妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

114 / 159
二刀流と第九回イベント

 いよいよ始まる第九回イベント。ギルドホームで、コウヨウ達は意見を交わしながらルールをおさらいする。

 今回のイベントは対人戦が一切無しのレアモンスター狩りである。プレイヤーと協力して、どれだけモンスターを狩れるかのイベントであった。

 

「討伐数が一定多数に到達すると、第八層で役に立つアイテムが手に入るんだって」

「じゃあ尚更頑張らないとだ!!」

「今回はコウヨウもいるから楽そうだな」

「俺をあてにしないでください」

「そうよクロム。いくらコウヨウ君でも、対処出来ないモンスターで対策されていたらどうするの? それに、今回は協力プレイなんだから」

「せやで、イズさんの言う通りや」

「なんでお兄ちゃんは関西弁なの?」

 

 クロムの言葉に1つ注意を促したのはイズ。彼女の言う通り、協力プレイというのならば、倒すモンスターも強力になるだろうと誰もができる予想を立てた。それに対してしっかりと頷いたコウヨウと、少しばかりばつの悪い顔をしたクロム。

 

「まぁ、コウヨウ対策のモンスターが出たとしても、前みたいに不在の時よりは楽になることは確かだね」

「お兄ちゃんは最強だからね!!」

「メイプル、カナデまで……」

「まぁ、全部任せるとは言わないけど、私達は頼りにしてるから」

「仕方ない……今回は人殺しではないから全力で挑むか」

「ユイ、私達はどうしようか?」

「よかったら俺が手伝うぞ。プレイヤーとの戦いではないから」

「本当ですか!? と……言いたいところですけど……今回は私たちでのんびり頑張ってみようかなと思ってます」

「毎回師匠に頼るのもアレですから……」

 

 そんな双子の言葉に少し微笑みながら、わかったと伝えたコウヨウ。最近釣りもしてなかったので、自身は釣りをしながらイベントモンスターを倒そうかなと伝える。

 

「もしかしたら釣りで出る可能性あるしな」

「何か出たら教えてよね」

「多分意味分からんもの釣れそうだから連絡するわ」

「お兄ちゃんならなんか凄いもの釣り上げそう……」

「そしてそれを叩き斬って料理するまで見えたぞ……」

 

 コウヨウの一連の流れを完全に把握しているメイプル、サリー、カスミの3人は笑いながらそう伝えたのだった。

 

 ☆

 

「サメが釣れた……」

 

 普通に釣りをしてイベントモンスターを待っていると、本来のゲームシステムでは絶対釣ることが出来ないサメが釣れたコウヨウ。サメは陸に上がっているのに彼に突っ込んでくるのもあり、明らかにレアモンスターである。

 

「【呪斬】」

 

 彼はスキルで片付けようとしたが、HPは7割くらいしか削れない。サメは割と皮膚が硬い事を知ったコウヨウはそれならと刀で峰打ちをしてぶん殴った。

 

「あべし……」

「今こいつあべしって言わなかったか!?」

 

 謎の断末魔を残して粒子となったサメ。コウヨウのレベルは上がらないが、代わりについて来たのは……

 

『スキル【咆哮詠唱(バベルのうた)】を入手しました』

 

「面白そうだから普通に取っておこう。効果は……」

 

【咆哮詠唱】

 大声で歌いながら戦闘すると自身のVIT×10のバリアが発動する。(装備バフ含む)

 

「剣豪装備で最低でもステータス全部100の数値あるから最高じゃん、絶唱しようかな」

 

 そう言ってコウヨウは釣りをしながら軽くレアモンスターを狩りながら遊んでいたのだった。

 一方で、メイプルやサリー達はというと……

 

「あ、コウヨウからメッセージ……は? サメ釣ったの?」

「おお! サメって釣れるんだ!? お兄ちゃんフカヒレ作れるのかなぁ?」

「もう、何でも釣るな……あいつは」

 

 コウヨウが送った報告メッセージを見て人それぞれの感想を言っていたらしい。

 

『後、俺絶唱しますね』

 

「「「「「「はい??」」」」」」

「「絶唱って何ですか??」」

 

 ☆

 

「どうだクロム、私のテイムモンスターは?」

「ああ、轢き殺してるだけというのに言いたい事は無くはないが……強くてカッコいいな」

「クロム、私の特性爆弾の威力どうかしら?」

「一撃でモンスター達を散らしているのはイズにしか出来ないよな」

「「クロム、どっちが貴方(お前)の役に立っている(かしら)??」」

 

 いやどっちもだろとクロムはツッコミを入れる。内心でこの2人は何かしら確執でもあるのかと疑うくらい、最近自分がいる時に見えない何かが飛び散っている感じがする。

 彼からするとどっちがどうとか優劣をつける気はないし、つけたとしても同じレベルであり、尚且つ高レベルなのだ。

 少しばかり2人の心配をしていると、コウヨウがムサシに乗って自分達の元にやって来た。

 

「よぉ、サメ釣り師、無事だったか?」

「こんにちは死神さん、相変わらず不老不死ですか?」

 

 言葉を濁らせて嫌味らしく言い合うが別に仲が悪いわけでは無くむしろ2人ともニヤついていた。そんなコウヨウにイズとカスミが問いかける。

 

「そうだ、コウヨウにも聞いてみよう」

「ええ、コウヨウ君少しいいかしら?」

「何ですか?」

「「クロムの役に立っているのはどっちだ(かしら)??」」

「正妻戦争は他でやって下さい。そんなものクロムさんが決める事でしょう」

 

 ハッキリと伝えたコウヨウだが、2人はその程度では諦めない。少し溜息を吐いて、彼はすぐに一刀をクロムの首に向けた。イズとカスミ、だけで無く刀を向けられたクロムもビビる。

 

「お、おい!? コウヨウ!?」

「ガタガタ言うならお2人まとめてかかって来て下さい。クロムさんを俺から助けられたら勝ちです……正直、大の大人がそんな醜い争いしないでくださいよ……」

「ぐっ……コウヨウには……流石に勝てん……」

「そ、そうね……ここは諦めましょう……」

「いやだから、折角ギルドメンバー全員で攻略できるイベントなのに正妻戦争ごときで仲違いされたらクロムさんだって嫌でしょう?」

 

 真剣なコウヨウの説教にカスミとイズもなす術は無かった。殆どコウヨウの言う通りである。クロムの取り合いでクロム自身を困らせたくもなければ、【楓の木】でいざこざを作る気もない2人なので、この言葉は大きく自分に響いた。

 

「う、うん……そうだな……すまないイズ、少し我を忘れた」

「いいえ……私も悪かったわ……」

「因みに次ケンカしたらフレンドリーファイアがあってもそれが無効になるまでずっとお2人の首をムサシと斬りますからね」

「「それはやめてください」」

「容赦なさ過ぎだろ……ってかいつまで俺に刃を向けているんだ??」

「クロムさんは鈍感なので一度斬った方がいいかなと」

「何でだ!?」

 

 結局喧嘩の仲裁をしたのはコウヨウ。その後はクロムとイズ、カスミ達の雰囲気もあるからと伝えて彼は去っていったのだった。

 

「アイツ……すげぇな」

「ああ……別に実力で黙らされたわけでもないからな」

「言葉巧みに私達を止めるなんて、他の人も簡単に出来ないわよね」

 

 改めて大人の喧嘩すらも仲裁出来るコウヨウの言葉に舌を巻く3人であった。




 二刀絶唱
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。