妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

105 / 159
二刀流と規制

「もうまじむりぃ、あーし釣りする」

「マスターきもーい」

 

 急に語彙力を消失しながら第一層で釣りをし出したコウヨウはわらしから若干引かれてた。コウヨウがこうなったのは理由がある。イベント終了後、体調崩してからの久しぶりのログインでみんなとクエストにでも行こうと思ったのだが、メイプル達がよくわからない浮遊城で探索をしているというメッセージが届いた。

 仕方ないと呟きながら、イベント明けなので久しぶり1人で釣りを楽しもうと思っていた矢先、コウヨウの殆どのスキルが修正どころか規制されたのだ。

【居合極】、【極天二刀】、【豪傑にして英雄】のバフに関して、それぞれ1.5倍、2倍、2倍の累計6倍上がるステータスバフ系がSTRのみに変更。しかも、運営が手を出せない可能性が高かった『呪いの首輪』の外した時の2倍効果すらもSTRとAGIのみに変わったのだ。

 よってコウヨウの本気はSTRだけ最大12倍であり、レリフル装備でなければSTRとAGI以外0である。

 

「最近1番上の階層モンスターがごく稀に一撃で倒せなくなった原因これだからなマジで」

「一撃で倒しても面白くないと思うよー」

「まぁ、それもそうか……一応メダル交換して新スキルも手に入ったしな」

 

 わらしの言葉からむしろ弱体化して良かったのではと思うコウヨウはそのまま釣りを開始した。別に自分は最強プレイヤーとか、俺強い主人公でも無いのだから。そう言いながらコウヨウはコンプリートした魚図鑑を眺めながら、今現在で手に入る魚の種類を暗記するのだった。

 

刀造り(かたなづくり)

 インベントリ内の装備を合成して装備についているスキルを一つにまとめる。刀系統武器、打撃系統武器のみ可能で、合成した場合どちらかの装備は無くなる。たまに合成後、名前が変わり強くなることも……? 

 

 ☆

 

「お兄ちゃん! 人連れてきた!!」

「返してきなさい……ってベルベットさんじゃないか?」

「こ、コウヨウさん!? 私の事知ってるっ……知っているんですか?」

「第八回イベントで助けてもらっただろ? あの時はありがとう」

「え? 存じてないですけど……」

「そうなの? お兄ちゃん」

「ああ、あの【雷神……なんちゃら? ってやつでな」

「私の【雷神再臨】をどうしてコウヨウさんが……」

 

 私服……ゲーム内ではあるが、ワンピースを着た可愛らしい妹のメイプルがコウヨウに紹介したい人がいると連れてきた相手はカナデではなくイベントで助けてもらったベルベットであった。白のブラウスにロングスカートを履いたベルベットに対して感謝の言葉をコウヨウが伝えるが、ベルベットはコウヨウを助けた記憶が無いと話す。

 

「無名ながらも第三回のギルド対抗イベントでペインさんとミィさんをキルしたあのコウヨウさんなら私が助けなくても大丈夫だと思う……思いますけど」

「うーん、お兄ちゃん人違いじゃない?」

「そんなわけない……と信じたいんだが……なぁ、本当に思い出せないのか?」

「そんな事言われても……あ、私が助けたのはレリフルさんっすよ! コウヨウさんじゃ無い……です」

「「あ、なるほど」」

「え?」

「お兄ちゃん、女装」

「任されましたわ」

「え??」

 

 ベルベットの言葉にコウヨウとメイプルは納得した。メイプルが目で合図をすると、コウヨウはすぐさま装備を変える。そうして出来上がったのは……

 

「おほん! お久しぶりですわね、ベルベットさん。わたくしを助けてくれた事、改めて感謝致しますわ」

「レリフルお姉ちゃん!!」

「だが、男ですの」

「え……ええええええええ!!!??」

 

 レリフルの姿を見たベルベットは自分の目だけではなく世の中の全てを信じられなくなった。

 

 ☆

 

「ほ、本物のコウヨウさん……」

「初めまして、今日はお世話になります」

 

 コウヨウとメイプル、ベルベットの3人は第七層でベルベットのギルドメンバー、ヒナタに会った。彼女はコウヨウの姿を見て驚いていたが、すぐに頭を下げて挨拶をする。

 

