妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「頑張れ2人とも」
「師匠も戦って下さい!?」
「珍しくコウヨウさんが私達に稽古つけてくれると思ったら……何でムサシとやらないといけないんですか!?」
「ムサシは俺と同じ動きが出来るから。後、俺は戦いたくないし」
「主を倒したいのなら私を倒してみるがいい」
「そもそも何でムサシは人になってるんですか!?」
「知らない」
ただのサボリ魔である。コウヨウはギルドの修練場で寝そべりながら、ムサシが何故か頑張って人型になってくれたのでユイとマイの稽古に付き合わせる。それでも、双子はかなり手こずっていたのは事実だった。
正直今回に関しては、ムサシの特訓の方が正しい。コウヨウが指示をしたわけではなく、ムサシがこの世界にもう少し慣れることで【魔王】討伐の強さを掴めると勤勉な話をした。
なんとか捻り出してムサシと作った答えは、修練場で頑張ってムサシが人型になり、プレイヤーと遊ぶ(虐殺)事である。コウヨウは人殺しはしないが、ムサシは過去に60戦もの戦いをして殺しや峰打をしていたこともあり、プレイヤーを倒すことはメンタル的にも容易い。
「さぁ、来るが良い……双子達よ」
「テイムモンスターなのに何でこんなに強いんですか!?」
「そりゃ、俺が本気で尊敬してる最強プレイヤー……いやモンスターか? だからな」
「コウヨウさんの言っていた、【剣は折れぬと心得よ】ってやっぱりムサシの事だったんですか!?」
「ムサシの本名はツルギだからな。剣は強いぞマジで」
「私の本名は宮本武蔵だ」
「「え? そうなんですか!!?」」
ムサシの言葉にそうかやっぱりかと、コウヨウはそう言いながら目を閉じる。本来ならば寝ているコウヨウに一撃を入れられる絶好のチャンスだが、ムサシが双子ですらも凌駕するのでコウヨウにすら近づけない。
「ユイ、私がムサシを引きつけるから、ユイはコウヨウさんを!」
「分かった! 師匠……覚悟して下さい!!」
「させるかー……あぁァァァアアアァァ!!?」
「な!? わらしちゃ……」
「食っていいぞわらし」
コウヨウに一撃入れようとしたユイではあったが、わらしがいた。そのままユイはわらしが変身した化物姿に身を食われたのだった。
☆
「「勝てません……」」
「だが、連携は良かった。役割を分けて攻めるのは間違いじゃないが……2人ともわらしの存在を忘れてたな」
「というか……ムサシが強すぎて……」
「俺でもたまに負けるからな」
「キュルルルン?」
双子とコウヨウは反省会をするが、そもそも相手にならない日が続く。流石の彼も双子のモチベーションを考えてテイムモンスター達とやらせたのだが、もっと酷かった。
「やっぱりメイプルとサリーじゃないと上手い事教えられんな……」
「逆に師匠は誰と稽古とかしてるんですか?」
「ユイ、コウヨウさんはもうレベルMAXだから相手なんていないはずだよ」
「ペインさんが基本俺に向かってくる。たまにミィさんも【炎帝の国】総出で決闘挑んでくる」
「「次元が違います!?」」
ペインやミィと決闘しているのは百歩譲ってわかるとして、【炎帝の国】全員を相手に決闘するプレイヤーはこの男しかいないだろう。ユイとマイはコウヨウの底知れぬ強さに脱像したそうだ。
☆
「総員、全力で掛かるように!!」
「「「はい!!」」」
「何で俺が戦わないといかんのだ……」
「人殺しではなく稽古なんだから許してくれ……お礼に第五層にある絶品抹茶スイーツのペアチケット渡すから」
「全員全力で来ないと俺の前にムサシに殺されるから油断するなよ」
ミィのお礼の品に対して彼は全力で相手をする。喧嘩もプレイヤー殺しも嫌いなコウヨウだが、サリーのためとなると話は別である。サリーとデートして喜んでもらう為に、こうしてたまに稽古を付けさせてもらってる。
「流石にこの人数なら最強の二刀流でも……!?」
「遅いですって。喋ってないで早く刀抜けや」
「ギュルルルル!!」
「ザボっでんじゃ……ねぇぇェェェエエエ!!」
コウヨウの高速移動と、急に現れるムサシの斬撃。ムサシは一応テイムモンスターというのがあるのであまり人型にはならないようにする。そして化物に変身したわらしが総出で【炎帝の国】メンバーを斬ったり喰ったり殴ったり。もはや一騎当千どころか唯我独尊状態のコウヨウ。ミィは呆気に取られながらもマルクス達と会話をする。
「ねぇ、ミィ……アレは稽古になるの??」
「ただ一方的にやられてるだけに見えますけど……」
「アイツらは少しばかりレベリングをサボっていた者達だ。良い薬だろう」
「ど、どうしてこんな人数を相手にしてるのにやつはノーダメージなんだ!?」
「当たって無いからな、攻撃が」
結局コウヨウはサリーのようにノーダメージを貫いて【炎帝の国】を壊滅させたという。そうして貰ったチケットでサリーをデートに誘う日が多かったらしい。
「美味しいな、サリー」
「うん! でも、高かったんじゃない?」
「現実とは違ってお金は魚売って死ぬほどあるから」
「そ、そうなんだ……ってか、最近ミィさんやペインさん達と何してんの?」
「一方的な暴力」
「え?」
「一方的な暴力」
コウヨウは涼しげな顔をしてスイーツを食べていたのだが、サリーはコウヨウの威圧を感じてもう何も聞くまいと悟った。