妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と大決戦

「この格好で戦うのは久しぶりですわね」

「コウヨウ口調戻して」

「分かりましたわ」

「直ってないじゃん!?」

「だいぶ使っててつい喋ってしまう……寧ろ……こっちが本当の自分なのでは……?」

「そうなってもどんなコウヨウも愛するよ」

「今度服選び付き合って下さいまし、サリー」

「ついでにコウヨウの処女も貰うね」

「なんの話をしてますの??」

 

 若干口調がメス堕ちしたコウヨウにサリーがツッコミを入れ、サリーにもたまにツッコミを入れるコウヨウ。それでもコウヨウは言葉を続けた。

 

「これからここから脱出するけど……俺が殿を務めますわ……いや、務める」

「うん、知ってる。でも、私はコウヨウをおいてはいけない」

「ああ。何回もお前に聞かれた、やめておけと。だが、俺にも謝罪含めた迷惑料を借用している身だ。これくらいはさせてくれ」

 

【楓の木】は基地から脱出する手立てとして策を練ったのだが、コウヨウが殿として名乗りをあげて、みんなを逃すと伝えた。初めは反対派が多かったが、モンスターの凶暴化にいちいち構ってはいられない。

 ここは一旦逃げないとどうしようもないのがわかっていたこと、そして、コウヨウ自身が単純に凶暴化モンスターを1人で抑えて被害を抑えられる存在であることを理由に結局殿になった。

 

「作戦はコウヨウが先頭でモンスターを惹きつけて私達が逃げる。で、逃げ切れたらコウヨウは【雷加速】でムサシに飛び乗る」

「ああ、だからムサシの指輪をまたサリーに預けた。ムサシ、わらし、みんなとサリーの言うこと聞くんだぞ」

「キュルルン!」

「まかせろー、後、マスター……」

「なんだ?」

「私みたいに死ぬなよー」

「さぁ? 分かりませんわ? ですが、簡単に散りはしませんことよ」

「まぁ……最悪アレあるから良いけどさぁー」

「アレとは??」

「多分教えない方がいいやー、慢心されても困るしなー」

 

 わらしの意味深な発言にレリフルは疑問に思うが、時間もなかったので放っておいた。とりあえず、レリフル口調のコウヨウに対してサリーがツッコミ無しで、そのまま顔を彼の胸元に埋める。そこまで身長差は無いので顔だけ見ると近距離であった。

 

「イベントが終わったら、デートしようか」

「うん。もう絶対離さないから」

 

 こうして、【楓の木】連合の脱出劇は幕を開けた。

 

「そうだ、コウヨウ」

「どうかしましたの?」

「頑なにそれで行くんだ……もし、コウヨウがどうしようもないくらいピンチになったら、私が命かけてもムサシから飛び降りて迎えに行くから」

「じゃあ、1つだけ保険をかけておく。最悪な話だけど、俺と一緒に死んでくれ」

「OK」

「即決するもんじゃないですわ!?」

 

 ☆

 

「今だね!!」

「うん、出るよ!」

「行きますわよ、みなさん!!」

 

 装備はコウヨウに戻した二刀流釣り師達の合図で、足の速いものから順番に出る。足の遅いものはメイプルやサリーのテイムモンスターに乗る。

 

「コウヨウ! 頼んだ!!」

「任されましたわ!!」

「口調直せ、口調!?」

 

 全滅させたモンスターだが、意外と復活は短かったので少しばかり間に合わなさそうだった。そこでコウヨウが1人でみんなから近いモンスターを順番に切り裂いてダメージを与えていく。

 

「マジか……コウヨウでもそこまで削れないのか!?」

「いや、半分以上削ってるだけでもやばいだろ……モンスターも怯んで動かない奴もいるんだから……」

「全員安全圏です!! 早くコウヨウさんを!」

「コウヨウ!」

「分かってますわ! 【雷加速】!」

 

 サリーの合図で【雷加速】を使って、逃げ切ろうとするコウヨウ。1番彼に近いのはサリーが乗っているムサシ。コウヨウは手を伸ばしてサリーの手を掴む……はずだった。

 

「お兄ちゃん後ろ!」

「な!? ここで魔法かよ!? くっ……【魔法反射】!!」

 

 ダメージは無かったが、モンスターの魔法を弾き返すと、その分距離が広がった。もう一度【雷加速】を試みるが、まさかの距離不足で発動しても意味がなかった。こうなれば、コウヨウは全力で走って距離を詰めながらスキルで追いつくしかないのだが、また魔法が来られると全力で走るに走れない。

 一旦【早着替え】でレリフルになり、【多重水弾】で威嚇射撃をする。

 

「コウヨウ! 落ち着いて! なんか分からないけど奥の手があるでしょ!!」

「あ……そうだったな……みんなお願いだ! 魔法を使いそうなモンスターにだけ遠距離攻撃で援護を頼む!!」

「何をする気だ!?」

「俺のスキルだ!! もはやこれに賭ける……サリーその命、わたくしによこしなさい!! 【コネクト】!!」

 

 レリフル衣装でコウヨウがスキルを叫ぶと、ほんの一瞬だけサリーと指先が触れた。それだけでもこのスキルは発動出来る。

 

「これで俺のMPはサリーのMPを足した数字だ!」

「お兄ちゃん、仮にそうでも、それでも【雷加速】じゃ距離が足りないよ!!」

「だからもう、自分の足で追いつくしかねぇですわ、これだけMPがあれば……【無双転生】!!」

 

 そうしてコウヨウは殆ど全てのMPを使って、最大のスキルを発動した。その瞬間、モンスターの火球魔法がみんなの援護をすり抜けてコウヨウを向かう。

 