「連絡しておきましたけど、今日一緒にレベル上げに行くメイプルさんとコウヨウさん」

「よろしく!」

「こら、よろしくお願いしますでしょう。全く礼儀くらいちゃんとしないとブッブーですわ」

「侍装備でレリフル口調にならないでよ!?」

「しかも一瞬危ない人混じってたっす!?」

「レリフル? なんの事ですか??」

「わたくしのスクールアイドル姿ですわ……なんてな」

 

 会話もそこそこに、レベル上げの目的地まで4人で行く事にしたのだが……

 

「ムサシ、メイプルと俺を乗せてくれ」

「キュルルルン!!」

「うわ!? これ、剣……」

「テイムモンスターだ。一応乗れるぞ」

「ベルベットは乗馬……? それがちょっと、少し、けっこう荒いので……」

「ヒナター聞こえてますよ」

「まぁ、最初に戦闘見た時、割と見かけによらずアグレッシブだなとは思った」

「それはレリフルさんも同じ……いや、今はコウヨウさんですね……」

「後で……レリフルさんにお会いしても?」

「良いぞ」

 

 そう言って様々な地形のある場所に移動した4人は腕試しがてら、モンスターと戦う事にした。

 

「じゃあ【挑発】!!」

「「【ウォーターランス】!!」」

 

 メイプルのスキルで近づいて来るモンスターをベルベットとヒナタがスキルで倒していく。勿論コウヨウもモンスターを倒しているのだが……

 

「あれ? お兄ちゃんスキルは?」

「え? スキル? あぁ、手の内とか見せていいやつ?」

「スキルなしで……一撃っすか……」

「さ、流石……最強の二刀流釣り師……」

 

 コウヨウは刀を1本モンスターに刺した瞬間モンスターが粒子となって消える。それを見ていたベルベットとヒナタは正直自分の感覚を疑うしか無かった。

 

「【捕食者】!! ほら、お兄ちゃんもスキル見せて!」

「弱体化したから見せたくねぇな……【極天二刀】、【居合極】」

 

 メイプルの両側から化物が、コウヨウは【居合極】のAGI補正が無くてもすでにこの場におらず、メイプルはゴーレムと戦っているが、コウヨウはいつの間にか5体の粒子と化したモンスターを斬り終えていた。

 

「映像で見た通りですけど、目を疑いますね」

「コウヨウさんが速すぎて何も見えない……」

「お兄ちゃん私や……きっとサリーも倒せるから。サリーはまだ斬られてないけど」

「これでも規制された方だ」

 

 メイプルとコウヨウの言葉に言葉を失う2人。それでも、ゴーレムが作った地震が来た瞬間、メイプルは【身捧ぐ慈愛】で守り抜いた。コウヨウは範囲外だったのでムサシに乗って避けたのだが。

 

「メイプル、仲間はずれにしないでくれ。また拗ねるぞ」

「だったら範囲内で戦ってくれないかなぁ?」

「速すぎて操作が追いつかない。だから余計に進んでしまう」

「今更!?」

 

 実はコウヨウ自身も自分のAGIの速さに悩まされていたのを知ったのはここにいる3人が初めてであった。会話をしながらも真正面からメイプルにぶつかって来るモンスターは一切ダメージを与えられず、そのままコウヨウ達に消し去られたのだった。

 

「範囲から出るお兄ちゃん以外なら基本ノーダメージだから大丈夫!!」

「【機械神】【捕食者】【滲み出る混沌】【毒竜】【身捧ぐ慈愛】【百鬼夜行】……んー、壮観ですね」

「流石俺の妹だな、可愛いさはサリーに負けるが」

「お兄ちゃん食べるよ」

「メイプルちゃんマジ天使」

「コウヨウさん……もう食べられてます……」

 

 ガブガブと左腕をメイプルに食われてるコウヨウだが、別に痛くも痒くも無い。何故かダメージが減っているが、気にはしなかった。そのまま歩いて行くとメイプルが罠にかかる。

 

「え? あ!?」

「メイプル、安心しろ、俺もついて行くから。死ぬ時は一緒だ」

「「何の安心!?」」

 

 そうしてコウヨウ達4人は砂の穴の中に潜る羽目になったのだった。




 お話を見返して来ました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。