妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と雷属性

「ただの化け物ですわね」

「というか形はメイプル亜種じゃん」

「サリーどう言う事!?」

 

 炎の柱が身から吹き上がり、進軍する悪魔のモンスターに挑む生き残りプレイヤー。レリフルのまま一本刀を背負ってコウヨウは作戦通りにみんなの後ろに隠れる。

 

「【イージス】!! お兄ちゃん、絶対に離れないで!」

「メイプル、そうしたいのは山々ですが、どうやらそうも行かないみたいですわよ」

「どう言うこと……!?」

 

 サリーがメイプルを【ヒール】しながらレリフルに問うたが、すぐに分かった。この攻撃はどうにも防げない。例えメイプルであっても、今回はなんとかガード出来たが、次からはかなり厳しいということ。

 

「ペイン、メイプル、このままでは持たん。全員であいつを叩き潰すべきだ」

「ミィさんの言う通りですわ。わたくしは雑魚敵を斬り刻みますから、みなさんは元凶をお願いしますわ!」

「「お前もこいよ!?」」

「無理ですわ」

 

 メイプルはレリフルに何回もみんなでボスを倒そうと伝えるが、彼女(彼)は首を振った。

 

「どうせ果てるなら……確かに分かります。でも、今の俺はギルドも中途半端だしな、行けねぇわ」

「そんなのもう気にしないよ!!」

「それにだ……俺は昔から、このゲームにログインしてから……割とソロが多かったんだ。だから、特殊な雑魚は俺が斬る」

「兄は妹を守るのが仕事だが、間接的にサポートしてやるのも仕事なんだからな。サリー、俺はノーダメージを約束する。だから、お前は出来ることをやってくれ」

「最悪、ダメージ受けても文句は言わない。でも、死んだら一生恨むからね!!」

「ああ。わらし。頼む、俺を守れ」

「任せろー……グイヅグジデやるゥゥゥ!!?!?」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

 やる気になったわらしが赤黒い化け物に変わった瞬間、サリーが大声で悲鳴を上げたのだった。

 

「多分コウヨウなら平気だろうな」

「ミィさん、レリフルですわ」

 

 ☆

 

 メイプル達がシロップやムサシに乗ってラスボス退治をしている間、レリフルはわらしのコンビでモンスターを食べたり、斬り刻む。サリーの回避術も見よう見まねだけで割と現実的に使えるようになったのもあり、攻撃を避けながらヒットアンドアウェイで丁寧に斬り刻んでいった。

 

「思い出すんですのよレリフル。あの黒龍と戦ったクエストはこれよりもひりつきましたわ!!」

 

 そう言いながら、あの時刀一本で戦った自分に言い聞かせながら、しっかりと倒し斬るレリフル。それでもモンスターは次々とレリフルに向かう。ムサシもわらしも戦ってくれてはいるが、数の暴力なのは間違いない。

 

「くっ……正直キツイですわ……1人ならまだしも、サリーの命ですの……」

「愛する者に傷一つも付けたくないですわ!!」

「今助けるっすよ!! 【雷神再臨】!!」

 

 モンスターがレリフルに向かってくる瞬間、無数の雷撃がモンスターを襲って粒子に変える。レリフルは驚きながら見ていると、そこには金髪のレリフルと同じようなお嬢様な雰囲気が感じられる少女がいたのだが……

 

「やってる事がアグレッシブですわね……」

「大丈夫っす……ですか?」

「口調なんて隠す必要無いですわ。そちらの話したいように話して下さいまし」

「そうっすか? それならそれで……あ、今助けるっす!!」

「ありがとうございます。わらし、もう少しの辛抱ですわ!」

「ワガヅダァァァアぁあァアアア!!」

「ば、化け物!?」

「わたくしのテイムモンスターですわ、味方は襲いませんので悪しからず」

「そ、そう……っすか……とんでもないお嬢様っすね……」

「わたくしはレリフルですわ。貴方は?」

「ベルベットって言うっす」

「助かりましたわ。さっき恋人と繋がったのもあって正直疲れてますの。だけどHPを減らせない状態ですの」

「破廉恥っす!?」

「はい??」

 