「師匠! 後ろ!」

「安心しろ、当たらないから」

 

 瞬間、火球魔法がコウヨウをすり抜けた。確実にスキルは効いていると確信したので彼は全速力で草原を駆け抜けて、サリーの手を掴み取った。

 

「乗ったぞ!」

「ムサシ! お願い、全速力で!!」

「キュルルルルルル!!!」

「ちょ!? 速くない!?」

「あれ? 【同期】は無くなったはずだけど……」

 

 ムサシの【同期】は【コネクト】に変わったので、【コネクト】しなければステータスは3桁程だと思っていたのだが、やけに早すぎる。とりあえずムサシが全速力でかけたらどうなるか……答えは……

 

「「「お、俺達を……置いていくなぁぁぁぁ!!!?」」」

「何あのテイムモンスター……化け物じゃん……」

「お兄ちゃんとサリーはどこ行ったの!? ってかあのスキル何!?」

 

 全員置いて行かれたのである。結局、山の山頂で合流して、置いて行って悪かったと妹に謝るコウヨウがそこにいた。

 

「なんかいっぱい強そうなのがいますわね」

「もうレリフルの格好良くない!? 普通のコウヨウの姿は!?」

「それは少し事情がありまして……」

 

 コウヨウはサリーに手短に詳しく説明をする。この『コネクト』発動をしてしまうと、どちらかが死ぬか、1日終わるか、パートナーのどちらかがログアウトするまで外せないのだ。

 しかも厄介な事にこのスキルは一度かけたら装備変更が出来ないというマイナスがあるようで、威嚇射撃をした時のレリフル装備のまま発動したので、『剣豪シリーズ』が装備出来ない。なので『剣豪シリーズ』のボーナスステータスが使用できないのもあり今のレリフルはSTRとAGI以外0である(レリフル装備のDEX+20、INT+20はある)因みに刀もカスミから貰った1本だ。

 

『紅葉紅(もみじくれない)』STR+30

 コウヨウがカスミから貰った刀。スキルは無いが、実は破壊不可

 

「なのでレリフルの格好出ないといけないのですのよ」

「それでも口調くらい元に戻してよ!?」

「こっちが本当のわたくしでしたのね……思い出させてくれた【集う聖剣】の方に感謝いたしますわ」

「思い出さないで!?」

 

 全てはレリフルことコウヨウの冗談ではあるが、サリーは1つ1つ丁寧にツッコミを入れてくれるので少し揶揄っていた。

 

「まぁ……でもさ、この格好してる時は一応レリフルだからリスペクトって意味でこの口調は使いたいかな」

「女の子になったりしない??」

「しない」

「ペインさんを好きになったりしない?」

「しねぇよ!? 何言ってんの!?」

「もっと言うと他の女の子に浮気しない??」

「しない。サリーが好き。愛してる。それだけは、揺るぎませんわ」

「他の女で快楽堕ちしても??」

「かいら……何それ??」

「サリーお兄ちゃんに変な知識付けさせないで」

 

 ほのぼのと恋人2人が会話をしているのかと思えば急に聞き捨てならない言葉を聞いたメイプルが待ったをかけた。少しして、彼女は兄に聞いた。

 

「というかあのスキル何? 私知らないんだけど?」

「最終奥義。一定時間攻撃喰らってもノーダメージかつそのまま攻撃出来る」

「最強じゃん!?」

「因みに1番MP使うからサリーの合わせてやっと使えた。昔は俺のMPじゃ実は足りなかったから」

「昔はって事は今は違うの?」

「1回だけ使えるが、ほぼMP0になるぞ」

 

 即ち【居合極】すら使えないという事である。とんでもない最強スキルだなとメイプルは苦笑して、サリーは呆れ果てる。

 

「でも、悪いな。ここからはみんなで頑張ってくれ」

「お兄ちゃんは?」

「俺は……戦えない」

 

 原因は今サリーと繋がっているスキルである。【コネクト】はコウヨウがダメージを受けるとサリーもダメージを受ける文字通り互いの命を繋ぐバトンであった。だからこそ彼は自分のせいで今までノーダメージであるサリーにダメージを負わせたくはない。

 

「正直後悔はして……る。うん。ごめんサリー、めっちゃしてる。サリー、死なないでくれ」

「お願いだから泣かないで!? 私は……大丈夫だから」

「お兄ちゃん、そこまで言うなら私が守るよ」

「サリーもお兄ちゃんも私が守ってあげる。お兄ちゃんはいつもダメージは受けてるから違うけど、今日は3人でノーダメージ。3人でイベント最終日、楽しもうよ!」

「そうだよコウヨウ! メイプルが守ってくれるから、私達は敵を皆殺しだよ!」

「物騒な恋人だな。だが、俺は全く戦わないとは言ってない、わらし!」

「イッツミー、わーらし、ヤッフゥゥ!! マスターを守るぜー」

「危ない自己紹介だな」

 

 レリフルの場合少しばかりステータスは下がるがそれでも【コネクト】でサリーと繋がっているので破格のステータスである。ムサシはサリー達の乗り物としてかつやくしてもらうのだが、ムサシがレリフルの元にいなくても、わらしが気合い十分なので2人ならなんとかなるだろう。

 メイプルとサリーは笑いながら彼に抱きついた。目指すはノーダメージ。絶対にサリーもコウヨウもダメージを受ける気は無かった。

 

「ムサシがいない間に、刀一本でどこまでやれるかやってみるか……」

 




 ついにカスミから貰った刀の正体が明らかになりましたけど、コウヨウのステータスからしたらその程度か問題。

 ただ、破壊不能なので一般からすればかなり強いです。
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