担を減らしたいですからね。
「そうですね……今はまだ仕事もきてませんし、特にやることは……」
アコ様がそこまで言った時、不意にぐぅぅぅぅ~~~、と間の抜けた音が鳴り響きました。
確認しなくてもその音の発生源が私のお腹だということが分かりました。
うぅぅ……///
そう言えば、起きてから何も食べていなかったです。それにしてもこんな時にならなくてもいいじゃないですか。
「あ、これはその……」
「サベラさん……貴方さては、急いで来たから朝ごはん食べていませんね?」
とっさに誤魔化そうとしましたが、アコ様にはお見通しのようで、ぐうの音もでません。
「は、はい……すみません。」
「いえ、良いんですよ。怒っている訳ではありませんから。……そうですね、何か作りましょうか。」
「え!?良いんですか!?」
アコ様の手料理ですか!その言葉だけで私はもう空腹なんてへっちゃらくらい元気が湧いてきました!
「この時間だと食堂も開いてないですからね。ちょっと待っててください。」
「はい!いくらでも待っています!待ては得意ですから!!」
アコ様が部屋から出ていくのを見送ると、私はワクワクしながら部屋のソファーに腰掛けてました。
にへへ!アコ様の手料理!とっても楽しみです!まだかな~~まだかな~~
私の羽と尻尾が私の気持ちを代弁するかのようにパタパタ、ユラユラと落ち着きなく動き回っていると、アコ様が手にお盆を持って戻ってきました。
「簡単なものですが、どうぞ。」
アコ様はお米とお味噌汁、それとウインナーと目玉焼きを持ってきてくれました。
美味しそうな匂いが私の食欲を刺激してついついよだれが出てきてしまいます。
「パアアアアア!!ありがとうございますアコ様!いただきます!!」
先ずはお味噌汁から一口飲むと即席で作ったとは思えないほどの味がしました。お出汁の味とかはよく分かりませんけど、とにかく美味しいです!
お米もふっくらと炊き上がっていて、お箸が止まりません!
「アコ様とっても美味しいです!」
「それは良かったです。急がなくていいので、慌てずよく嚙んで食べてくださいね。」
「はい!分かりました!……あの、アコ様も一緒に食べませんか?」
「私はもう朝食は済ませましたよ。……私はゆっくりコーヒーを飲むことにします。」
その後、私とアコ様はちょっとゆっくりとした朝の時間を過ごしました。