 スキルの効果を黙っていたのもあり、なんだかいやらしく感じたベルベットとなんの話か分からないレリフルがいた。

 

「そんな事より、助かりましたわ。このお礼はいつか必ず……魚料理で」

「なんで魚料理……??」

「それと、守って下さるならこちらも本気が出せますわ……発動しなさい、【二天一流】!!」

 

 同時に、レリフルが消えてモンスターの後ろに現れた。同時にいくつあるか分からない無数の斬撃がモンスターを粒子にした。発動は無事に出来ると安心したレリフルにベルベットと名乗る少女は初めて見る光景に戸惑いながら、どんなスキルなのか聞く。因みに答えを聞いた彼女は苦笑いしながら普通にすげぇと褒めた。

 

「ってか……STR1万ってなんすか!?」

「足りないでしょうか? 本気でやれば12倍ですのよ?」

「もうわけわかんないっす……」

 

 何もかも初めて聞いた話に戸惑いながらも、レリフルを助けようとモンスターを倒す彼女。勿論レリフルも、あまり動けないが、わらしに命令して、モンスターを切り裂いたり、わらしが食べたりする。

 

「マスター、これ美味しいー、食べるー?」

「食べたいところですが、変なの食べてわたくしと一緒にサリーのHPが減っても困りますの」

「残念ー」

「モンスター食べてるんっすか!? ってか、サリーさんって……」

「わたくしの恋人ですの。存じているのなら奪わないでくださいまし」

 

 サリーという単語を聞いたベルベットは、彼女の隣には常にメイプルという方程式が出来ていた。有名な2人なのもそうだが、実を言うと彼女はファンに近いのである。

 だから、このレリフルという女(男)の言う事を正直信用できなかったのだが、それよりもはっきりと分かる事がある。

 

「レリフルさん……強すぎっす……なんで私が半分も削れないモンスターを一撃で……」

「わたくしのプレイスタイルですので。まぁ、無理なものは無理ですけれど。それと、さっきのスキルは出来る時と出来ない時がありますのでご了承をお願い致しますわ」

 

 もはや斬るしか無かったレリフルはノーダメージでモンスターを一撃斬りをする。ベルベットはそれを見て驚きながらもモンスターをレリフルと共に倒していく。しばらくすると、モンスターが出なくなったので、それを確認してからレリフルは彼女に伝える。

 

「わたくし達の勝ちですわね」

「よかったっす……その、レリフルさん。助けに来たって言ってアレですけど……かなり助かったっす」

「お仲間はどうなさいましたの?」

「別の所で戦ってるっす。私がどこを攻めるか考えてたらレリフルさんが襲われてたから助けに入ったんですけど……」

 

 正直レリフル1人で良かったのではと言ったベルベット。されどレリフルは1人だったらダメージを受けていたと伝える。

 

「今のわたくしはサリーとHPが繋がってますの。貴方はわたくしとサリーの2人を助けてくれたんですのよ。ありがとうございます」

「そういえばその話って……」

「おーい!! お兄ちゃん!!」

「ごめんなさい、妹が迎えに来ましたわ。今日はありがとうございました。それでは、ごきげんよう」

「えっ……ちょっと……!?」

 

 そう言ってレリフルは一瞬で消えたように見えた。STRは伝えたが、AGIもまさか5000あるとは思わないだろう。そのスピードはベルベットでもついていけなかった。

 

「は……速すぎるっす……」

 

 ☆

 

「サリー! ご無事でしたの?」

「うん、レリフルもノーダメージ守ってくれたんだね」

「ある女性に助けられましたの。今度会ったらお礼しますわ」

「浮気?」

「ちゃいますの」

「お兄ちゃん、そろそろお嬢様言葉やめない?」

「こっちが本当のわたくしですの」

「お兄ちゃんがお姉ちゃんになる!?」

「冗談だ……まぁ、助かったっす」

「っすってなに?」

 

 言葉がまた移ったコウヨウはレリフルのまま苦笑いするのであったが、またあの少女に会えるかどうかは分からなかった。

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