妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「首尾は上々、細工はりゅうり……何だっけ? まぁ、いいかこれで動かせるはずだ」
「師匠? 何してるんですか?」
「それ、船ですよね?」
ギルドホームの近くで整備をしていたコウヨウ。イズから貰った小舟の調子を整えてこの海のステージに出航しようと思っていたのだ。それをたまたま見ていたユイとマイが何をしてるのかと指摘した。
「イズさんから貰った小舟を出航させようとしてたんだが、メイプルやサリーが予定あって来れないから一人旅でもと思ったんだが……折角だから一緒にどうだ?」
「良いんですか? 師匠と出かけられるのは嬉しいですけど……」
「一応イズさんがメイプル、サリー、俺が乗れるようにって3人まで乗れるようにしてくれたし、丁度3人だから大丈夫だよ」
「最初はコウヨウさんとメイプルさんとサリーさんの3人で乗った方が……」
「あの2人は予定入ってるから良いよ、俺も今から行きたかったしな」
「それじゃあ……遠慮なく……失礼します」
そう言いながら、ユイとマイは小型の船に乗り上げたが……
「落ち着け2人とも、まだここ陸だぞ」
「「あ……」」
コウヨウの言葉に有頂天になって喜んで乗ったのもあり、乗る場所を間違えたのだった。
☆
「面舵いっぱい! なんてな」
「全速前進です!!」
「ヨーソローです!」
「なんか怒られそうだからそれくらいにしようぜ」
「「全速前進、ヨーソロー!!」」
「こりゃダメだ、めっちゃ喜んでる」
危ない発言すらも容赦無くする双子に苦笑いをするコウヨウ。最悪の事態を考えて潜水服を着てもらってから船を出航させた。
初めて乗るし初めて操作もするが、割とゲームの仕様もありサクサクと運転出来た。
「あまり障害物も無いし運転しやすいな、ユイ、マイ、何かあったら知らせてくれ」
「「洞窟がありました!!」」
「早すぎんだろ……え? 洞窟??」
もはやコウヨウ達が行動すると何かが起こる事は必然である。ユイとマイが指を指した先には本当に洞穴の様な、小さい陸にあった洞窟を見つけた。
「お宝探しでもするか?」
「「します!!」」
久しぶりに双子と冒険やら散策をするのもありだなとコウヨウはその陸に船を止めて、そのまま洞窟の中に入った。中には階段が1つだけあり、ここを降りろと言わんばかりの雰囲気である。
何かあったら俺の後ろに隠れてろと、コウヨウは伝えてそのまま降りた。
「それは……巨大戦艦??」
「かっこいいです!!」
「でも……氷漬けになってる……??」
階段を降りるとモンスターは全くいなかった。代わりにとてつもなく大きな地下の部屋があり、そこにあったのは氷漬けにされた巨大戦艦の様な大きな船が一隻。
「ムサシ、斬れるか?」
「キュルル……」
「【呪斬】……俺もムサシも斬れんな……」
「コウヨウさんでも斬れないなら……ただのオブジェクトですかね?」
「ねぇ、お姉ちゃん。ここに何か書いてるよ」
ユイが示したのは小さな看板と、何かを入れる様な横長の穴。そしてその看板には……
『知恵の鍵を入れろ』
「知恵の鍵……? 何ですかね?」
「どこかのクエストで手に入るんでしょうか……?」
「ふむ……ムサシ、【変身】」
「キュルル!!」
「「え?」」
とりあえず横長なのでコウヨウはムサシの【変身】で適当にその穴に合う武器をブッ刺してみた。
──パリン!!
「氷割れたわ」
「「嘘でしょ!?」」
普通にツッコミを入れたユイとマイ。本当にこの男とテイムモンスターは何しでかすか分からない。氷が割れると巨大な船がそのままの姿で顔を出したが、特に何も起こらない。
「割れるだけか?」
──ありがとう、この礼は必ず。
「礼には及ばんよ?」
「誰と喋ってるんですか?」
「多分また幽霊」
「普通に怖いからやめてください師匠」
結局その船に乗ったり操作したが特に何もなかったのだった。
「なんだかムサシと雰囲気似てた様な気がします……」
「ムサシに? 気のせいだろ」
「そうだよユイ。あの船刀とかじゃないし……」
ユイの言葉に少しだけまた嫌な予感がするコウヨウである。