妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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レリフルと助太刀

「こんにちはドレッドさん。お邪魔しますね」

「よぉコウヨウ。ここに来るなんて珍しいな、どうした?」

「偵察です」

「堂々とした偵察だな……」

「こっそり見るほうがタチが悪いですからね」

「あ、コウヨウどうしたの?」

「フレデリカさんこんにちは。偵察しにきました」

「偵察って単語辞書で調べて来たら??」

 

 明るい内から堂々と【集う聖剣】のギルドに遊びに来た挙句偵察ですと言ってくるのはこの男しかいないだろうとフレデリカとドレッドは呆れる。

 コウヨウはカナデが【ラピッドファイア】を見てるからと伝えて、そのまま何故かペインの席に座り出した。

 

「ペインさん来たら起こして下さい」

「その前にコウヨウを殺したらどうなるんだろうな?」

「ムサシがすでに貴方の首筋に刃立てているのでやるなら勝手に」

「マカセテ」

「よ……容赦がねぇ……」

「私の隣にめっちゃ大きな口があるんだけど……」

「マスターを切ったら私が食うぞー」

 

 いつの間にか2人の方が窮地に落とされていた。仕方なく椅子に座ってコウヨウと世間話をしていると、扉からギルドマスターのペインが入って来た。

 

「すまない、遅くなったな」

「いえ、そんなに待ってないです。釣りに行きましょうか」

「普通に待ち合わせしてたのかい!?」

「偵察とは何だったのか……」

「口八丁です。俺はペインさんを迎えに来ただけで、カナデとサリーが本命偵察部隊ですからね」

「何の話だ??」

「偵察しに来たんだってさ」

「俺達をか?」

「俺はただ遊びにきまし……ペインさん少々お待ちを……」

 

 ペインと釣りに行こうと足を出したコウヨウがすぐに止めた。何があったのかとフレデリカが聞くと、彼は急に予定が出来てしまったと答える。

 

「優先すべき事か?」

「うちのギルドメンバーが死にかけてます。イベントモンスターに囲まれてるらしいです。「ラピッドファイアのみんなと」

「大事件じゃない!? コウヨウ早く行け!」

「ペインさんすみません。釣りはまた今度でいいですか?」

「構わない。むしろ俺も行こうか?」

「いえ、他ギルドにご迷惑をかけるわけには……」

「私が見てくるー?」

 

 コウヨウが向かおうとするとわらしが出て来て彼に話す。彼は頷くとわらしに先に行って助けてあげてくれと頼んだ。

 

「マスターの弟は私が守るー」

「お前メイプル以外にも兄妹いたのか?」

「カナデは義理の弟です。メイプルの恋人なので」

「コウヨウってその歳で義理の弟いるの!?」

「カナデ……確か魔法使いか?」

「ええ。天才魔法使いです」

 

 そう言って、彼は装備を変える。白装束にだが……

 

「おっほっほっほっ!! それでは行きますわよ!」

「何でレリフルなんだよ!?」

「【集う聖剣】にはこの装備で助けられましたの。ここから旅に出る時はこの格好で出るのがわたくしの礼儀でしてよ」

「コウヨウ……いや、レリフル。行ってこい、そして負けるな。勝て。俺の命令だ」

「承知しましたわ。わたくしの元ギルドマスター」

「コウヨウ、頑張ってね」

「レリフルですわ」

「それ続けるんだな……」

 

 そうして彼女(彼)は爆誕したのだった。

 

「そういえばよフレデリカ」

「何?」

「何でさっきの女の子のテイムモンスター、コウヨウから離れられたんだろうな?」

「あ……確かに……指輪無いとテイムモンスターの制御は無理なのに……」

「どうせまたスキルだろ」

「多分スキルだろう。コウヨウだしな」

 

 ☆

 

「みんな来てくれて助かったよ」

「仲間なんだから当たり前だ……というかかなりの数だな」

 

【ラピッドファイア】と【楓の木】が勢揃いしたフィールドでユイとマイが八本大槌を持って叩きまくっていたし、メイプルも【身捧ぐ慈愛】の準備をしてるし、カナデの近くでカスミも切っているしでもう支離滅裂である。可哀想だ。モンスターが。

 

「感謝してもしきれないな。今回は本当に助かったよ」

「あれ? 兄さんは?」

「カナデ、君にお兄さんなんているのかい?」

「うん……いつもならすぐに来てくれるんだけど……」

「弟よー」

「うわ!? き、君は確か兄さんの……」

「座敷わらしだー。弟ー、マスターから連絡ー」

「な、なに?」

「ですわーがキマシタワー」

 

 わらしの言葉を聞いた瞬間、モンスターがカナデの目の前に来た。だが、それをわらしは化物になり一口で咀嚼する。

 

「美味しいー」

「な、なんていうテイムモンスターなんだ……カナデ……これが兄さんと呼ぶ人のテイムモンスターか?」

「うん……ここまで強いとは思わなかったけど……」

「どうやら……このモンスターは私たちも見た事があるようだね」

 

 カナデと協力していた【ラピッドファイア】のウィルがカナデとリリィに言う。彼はこのテイムモンスターを一度見た事があると言った。どこで見たのか少しだけ記憶を辿ると……そうだ、奴がいた。

 

「来たぞカナデ……お前のお兄さんだ。いや、お姉さんか?」

「え?」

「【幻の一角】」

 

 クロムの声から別の声の聞こえる方を4人が見るとそこには見覚えのある白装束がモンスターの胸元に大穴を開けて突っ込んできた。白装束に狐の仮面。そう、彼女こそは……

 

「助太刀しますわよカナデ! レリフル参上ですわ!!」

「に、兄さん!?」

「お姉ちゃんの間違いではないか?」

「いや、アレはコウヨウだ」

「ど……どういう事……ですか??」

 

 全く意味不明なウィルとリリィだが、レリフルはなりふり構わずメイプル達の元に行く。

 

「お姉ちゃん!」

「師匠!」

「レリフルさん!!」

「メイプル達は息ピッタリだね!?」

「カナデの仇ですわ。わたくしの一撃をくらいなさい巨大イカ! 【幻の一角】!!」

「僕死んでないよ!?」

 

 ユイとマイが叩きつけたイカのHPにトドメを刺したのは5桁のSTRを持つレリフル。イカの顔面パーツが見えない程クレーター並みの大穴を刀1突きで開けたのである。

 

「これが本当のイカ刺しですわ!!」

「イカ食べたいなぁ」

「今度捌きますわよ」

「わーい!!」

「「な、なんて人ですか……」」

 

 イカ刺しの話をする兄妹を見たみんなは(主にラピッドファイア)苦笑いしながらも急な逆転劇に心を落ち着かせることしかできなかったのである。

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