金砂城の審神者たち   作:スナエ

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百鬼夜行

 その本丸の名前は、金砂城(きんしゃじょう)という。

 金砂とは、砂金のことである。

 主である審神者の仮の名前は、沙央(すなお)

 年齢は、35歳。性別は不定。

 審神者暦は、10年を過ぎた。

 多くの審神者のように白い布で顔を覆っているが、あまり厳守してはいない。何故なら、沙央は長い前髪で両目が隠れているから。

 この審神者は、私服も正装もチャイナ服である。沙央の趣味だ。

 最近は、百鬼夜行の中で戦っている。

 

「行けぇ! 野郎ども! 全員蹴散らせぇーっ!」

 

 沙央が、檄を飛ばす。

「珍しくやる気だね」と、近侍のにっかり青江。

 

「童子切安綱が欲しいんじゃあ! センター分けの好みの男!」

「主、俺もせんたー分けですよ」

 

 へし切長谷部が、ずいっと前に出た。

 

「え~ほんとだ~! お前は可愛いねぇ」

 

 長谷部の頭を撫でる沙央。

 

「ありがたき幸せ」

 

 長谷部は、主に撫でられて幸せそうにしている。

 

「はい。では、第一部隊が中心になって敵を斬り捨てて来るように」

 

 隊長のにっかり青江が率いる第一部隊。にっかりは、へし切長谷部、太郎太刀、次郎太刀、蛍丸、山姥切国広と共に戦場へ向かう。

 そんな日々が続いた。

 そして。

 

「よっしゃあ! 戦鬼を叩けるぞ! 鬼狩りじゃあ! 小判なら、154万ある! 死なない程度に殺せ!」

「御意」

「いや、無理だよね。前みたいにすぐ死ぬと思うよ」

 

 物騒な会話をする沙央と長谷部とにっかり。

 

「うちは、鬼斬りの刀が育っていない。ので、お前たちが頑張りなさいね」

「はいはい」

「もちろんです、主」

 

 その後。

 ゴリラのような歴戦の審神者たちの活躍により、戦鬼はすぐに討伐された。

 

「死ぬな、戦鬼! それでも鬼か?! 鬼の名が廃るぞ!」

 

 端末で戦鬼の最期を見ながら、沙央が叫ぶ。

「戦鬼には、廃るほどの物語はないぞ」と、留守番組の三日月宗近が団子を片手に言った。

 

「ぎぃーっ! じゃあ、私が私のために戦鬼の物語書くからぁ! 庭で飼うからぁ!」

 

 沙央は、物書き兼審神者である。

 

「はっはっはっ。主は面白いことを言う」

 

 三日月は、呑気にお茶を啜った。

 

「童子切欲しい! 童子切欲しい! でも苦労はしたくない!」

 

 沙央は、両手で頭を掻きむしった。

 

「天下五剣が揃うしさぁ! 来て欲しいだろ! なぁ、三日月!」

「はっはっはっはっ。そうだな」

「あーっ! 報酬のショボさで気が狂いそうわよ! 俺の技術を駆使して、抗議文を書いてやろうか?!」

 

 本日も、金砂城は賑やかである。主に審神者が。

 

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