妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と水モンスター

「水か……レリフルの【多重水弾】や俺の【海皇】は効果が無さそうだな……」

「サラッとレリフルをもう1人にするのやめない?」

「何でですか? レリフルも俺たち【楓の木】メンバーですよ?」

「どっちもアンタだからよ」

「侍、レリフル、黒龍、黄金……どっかのDNAモンスターみたいですね」

「フォルムどころか殺傷能力が高くなるだけだけどね」

「殺傷……なるほど、あの水を斬ろう」

「何がなるほど?? しかも無茶苦茶なこと言ってるの理解してる?」

「うらぁ!!」

「マジで斬りやがったよこの人!?」

 

 現在コウヨウは自分のギルドメンバーから離れてフレデリカ達と一緒にモンスターの分析をしていた。行けるかなと言いながら、巨大モンスターが放った激流をコウヨウは二刀流で縦に真っ直ぐ斬ると、水が割れた。まるでモーゼのような事をしたコウヨウにツッコミながら口を開けるしか行動が出来なかったフレデリカ達だが、彼の声で改めて詠唱を開始する。

 

「水は斬れます。みんなは本体を」

「流石だなコウヨウ」

「もはや人をやめたよねコウヨウ」

 

 そのままモンスターに突っ込んで行き、激流を斬り刻んでいくコウヨウ。ふと、横を見るとわらしが姿を表して彼に伝えた。

 

「マスター、ムサシおじちゃんの一撃入れたぞー」

「どうだった?」

「微妙かも、2割くらいだなー」

「充分では?」

「そうかな??」

「そうだよ」

 

 HPバーをよく見るとムサシの分も入れて割と削られていたので倒せないわけでは無さそうである。ふと目をやると別プレイヤーの目の前に激流が迫っているのが見えたので、急いで対処しに行く事にした。

 

「【雷加速】!! 【魔法削除】!!」

「こ、コウヨウさん!?」

「リリィさんか……ダメージは?」

「え、ええ……ダメージは無いです……ありがとうございます」

「おう。それじゃあ、激流は俺が斬るからモンスターの槍とか腕とか、攻撃出来るとこ当てといてくれ」

「は……はい……激流も斬れるんですね……」

「このスキルなんか割となんでも斬れるぞ」

 

 そう言って、苦笑いする【ラピッドファイア】のギルドマスターリリィを守った後、すぐに去っていったコウヨウ。そこから彼はプレイヤー達を襲う激流を斬り裂き続けて、仲間達の延命治療に専念する事にしたのだった。

 

「ムサシ! 斬るぞ!」

「お兄ちゃん! 助かるよ!!」

「アイツの水魔法は俺とムサシが斬る。それ以外の攻撃はメイプルのカバーに任せるぞ」

「分かった!」

「メイプル、コウヨウが言ってる作戦無茶苦茶なの理解してる??」

「え? お兄ちゃんが水を斬って、万が一があれば私が守るんだよね?」

「いや……そうだけど……そうなんだけど……!!」

 

 その通りだが何というかそれを実現出来ること自体わけわからんのよとサリーは言いたいらしい。

 だが現にメイプルが全体を守り、コウヨウは斬れそうな攻撃を斬って無効化する事でメイプル達の負担を減らす。時にはわらしがムサシに乗って一撃を与えるサイクルを繰り出しながら、徐々にHPを削っていく。サリーはため息を吐きながら彼に伝えた。

 

「コウヨウ、あのモンスターのコアをウィルさんに撃ち抜かせてあげて」

「サリー、分かった。ウィルさん、今から俺はお前の矢の道標になろう」

「ど、どうする気ですか?」

「コウヨウ矢の如し作戦で」

「「は??」」

 

 そうしてコウヨウの指示で策を開始したのだが、単純にウィルの放った矢の前にコウヨウがいて、猛スピードでコアに矢を届けるという意味不明な策である。

 

「はい、4本目。ウィルさん、さっさと撃って破壊して下さい」

「まさか私の放つ矢を邪魔される前に猛スピードで障害物を斬り裂くなんて……」

「矢より速いってもうコウヨウに追いつくの無理じゃん」

「【雷加速】だからな」

「これは……私の全力でもどうなることやら……」

 

 まさに一瞬。ウィルが矢を放つタイミングで【雷加速】してモンスターが放つ激流などの障害物で防ごうとするバカ剣豪。二刀流で障害物だけを斬り刻んで矢をコアに届けさせるという運営どころか全プレイヤーが考えつかない芸当をやってのける釣り師がここにいた。

 ウィルもサリーもそうだが、その状況を見ていた多くのプレイヤーも目を見開きながらわけわからんと話しているのが聞こえる。

 

「弓でも魔法でもなんでも良い! コイツに攻撃するなら俺が障害物を斬ってみんなの攻撃を届かせる! 放て!」

 

 コウヨウの言葉に自分達の攻撃が通ると確信してみんな魔法やら矢やら多くの攻撃をモンスターのコアに仕掛ける。コウヨウはその道を作るかの如く激流だけを斬り刻んで、コアに攻撃が当たるように仕向ける。

 

「ムサシ、しばらく乗せてくれ!」

「キュルルルン!!」

「マスター、後ろは任せろー」

 

 コウヨウの後ろにはわらしが化物化して待っているので安心である。そうして、コアは全員の力で破壊に成功したのだった。

 

「なぁ……あの侍何者なんだ……?」

「わからねぇ……けど……あの攻撃を全部ノーダメージで……しかも刀二本で切り裂いてやがる……」

「僕のギルドメンバーだよ。別名、最強の二刀流釣り師」

「「あの有名人か!?」」

 

 ゲームを始めて間もない人達もいたらしい。コウヨウを見ていたプレイヤー達に【楓の木】、【集う聖剣】、【炎帝の国】などが次々と最強の二刀流釣り師と答えたせいもあり、コウヨウの認知度がうなぎのぼりしたのは言うまでもない。

 

「クロムさん、私のコウヨウが本気出すとこうなります」

「流石だな」

「2人ともよしてください。俺は釣り師です」

「主、実はまだ本気じゃない」

「「嘘でしょ(だろ)!?」」

「ムサシ出鱈目言うな」

「マスターならまだ高みを目指せるぞー」

「わらしもやめてね」




 結構私はDNAモンスター好きです。
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