妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「魚ー、鮪ー、ナポレオンフィッシュ!?」
「コウヨウ凄いテンション高いね……」
「当たり前だろ! こんなに魚がいるなんて!!」
コウヨウがここまで目を光らせてモンスターを見ているのは初めてである。理由はここ一帯のモンスターが魚ばかりだったからである。鮪、チンアナゴ、ナポレオンフィッシュ、挙げ句の果てにシーラカンスが陸なのに現れていた。一緒について来てくれたサリーもコウヨウの目に薄く笑いながらも彼がここまで喜んでいるのは珍しいと自分も嬉しくなる。
「わーい! 魚ー! チンアナゴー! ユニコーン……ユニコーン!?」
「コウヨウ! それイベント最高レアのモンスター!!」
「【極天二刀】【豪傑にして英雄】【居合極】!!」
コウヨウが魚を倒し続けながら混ざり込んでいたのは何故かユニコーンだった。武器の刃先に触れ二刀流にした後、12倍の最大火力をモンスターに叩き込んだのもあり、ギリギリではあったが、一撃で沈めることが出来た。
『スキル【幻の一角】を入手しました』
【幻の一角】
刀1本装備の場合のみ使用可能。伝説の聖獣が放つ一撃を使用出来る。このスキル発動時のみSTRは5倍になる。
「あ、5倍スキル来た。これで勝てる」
「流石このイベント最高レアのモンスター……スキルも凄く強いね。でも、コウヨウって二刀流だよね? 刀1本の時なんてあるの??」
「あら、サリー。わたくしのことお忘れになりまして?」
「あ、ごめんレリフル……じゃない! やめて! これ以上コウヨウをメス堕ちさせないで!!」
「だからメス堕ちってなんですの?? レリフルの時は刀1本ですわよ」
急な女体化(口調)に対してサリーは18禁用語を伝えたが、彼(彼女)は全く知識が無かったし、知ったとしても顔を真っ赤に染めてサリーの背中を無言で叩くだろう。因みに彼の刀がインベントリに2本しか無いことはカナデ以外には伝えていない。また、最近合成された刀での二刀流はカスミとの稽古や【百鬼夜行】の鬼くらいにしか使っておらず、一旦カスミの刀とその刀の二刀流をしているだけである。
そうして、折角スキルを手に入れたコウヨウは……
「出陣ですわよ皆さん!!」
「お姉ちゃん!!」
「「レリフルさん!!」」
「ねぇ待って?? 何でそんなアイドルが登場したみたいにメイプル達は馴染んでるの?」
「さぁ、行きますわよ!! わたくしお魚は大好きですの!! この一刀流で全て断ち切らせて頂きますわ!!」
「ってかコウヨウめっちゃノリノリじゃん」
「こっちが本当のわたくしですわ!!」
「メス堕ちしてる!?」
「サリー? お兄ちゃんに変な言葉教えないでって言ったヨネ??」
「ごめんなさい!! いや! マジで許してメイプル!?」
メイプルがサリーにお説教準備をしている間も、レリフルに装備したコウヨウは【青龍以下略】の刀で魚を斬り刻む。速く、強く、美しく。まるでこれはメイプルが漫画で見ていたフランス舞台のタイトルのような……
「ベルサイユの……あれ!!」
「薔薇ですわ」
「いや、主人公は男性だけどね!?」
「わたくしも男ですわ。というかあの方設定では女性でしてよ」
「えっそうなの!?」
「にわか乙サリー」
「メイプルしばくよ」
「コウヨウさん速いです!!」
「師匠全部一撃で倒してる……」
「しかも、なんか二刀流の時より動き安定してない??」
正直、サリーの予想は正しい。コウヨウはムサシに全ての刀を合成されて最高武器はこの一本のみにされたので、基本的には二刀流から一刀流になることが多くなった。それでも刀を1本両手で持つ事によって、安定性と機動力を手に入れた。
二刀流の方が使い慣れているし、カスミの刀を装備した二刀流時はかなり暴れられるが、一刀流になってもそれを帳消しにする勢いの立ち回りである。
「侍が刀を2〜3本腰につけているのに、戦う時はどうして刀を1本しか持たないのかご存知でして?」
「そりゃ……両手で持った方が安定して狙えるから……」
「結局、二刀流釣り師とか言われてますけど、1本で戦った方がステータスでなくPS的な意味で強いんですのよ」
「えっと……お兄ちゃんは……二刀流より一刀流の方が……」
「やりやすいですわ」
そう言って彼女(彼)は止まることを知らない。モンスターの頭、胴体、手。剣道で狙えるところの全てを彼女は的確に切り裂く。
勿論魚には手とかは無いが、それ以外のモンスターなら簡単に斬ったり的確にウィークポイントを斬り裂く事が容易かった。
「動きが止まってましてよ!」
「師匠の立ち回り……時代劇のお侍さんみたいです!!」
「白装束が侍の立ち回りって意味わからないけど……もしかしなくても二刀流より強いんじゃ……」
「一撃なら二刀流の方が強いけど、安定してダメージを与えるなら一刀流……お兄ちゃん刀持ったらもうなんでもありだね」
「流石コウヨウさん!!」
次々と、二刀流の時よりノーダメージの時間が多く、斬り刻んでいくレリフル。クロムに対してカスミが言っていた事は、あながち間違ってない居なかったのかもしれない。
──コウヨウは刀1本の方が強いぞ。絶対にな。
「行きますわよ! わたくしの新スキル! 【幻の一角】!!」
そういうとレリフルはモンスターに向かって、両脚を大きくガニ股に開いて、体勢を低くして、刃先をモンスターに向けて突進する勢いの構えを見せる。この構えは……まさか……
「「「「ガトツじゃん(ですよね)!!??」」」」
「貫きなさい!! ロッコンショウジョウ!!」
そのまま足腰だけで瞬間移動したレリフルはそのまま刃先をモンスターの身体目掛けて突っ込んだ。あまりの速さにモンスターは付いて行けず、そのまま胸元に大穴が空き、そのまま粒子と化したのだった。
というか、ロッコンショウジョウはまるで何ひとつ関係無かった。
「流石ユニコーンのスキルですわね」
「しかもめっちゃ強いし……」
「これ私も貫かれるんじゃないかな……」
「師匠がまた私達を置いていった……」
「悔しいですコウヨウさん!!」
「オーホッホッホッホー!! 楽勝ですわ!!」
「お兄ちゃんはもはや何者なの??」
主……二天一流は兵法。二刀である必要性は無いのだ……それに気づいたのなら、もはや免許皆伝よ……
「誰だ今の」
「うわぁ!? 急に戻らないでコウヨウ!?」