妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 日常編です。とある日のムサシと朧の会話。


二刀流と絶対回避(モンスター編)

「と言うわけで、主と私はまた強くなったんだ。褒めてー!」

「まずアンタ誰よ!?」

 

 コウヨウとサリーがギルドホームで昼寝をしている間に、ムサシが人型になっていた。朧もムサシだとは分かっているが、こんな人間の見た目をしたムサシは本当に稀だった。

 

「えっとねー……コホン。何度か見たことはあるだろう、私はムサシ。元々は宮本武蔵だ」

「本当にこのゲームのシステムじゃないんだ……」

「元々私は人だった」

 

 サリーと一緒にではあるが、コウヨウから少しばかり聞いていた。ムサシというテイムモンスターはゲームシステムではないと。にわかには……と言うか朧からしたら信じられない。

 

「確かに刀のモンスターだと思った。でも、たまに人になったりしたのは……やっぱり信じられなかったかも……」

「朧、先に行っておこう。私はいずれ、ここを去ることになる。今日はその話をしたかったのだ」

 

 それは、コウヨウとの約束が終わればムサシもこのNWOの世界から消えると言うことである。朧は少し驚きながらも、いつになるかを尋ねた。

 

「分からない……が、本当に近いうちな気がするよ……」

 

 ムサシはコウヨウと出会ってから今までの事を思い出していた。最初に出会った若造が、ここまでの強さを身につけて、最強と呼ばれるまでになった事がムサシにとっては嬉しい。

 

「まぁ、主は戦いは嫌いだがな」

「アンタも嫌いなの?」

「実を言うと人殺しは嫌いだ。だが、自分の名を有名にすると言う意味であれば、戦いたいと思う」

 

 宮本武蔵。実際彼が本気で戦いを好んでいたかはわからない。それでも、自分の名声を上げるために道場破りのような事をして、人を斬った話は数が知れず。

 

「主はどちらも嫌いだから合わないところもあるがな。それでも己の正義の為に刀を振るのは同じだ」

「男って……いえ、人間ってバカね」

「朧、お前達はモンスターと言ったな」

「だからなに?」

「感情的にならんのか?」

 

 ムサシの言葉に朧は座る姿勢になって考える。サリーが悩んでる時は一緒に悩むし、サリーが怒っている時は一緒に怒る。

 

「感情的にならんならカラクリの世界と言っても良いが、私にはお前達には感情があるように見える」

「お前だって生の一つであるならば、バカになっても悪くはないんじゃないか?」

 

 そう言って、ムサシは笑う。そんな笑みに朧はため息を一つ吐きながら、ムサシに背を向けた。

 

「毛の手入れ、しなさいよ」

「良いぞ」

 

 何を考えているかはムサシには分からないが、いつも通りにハサミになって、朧の毛をカットした。

 

「私はね、アンタのこと実はすごく気に入ってたわ」

「そうなのか?」

「じゃないと毛なんて切らせない。だから……そうね……少し、ほんの少し、寂しくなるわね」

「別に最悪の別れでもあるまい。死ねばいつかは会えるのだ」

「輪廻転生ってやつ?」

「ましてや……」

 

 ──儂のようなおいぼれに惚れるなよ

 

「な!? 惚れてないわよ!!」

「ははっ、冗談だ」

 

 ムサシの真剣な眼に少し見惚れてしまったのは事実だが、そこまで好きになった理論は……ない……はずである。

 

「またな、朧。儂はお主を忘れはせん」

「まだいなくならないわよね?」

「さぁな……おい、起きろ主!!」

 

 そう言ってムサシは刀に変身してコウヨウの頭に峰打ちした。

 

「痛い!? なんだ!?」

「コウヨウうるさい、犯すよ」

「どういうこと!?」

 

 コウヨウとサリーが夫婦喧嘩をしている中で、刀になったムサシと狐のまま姿を変えない(変えられるわけないでしょ!?)朧が少し笑いながら話を続ける。

 

「朧、まだ私は消えない。だが、もし私が消えてしまったのならば、いつか必ず姿を変えても会いに行こう」

「まぁ、期待しないで待ってるわ」

「少なくとも、主をある程度無敗にするまではここに居よう」

「これ以上アイツが強くなるの怖いんだけど」

 

 自分のマスターと夫婦喧嘩している男を見ながら、朧はため息を吐いたのだった。




 なんやかんやで朧とムサシはテイムモンスター同士仲がいいです。シロップはたまに巨大化して人型ムサシを乗せるとか乗せないとか……
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