妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「って事があったんだよね」
「お兄ちゃんとうとう刀も捨てたんだ」
「殴ってる時点でもう装備必要ないよね」
ハッキリ言うと刀使いが弓を使うのは相当なステータスでいる。正直コウヨウに関してはSTRとAGIしか振っていないのもあり、弓を放ち、当てる時に必要なステータスが足りないはずなのだ。主にDEXとか。
だが、サジタリアスの弓矢と【一撃必中】はそれを可能にした。たまにではあるが、強制的に命中率を変える事で至近距離でなくても安定した即死の弓矢を放てる。
そんな会話をメイプルとカナデが続けて仲良くお喋りしていた。
「コウヨウってメイプルみたいだよね」
「どういう事? もしかして兄妹だからかな?」
「うーん……どっちも専用の武器でありえないステータス出して、ありえないものに変身して、ありえないくらい相手を苦しめて……悪魔かな?」
「酷くない!?」
「もしかしたら【魔王】かもね」
「それはお兄ちゃんが……ってか、あの話は本当なのかなぁ……」
「僕は分からないけどコウヨウが本気だからそうなんじゃないかな?」
ケラケラと笑うカナデにメイプルは聞く。それならば何故、そんな悪魔を好きになったのかと。カナデは少し考えて、答えを言った。
「メイプルだからかな」
「私だから?」
「もしサリーが悪魔とか化物とか、スライムとかになっても、コウヨウはきっと変わらず愛してるって言い続けると思うんだ」
「確かに……一時期変なサリーも相手にしてたし……」
「変なサリー??」
メイプルはカナデに伝える。あの黒歴史を……
『紅葉……貴方には私が住む海……即ちアトランティスの秘術をかけてあげましょう……』
『ケッホ……ゲッホ……!! 秘術? アトランティス? なんか……ゲホッ! 凄いな』
『これをかけるのは貴方が私のものであるから……所有物を護るのは故郷の決まりです。海よ……我が声に応え彼に神秘の護りかけ、彼を蝕む闇から護りたまえ……』
『なんか心なしか咳止まったような……』
『しばらくするとその咳も治ります……私はこれからアトランティスの会合に参加しなければ行けません……それではごきげんよう……また、来るべき日に来ます』
『ああ、また来てくれ理沙』
『私の名前は理沙ではありません……理沙はこの世界の仮の姿……今の私は……』
そこでメイプルは話を止めてカナデに聞いた。
「えっと……名前なんだっけ?」
「僕に聞かないでよ……というかサリーがそういう時期あった事に驚いてるんだけど……」
「もしかしてお兄ちゃんが魚とか海が好きになった理由って……これ?」
「知らないよ? でもサリーの揶揄い材料としてはありかな」
「その後お兄ちゃんの風邪治ったんだよね。未だにあの時はサリーに助けられたって言ってるけど、サリーは思い出したくないみたい……」
「だろうね……まぁ、話は戻るけど、仮にそんなサリーの姿を見てもコウヨウは好いてるんだ。僕だってメイプルが好きだと言ったのなら化物でも悪魔でも魔王でも、活火山でも、溶岩でも何でも愛するよ」
「何でカナデからみた私の関連性って地獄絵図なのかな!?」
事実である。そうして、カナデはメイプルならキスをして一生大切にしますと発言する事で、この場は収まらなかった。
☆
「うーん!! 美味しいね! カナデ!」
「コウヨウが魚を好きな理由が分かったかな」
「美味しいから?」
「それもあるけど、僕は今、美味しいものを食べているメイプルがとても愛おしいからね。サリーとメイプルが幸せそうな顔を見てるとコウヨウも嬉しい。だから相互関係で好きなんじゃないかな?」
「カナデって……結構大胆だよね……」
「愛ゆえにね。どこかの二刀流釣り師が移っちゃった」
「カナデの話だと最強の二刀流釣り師お嬢様が最近弓使ってるんだけどね」
そう言って2人で笑う。彼らの会話の中心がコウヨウやNWOの仲間達の話であった。それだけこの2人にNWOというゲームが影響を与えているという事だ。
「カナデ」
「どうしたの?」
「今日、お兄ちゃんとサリー家に居ないんだけど……」
「ログアウトするね」
「早いよ!?」
メイプルの誘い文句に1発で心打たれたカナデは暴走したらしい。その後、顔を真っ赤にしたメイプルとカナデが別の日に現実世界で紅葉たちと会ったのだが、理沙にだけ揶揄われたという。