妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「ここまで辿り着くとは……流石主様だな」
「お世辞はいらないぞ、ツルギ。俺の中で最強はお前だ。最強の二刀流釣り師の称号はいらんが、お前は俺が倒す。それが無ければやはり【魔王】には勝てん」
「私の頼みではあるが……そこまで真剣になってくれたこと……感謝する」
「その前にこのクエストあったのお前に教えられるまで知らんかったけど」
「このたわけが」
コウヨウがゲームを初めてから色々とあったが、彼を大体最初から最後まで導いてくれたのは、このムサシことツルギである。今、コウヨウはテイムモンスターの特別クエストに挑む途中であった。人型のツルギ……要はムサシを倒せというもの。
条件はツルギのレベルを最大にして、自身もレベルを最大にする事。そうして、第一層のイベントにあった孤島に行く事である。たまたまムサシがそれを彼に伝えたので、マジかよと一言伝えてクエストに向かったのだ。クエスト内の使用は【極天二刀】、【豪傑にして英雄】、【居合極】、【魔法反射】と【魔法削除】の5個、そして……【二天一流】しかスキル使用は出来ない。尚且つ、テイムモンスター無しである。
「わらし、応援だけしてくれ」
「ムサシー頑張れー」
「ああ。任せろ」
「あ、そっちなの?」
わらしとしてはマスターのコウヨウも大切だが、テイムモンスター同士仲良くしてるのもあり、ツルギ(ムサシ)側に行った。ツルギは前回コウヨウが彼女を仲間にした時のように人型になり、彼と話す。
「主様、二天の向こうに行きたくはないか? 最強のその上に……」
「興味は無い。だが、それを手に入れてメイプルやサリーと楽しくゲーム出来るならよこせ」
「相変わらずな主だな……なら、見せてもらおうか。貴方の本気を」
「昔から考えていた……俺が出会った中での最強はプレイヤーではなくてお前だ、ツルギ」
確かにお世辞無しでペインも、ミィも、メイプルも、サリーも、その他大勢いつかコウヨウよりも強い人やこれから抜かされる可能性がある人は多い。それでも、コウヨウはツルギがNWO史上最強モンスターであり、絶対的な存在だと考えている。
「やろうか……コウヨウ様」
「おう、やるか。最強さん」
そして2人は二刀を構えて……地を蹴った。同時に響く刀同士がぶつかる音と共に2人は後ろに飛ばされた。コウヨウ自身しか、彼のステータスは分からないが、クエスト内のツルギは恐らく彼と同等かそれ以上のステータスである事に間違いは無かった。
「クエストの使用かは知らんが、俺が競り負けるのはペインさんから不意打ちを食らった以来だな……」
「主様、貴方の実力。まさかその程度とは言うまいな」
「当たり前だ!!」
そう言って彼は二刀流の最強剣士に突っ込んで斬り裂く。刀でガードはされるが30合以上にも及ぶ鍔迫り合いを含めた刀同士のぶつかり合い。お互い一歩も引かないまま、されど少しずつお互いの身に切り傷を入れながらクエストの時間は進んでいく。
やがて、HPバーが半分を切る所でツルギは刀を収めた。その意図を理解したコウヨウは同じく刀を鞘に収める。
「見事だ。ここまでやられてしまっては、もはやこの技しかあるまい」
「この技って事はあれか……まぁ、前に決着をつけた時もこれだったな」
「前のように不意打ちはしない。私は今……主を倒す。ただそれだけなのだ」
「なら俺は最強を倒そう。争いは嫌いだが、お前に対してはどうしても刀を抜きたい欲に駆られているんだ」
「うちの妹達が俺を最強最強うるせえから、お前を倒して俺が最強になっても良いって……ちょっと最近思い始めたからな」
争いが嫌いなコウヨウでも、ライバルは存在した。絶対に勝ちたい相手が、たった1匹いたのだ。昔からいつかまたこいつと戦う日が来るなら俺は負けると思っていた彼だが、今はどうしても、斬り裂きたかった。
「【極天二刀】、【豪傑にして英雄】首輪はクエストの影響で元から外れてる……準備満タンだ」
「さぁ、来てくれ。私を本気で相手してくれ……主様」
目を閉じて、両者間合いまで歩く。一歩一歩、ゆっくりと地面を踏み込んで、次の一撃の準備を開始して……
「「【居合極】、【二天一流】!!」」
一瞬どころか0.0何秒の世界で、2人は交差しながら刀を抜いた。抜いてから1秒、2秒、3秒と時間が経つがお互い動かない。最初に言葉を発したのは、ツルギ。
「ありがとう。私と戦ってくれて……」
「ああ、俺もお前と戦いたかったからな」
