富田江と倶利伽羅江を迎え入れ、太鼓鐘貞宗が修行から帰還し、小豆長光を修行に送り出した金砂城。
「ずっと謎の花札やって、謎の玉集めて……気ぃ狂いそうや…………」
審神者は、疲弊していた。
「お疲れ様」
「にっかり……」
沙央が両腕を広げると、にっかり青江は、そこにおさまる。
「癒される……」
「それなら、よかった」
「……20万集めたら、やめようかな」
「無理はしなくていいよ」
「うん……」
沙央は、にっかりの頭に頬をすり寄せた。
猫みたいだなぁ。
にっかりは、そう思った。
「にっかり、駄菓子部屋に行こう」
「うん」
ふたりは手を繋いで、昔の駄菓子屋を再現した部屋へ向かう。
「いつ見てもテンション上がる眺めだ」と、沙央。
それから、沙央はバカほどヨーグルを食べた。
「こんなん、無限に食えるよな」
「主、ほどほどにね」
近侍に釘を刺される審神者。
「了解、了解。次は、カラオケする」
「はいはい」
カラオケルームに行き、沙央は、1990年代のアニメソングを熱唱した。
にっかりは、一曲終わるごとに拍手をしている。
「主。こちらでしたか」
「長谷部。どうした?」
曲を停止させ、沙央が訊いた。
「博多が、主を探しています」
「あ、察し」
にっかりについて来てもらい、審神者は博多藤四郎が待つ部屋に行く。
「博多さん……」
にっかりの背に隠れ、頭だけ出しながら呼びかける沙央。
「主、また無断で小判を使ったとね?」
「はい、すいません……」
「それじゃ、困るばい」
「はい。いやでも、大阪城行くんで……」
「そういうことじゃなか」
「はい……でも、ちゃんと新たな刀をゲットしているので…………」
にっかりの腕をぎゅっとしながら、沙央が弱々しく返した。
「それはそれ、これはこればい」
「すいませんでした……」
「分かったなら、よかよ」
その後。沙央は、にっかりと私室に戻る。
「なんか新しい刀剣男士の情報が入ると舞い上がって、博多に相談すんの忘れんだよねぇ」
「僕も気を付けるよ」
「うん、ありがとう」
沙央は、畳の上に寝転がった。
にっかりも、その隣に寝そべる。
ふたりは、向き合って話をした。
「でもまだ、小判144万はあるんだよな」
「駄目だよ、主。たくさんあるからって、独断で使ってはね」
「はーい」
「ふふ」
にっかりは、沙央の頭を撫でる。
前髪で隠されているが、沙央は目を閉じて、彼の手を甘受した。
そして、そのまま眠りにつく。
寝息を立て始めた沙央に、にっかり青江は、「おやすみ」と小さく言った。
少し後、沙央が夢の中でも玉集めをやらされて魘され出したので、にっかりが起こすことになる。