妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「お兄ちゃん、フィギュアどれくらい集めた?」
「魚ー、チンアナゴー、マンター、サメー、ユニコーン……」
「ユニコーンなんていたの!?」
「いたよ、私も見た」
サリーとコウヨウはユニコーンに会ったことを伝える。噂しか知らないメイプルは現場にいないので、そんなモンスターがいたのかと驚きながら、レリフルの姿でスキルを出した時、そんな生物のエフェクトが出たような出なかったようなと考えていた。
「レリフル専用技だ」
「いや、一刀流限定技でしょ……」
「でもお兄ちゃんが刀1本持ちなんてレリフルの時しか知らないけど」
「サリーやカスミさんに2本弾き飛ばされた時に1本装備した記憶がある」
「私の場合ただの投げ技だったけどね」
「ってか、カスミお兄ちゃんの刀弾き飛ばしたんだ……その時はお兄ちゃんどうなったの?」
「ムサシを刀にして1本で戦った。何とか勝てた」
「「結局勝ったんだ」」
ほぼほぼ負けを知らないコウヨウはのんびりとモンスター討伐報酬であるモンスターミニチュアフィギュアを並べる。彼はふと思い立ったように、メイプル達に聞いた。
「そういえば前から聞きたかったんだけど……シロップと朧って喋るのか??」
「喋るわけないでしょ……わらしとムサシがおかしいんだよ……」
「そうだよ。何でお兄ちゃんのテイムモンスターだけ日本語で喋ってるのさ」
「私は元々人間だー」
「私もだよ」
「え? そうなの??」
「ムサシは分かるがわらしは俺も知らなかった」
わらしの言葉にメイプルもコウヨウも知らないと声を上げた。ただ、どうやらコウヨウはそれを聞きたかったわけではなく、単純に朧とシロップの鳴き声を知りたかったらしい。
「ムサシは……前にキュルルルン? って鳴いてたけど、今は言葉喋ってるし。朧とシロップの鳴き声って聞いてなかった気がしてな」
「そういうことかぁ……朧、おいで」
「フォォォゥ」
「え? そんな鳴き声なの?」
「そういう話なら……シロップ、おいで」
「カメー!」
「まんまじゃん。ってか、朧そんな声なんだな可愛いぞ」
「フォォゥ」
「カメー」
「フォォォ! フォォォゥ!!」
「楽しそーだなー」
「ソウッスネ」
「お前らだけ日本語なの何なん??」
「シロップー私が背中に乗ってやろうー、運んでくれー」
「カメー!!」
「オボロ、ノセル」
2匹人間言葉遣いのモンスターがいるが、初めてコウヨウは朧とシロップの鳴き声を聞いたのだった。
「主様……キュルルン!!」
「どっちかで話せよ」
「もう何なの……コウヨウのテイムモンスター……」
「私もシロップとお話ししたいなぁ」
「カメー!!」
☆
第九回イベント最終日。【楓の木】メンバーは作戦会議をしていた。最後のレイドモンスターがどんなやつか、どんな強さかを考えながら話をする。
「強そーなモンスターが出そうだなー」
「コウヨウがいるから多少慌てることはないが……コウヨウもかなり弱体化規制がかかってしまったからな。12倍でも倒せない可能性は大いにある」
「マスターでもダメなら不意打ちとかかなー」
「多くのプレイヤーで囲んで倒すのもありだが、出てくるモンスターによっては即死もありえるからな、不意打ちやらモンスターの攻撃範囲外で戦うしか……ちょっとまてなんかいるぞ!?」
「わらし、邪魔するなよ」
「私は真剣だー」
カスミとクロムが話をしている中でコウヨウのテイムモンスターわらしが姿を表して助言していた。驚くクロム達にコウヨウは苦笑いしながら答える。
「すみません。わらしがみんなとお喋りしたいらしくて……元々人間だったらしいので」
「そ、そうなのか……」
「最悪私がムサシに乗って透明化して不意打ちするぞー」
「その線はありだな。ムサシの透明化で油断しないやつはいないからわらしがムサシに指示を出して攻撃するのは良い案だ」
「マスターはみんなと攻めてくれー」
「みんなは私が守ってあげるよー!」
「俺はみんなになにをあげれば良いのか……」
「コウヨウは今のままでいいと思うよ、ワンキルだし」
「もう何も言えない……この兄妹……」
「というかテイムモンスターが作戦立てるってなんなんだ……」
メイプルとコウヨウの殺戮宣言(天然)に対して、カナデとサリーが苦笑い(カナデは楽しそう)する。わらしは楽しそうにクロム達大人組と話す姿を見て、コウヨウは少し笑っているのだった。
「珍しいな、コウヨウが私のハクに乗るなんて」
「ムサシはわらしを乗せて策を実行してもらいますから」
「マスター、先いって良いー?」
「ムサシが指輪で繋がってるから無理だな。諦めて少しだけ先陣だけきってくれ」
「なるほどー」
「ごめんね、わらし」
「仕方ないよー」
「もはや何なのだ……このテイムモンスター達は……」
カスミはテイムモンスターであるハクに乗りながらコウヨウに伝えた。わらしも頷いて大人しくムサシに乗っている。
「ムサシー、モンスターいたらすぐに首筋に近づいて斬るぞー、ダメージさえ少しでも与えられたら充分だー」
「分かったぞ、わらし殿」
「そういえばムサシも喋るのか!?」
「結構話します」
コウヨウのテイムモンスターが不思議過ぎてずっと見ていたギルドメンバーだが、すぐに目的地についた。
「メイプル達も来たっすね!」
「こんにちは……コウヨウさんは……今日はコウヨウさんなんですね」
「はい。今日はコウヨウです」
「もう何も言うまい……」
寧ろコウヨウ以外誰がいるのかと考えるが、高笑いお嬢様のレリフルがみんなの頭から出てきた事で誰も突っ込まなかった。コウヨウは少し挨拶をしてある人の元に向かった。
「安心してください。峰打ちですよ」
「思いっきり私の首筋に刃刺さってるんだけど!?」
「ごきげんようフレデリカさん」
「アンタ本当にタチ悪いわ……HP3割無くなってるんだけど……」
「コウヨウ、あんまり俺の仲間を虐めないでくれ」
「ええ。そうしますわ。ほら、ポーション渡しますから許してください」
フレデリカに峰打ち(仮)をした後、ペインに注意されたコウヨウはレリフル口調で謝る。【集う聖剣】や【炎帝の国】集まって、大規模な討伐戦になりそうだと彼は悟った。
「コウヨウ、お前は今回のイベントモンスターどう見る?」
「俺が1人で倒すのは無理でしょうね。でも、この人数なら大丈夫です」
「いつもコウヨウに手柄持っていかれるから今日くらいは活躍しないとね」
「いつも活躍はしてませんか?」
「バフかける前にコウヨウが倒したら魔導士のいる意味ないじゃん」
フレデリカの言葉に苦笑いをするペインだが、事実なのは間違い無かった。会話をしていると、巨大モンスターが現れたので、コウヨウ達は戦闘体制を取るのだが……
「アレ俺が相手した海皇に似てるな」
「神も倒すってなんなのアンタ……」
三叉の槍を持って周りの水を激流に変えて操る巨人は、まるでコウヨウが相手した海皇に似ていたという。
なお、鳴き声はアニメ版を文字起こしたもの。