「これで、私は貴方に力を与えられるはずだ……引き分け以上だからな」
「仕方ねぇから貰ってやる。そしてお前と共に歩む事にする」
「この瞬間、私の加護はほぼ全て主人に渡せる。使ってくれ」
「そうか……やっぱり俺を倒せるのはお前くらいだ」
「「ありがとう」」
そう言って、ツルギが、コウヨウが、粒子になって消えた。だが、コウヨウだけはわらしのスキルで粒子から人の姿に戻る。要は引き分けだが、スキルの差でコウヨウが勝ったのだ。
「さて、行くか」
「キュルルルン!!」
「お、ムサシ帰って……あれ? なんか刀立派になった?」
「うん!」
「うん!?」
「後、主人の刀装備、全部改造したよ!」
「は?? なんでお前そんな明るく流暢に喋って……っておいなんだこれ!? インベントリこの刀とカスミさんの刀二本しかねぇんだけど!?」
「これで充分だ。【二天一流】は二刀流では無いんだからな」
「俺の魚返せよ!?」
「無理」
「魚!!」
「マスター……刀合成されて最初に心配するのが魚なのかー?」
「折角手に入れた魚だぞ!?」
「安心しろ、合成した刀だから元々合成前についてた刀のスキルは使える」
「それもやばいからな!?」
クエストをクリアしてムサシが進化したらしい。何故かいつもの片言ではなく普通に言葉を話せるようになっていた。コウヨウはそれを見ながら微笑み、これからどこまで行けるか分からないがこのゲームで共に進む相棒達とクエストのステージを後にしたのだった。
【
インベントリ内のほぼ全ての刀を勝手にムサシが勝手に液体にして勝手に合成させた最高の刀。合成させた全てスキルが使える。刃先の頂に触れれば二刀の刀に変化して二刀流も可能。スキル使用のデバフ効果は発動しない。条件無しで【極天二刀】と【二天一流】が絶対発動する。
スキル【ぶっ飛ばし】、【物干し竿】、【ダブルスタンプ】、【呪龍 ミラ・マキナ】、【王者の一撃】
【
ムサシが主人と最大の契約を結んで得られるスキル。
ムサシが選ぶ主人のステータス全てがムサシのステータスに上乗せされる。(武器や装備、スキルの+値は対象外)
ムサシ(ツルギ)
Lv MAX
HP 500/500〈+150〉
MP 300/300〈+60〉
【STR 300〈+15000〉】
【VIT 300 】
【AGI 300 〈+7500〉】
【DEX 300 】
【INT 300 】
【変身】、【封印解除】、【コネクト】、【宮本武蔵】
☆
「そんな訳で、刀二本になった。刀ないないになった」
「ツッコミ気も無くすんだけど……しかもその刀一本で二刀流になった挙句【ダブルスタンプ】使えるの反則でしょ……」
カナデとオセロをしながらコウヨウは伝える。こんなクエストに行ってこんな事があったんだよと、まるで子供が遊びに行った後の報告かのように彼は話すが、言ってる事は魔界に言って魔族になってきたと言わんばかりの支離滅裂なお話である。
「それにしても、コウヨウが本気でムサシの事を最強だと言った理由が分かったよ」
「分かってくれたならいいが、みんなには黙っておこう。ずっと信じてくれなかったし、ムサシが本気を出したら目で見て体感して欲しいから」
「見る前にHPが0になりそうだね」
そう言って、カナデは笑うが、コウヨウはわらしを少し呼んで、聞いてみた。
「そう言えばわらしは進化とかしないのか?」
「しないー、けど、新しいスキル覚えてそのまま渡したよねぇーマスター!」
「わらしが俺にくれたらしい」
「テイムモンスターのスキルって渡せるの?」
「わらしが言うならそうなんだろ……これなんだけどさ」
わらしから貰ったスキルをカナデが確認すると、コウヨウは改めてそのスキルを見る。少し考えて一言。
「不意打ちにも程があるだろ」
「これはやばいね……」
「ってかなんか増えてるし……うわ……最強のスキルが手に入ったかもしれん」
「コウヨウがそこまで言うなんて……ねぇこれさぁ……相当ヤバいんじゃない?」
コウヨウが普通に最強と言う言葉を伝えるとカナデは恐怖したのだった。ちなみにオセロはカナデが勝った。
座敷わらし(わらし)
Lv MAX
HP 300/300
MP 500/500
【STR 150】
【VIT 150 】
【AGI 150 】
【DEX 150 】
【INT 150 】
スキル
【名状しがたい何か】、【無詠唱】、【冥界の施し】
【
プレイヤーがスキルを発動動作無しで発動可能。発動したスキルの消費MPはテイムモンスターのMPか、プレイヤーのどちらかから引かれる。【冥界の施し】と同じでプレイヤーが使用できるスキル。